今日、6月16日は「嘉祥(かじょう)の日」です。
甘党の方、とりわけ和菓子がお好きな方には、少し心がほころぶ一日かもしれません。
一説によると、848年、嘉祥元年の6月16日、仁明天皇が16個のお菓子を神前に供え、健康と平安を願ったことが始まりとされています。
江戸時代には幕府の年中行事となり、やがて庶民の間にも広まりました。
現代では「和菓子の日」としても知られています。
「嘉祥」とは、おめでたいしるしを意味する縁起の良い言葉です。
そこには、災いを除き、福を招きたいという、昔の人々の切なる願いが込められていたのでしょう。
甘いものを神前に供え、健やかな日々を祈る――。
その姿を思うと、時代は変わっても、人が願うことは大きく変わらないのだと感じます。
また、今日は七十二候のひとつ「梅子黄(うめのみきばむ)」にもあたります。
梅の実が黄色く色づきはじめる頃。
梅雨の雨にぬれながら、青かった実が少しずつ熟していく、季節の移ろいを表す美しい言葉です。
一方で、この時期は空模様も体調も、なかなか安定しません。
急な大雨、強い湿気、気温の乱高下。
近年では、思いがけない雹や激しい雷雨に見舞われることもあり、昔ながらの梅雨とは少し様子が変わってきたようにも感じます。
こうした天候の変化にともない、「気象病」や「天気痛」と呼ばれる不調を感じる方も少なくありません。
雨雲が近づくと頭が重い。
気圧が下がると古傷や関節がうずく。
気温差の大きい日は、めまいや耳鳴り、だるさを感じる。
気分まで沈みがちになる。
これらは、単なる“気のせい”ばかりとは言い切れません。
気圧や気温、湿度の変化が、自律神経の働きに影響し、心身の不調につながることがあると考えられています。
もちろん、天気そのものを変えることはできません。
けれども、天気に振り回されすぎないよう、日々の過ごし方を少し整えることはできます。
まず大切なのは、無理をしすぎないこと。
気圧の変化が大きい日や、蒸し暑さが強い日は、知らず知らずのうちに体に負担がかかっています。
「いつも通りに頑張らなければ」と力を入れすぎず、少し余裕を持って過ごすことも、この季節の大切な養生です。
水分補給も忘れずに。
汗をかいていないように見えても、湿度の高い日は体温調節がうまくいかず、体に熱がこもりやすくなります。
のどが渇く前に、こまめに水分をとるよう心がけましょう。
また、首や肩まわりを冷やしすぎないこと、軽く体を動かして血行を促すこと、睡眠のリズムを整えることも、自律神経の安定につながります。
耳のまわりをやさしくほぐしたり、深呼吸をしたりするだけでも、気分が少し落ち着くことがあります。
嘉祥の日に込められた「除災招福」の願い。
そして、梅の実が静かに色づく「梅子黄」の季節。
災いを避け、福を招くという願いは、特別な行事の中だけにあるものではありません。
毎日の体をいたわり、心を整え、無理なく過ごすこと。
それもまた、現代を生きる私たちにとっての、ささやかな除災招福なのかも知れません。
空模様の変わりやすい日が続きます。
どうぞご無理のないよう、天気と体の声に耳を澄ませながら、健やかにお過ごしください。
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