春の気配が、そっと満ちる頃となりました。
三月の和風名は「弥生」。
すなわち、“木草弥や生ひ月(きくさ いやおひづき)”――
草木がいよいよ生い茂る頃、という意味をもつ弥生。
目に見える芽吹きの奥で、目には見えぬいのちが静かに満ち始めています。
二十年前、私たちはその「いのち」への想いを音に託しました。
〈いのちよ〉
それは、声高に語るための曲ではありません。
ただ、捧げるための音でした。
2006年3月7日。
アイ・エム・ビー テーマ曲Ⅰ〈いのちよ〉が誕生しました。
【きのこ工房】という屋号に込めた原点。
霧もやの朝、静かに芽吹くきのこを、わが子のように慈しむ日々。
創業まもなく手がけた薬用きのこ【アガリクス】や【猴頭菇(ほうとうくう:山伏茸)】【霊芝】をはじめとする製品が多くのご縁に支えられ、ここまで歩んでまいりました。
研究所では、きのこや微生物、天然素材の可能性を探り続け、お客様相談室には、喜びのお声や温かな励ましが届きます。
そのひとつひとつが、私たちにとって何よりの宝です。
1995年8月1日の創業以来、振り返れば、決して平坦な道ではありませんでした。
順風満帆を感じたことは一度たりともなく、立ち止まり、問い直し、それでも歩みを止めなかった歳月。
今日があるのはお客様ならびに関係者みなさま、すべての方々のおかげです。
研究所の灯りが消えなかった夜。
相談室に届く「ありがとう」の声。
霧もやのなかに芽吹く、静かなきのこ。
自然と人。
生きとし生けるものが肩を寄せあい、支え、支えられめぐる世界。
その小さくも確かな世界を音楽で表すことはできないだろうか――。
それは宣伝のためでも、商品広告のためでもなく、いわゆる社歌ですらありません。
ただ、私たちの根底に流れる想いを音に託したい――。
言葉にしきれぬその願いをすくい上げ美しい旋律へと昇華してくださったのが、“絵画のような曲を創り出す作曲家”菊地雅春先生でした。
完成は2006年3月7日。
タイトルは〈いのちよ〉。
初演は、本日記の著者であるDr.Mこと岩田眞人によるオルガン演奏です。
〈いのちよ〉に込めた想い
ひとつの生物には、ひとつのいのちが宿ります。
やがて土となり、水となり、空気となって形を変えても再び生物の構成成分として取り込まれ、次なるいのちの糧となります。
時空を超え、輪廻を繰り返しながら、絶えることも滅することもなく、再び宿るもの――
それが「いのち」。
私たちが揺るぎなく見つめ続けてきたテーマです。
🎵 アイ・エム・ビー テーマ曲Ⅰ〈いのちよ〉
https://www.mush-imb.co.jp/download/inochiyo.mp3
どうぞ静かな時間に、耳を澄ませてみてください。
きのこ工房の霧もや、土の香り、そして人のぬくもりが、そっと胸に広がりますように。
いのちに感謝。
ご縁に感謝。
今日という日に、心からの感謝と祈りを込めて。
作曲家 菊地雅春先生のプロフィール
東京生まれの東北育ち。
1961年、東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。
下総皖一、石井歓の両氏に師事。
第33回毎日(現日本)音楽コンクール作曲部門<室内楽の部>第一位、。
TBS賞入賞、芸術祭奨励賞、童謡賞などを受賞。
NHK、ヤマハ等において作曲、編曲、指導に携わる傍ら数々の作品を発表。
元神戸大学発達科学部および大学院教授。洗足学園音楽大学名誉教授。
2025年2月逝去。



