興味深い記事をは



マウスによる実験で、低GI(グリセミックインデックス)食品が

自閉症の症状を軽減することを明らかにした、

米国ソーク研究所からの報告。

白パン、白米などの精製穀物や砂糖が添加された加工食品は、

血糖値を急激に上昇させる。対照的に野菜や果物や全粒穀物は、

消化に時間がかかり、血糖値のバランスを維持するため、より健康的である。

この20年の間に社会性の発達障害や、繰り返し行動、

コミュニケーション障害等によって自閉症と診断される人は、

劇的に増加している。

アメリカ疾病管理センター(CDC)によると、

自閉症の定義がより広範囲なものになり、

診断の機会が増加したことで患者が増えている面も確かにあるが、

実際に患者が増加しているのも間違いないと思われるという。

「人間における一般的な生理学的変化の多くは、

食生活の変化と結びついている」と本論文の著者であるパメラ・マヘル教授は述べている。

研究チームは、自閉症のマウスモデルを用いて、妊娠中のマウスに、

高GI食と低GI食のどちらかを与え、

出産・離乳後にも子に同様の食事を

脳の発達が終わるまで与え続けた。

その結果、研究チームは、低GI食を食べたマウスでは、

自閉症の症状が軽減することを発見した。

すなわち、研究チームは、離乳後のマウスに一連の行動学的。

生化学的検査を行った。両群とも、エネルギー摂取量や体重は同等であった。

しかし、高GI食のマウスでは、自閉症と考えられる全ての行動が見られた。

社会的な関係が失われ、明らかに目的のない行動を繰り返し、

落ち着きがない行動をとっていたという。

この自閉症モデルマウスは、

通常の実験食(適度なGI食)を与えられても、

正常のマウスと比較して、新しい神経細胞の生成が少ないことや、

既存の細胞や神経結合が異常であることが既に知られている。

さらに、高GI食の自閉症モデルマウスの脳では、

新たな神経を発達するタンパク質の指標であるダブルコルチンの値が

低GI食のマウスにに比較して、非常に低かったという。

この欠乏は、脳の記憶をコントロールしている部分で特に顕著であった。

さらに、高GI食のマウスの脳では、

免疫細胞であるミクログリアの数が多いようであった。

高GI食のマウスの脳は、低GI食のマウスと比べ、

炎症に関連する複数の遺伝子発現が観察された。

今回の研究ではまた、食事が腸内細菌叢に与える直接的な影響を発見したという。

より複合的なでんぷんは大腸に生息する細菌によって分解される。

研究チームは、代謝物の直接測定によって、高GI食のマウスの血中に、

腸内細菌でしか生成しない特殊な代謝産物が大量に存在することを発見した。

「腸内細菌によってのみ生成される分子を血中で発見したときは、

本当に驚いた。GI値が異なっている2種類の食事の間で、

この構成がとても大きく異なっていた」とマヘル教授は伝えている。

研究グループでは、腸内細菌と自閉症のより具体的な関連を

分析する実験を計画しているという。

また、新しい神経細胞が成長するときに炎症反応与える影響を

もっと理解したいとしている。

さらに、自閉症のモデルマウスに食事を与える時期を変える研究を

計画しているという。

たとえば、妊娠中のマウスに高GI食を与え、その子供に、適度のGI食を与え、

その変化を観察するといったものである。


文献http://www.nature.com/mp/index.html

http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=49892&-lay=lay&-Find