漆塗り体験 | うるっしぃーのブログ

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先日、漆工家の工藤茂喜氏の工房で、漆塗り体験をさせていただきました。
工藤
工藤氏



まず道具の説明から。
これは刷毛。

道具
刷毛と箆


毛先はパーマをかけた事のない,真直ぐな女性の髪の毛で出来ています。
今は中国から輸入しています。

毛先の長さを出すため、刀でヒノキ部分を削ります。
繊細な作業なので、こちらは見ているだけに致します。

削る


その後、刷毛の部分に丸みを持たせる作業をします。
そして、固まった毛先をほぐします。

かなづちを使って、毛先についた漆を取ります

かなづち


これが完成品。

刷毛完成
手前が完成品


新しい生漆の樽を開けます。

漆


油紙を少し浮かしただけで、漆の匂いがしてきます。

生漆
甘い匂いです



最初は水分と漆とが分離していますが、
よく撹拌すると均一になってきます。

撹拌


それを小鉢に小分けして、さあ塗ります。

小鉢


今回は、NPO麗潤館で使用するヒノキの床材を練習台に。
普通は拭き漆の場合、一度目には希釈したもので塗るそうですが、
漆本来の塗り心地を経験するために、
贅沢にも下地から生漆で始めます。

床材




まずは師匠がお手本を

お手本


意外に粘っこくて、筆を取られます。

私


漆が乾かないうちに、ウエスと呼ばれる綿の布で摺りこんでいきます。

拭く


今まで気が付かなかった木目がきれいに現れてきます。
その後、別のウエスで仕上げ拭きをします。
ベタベタしたところがなければ、摺りこまれたということです。
夢中になって、塗っていました。

ヒノキの板が、木目が現れることによって、
その人生?木生を語り始めます。
そうかい、そうかい、ここには枝があったのかい・・・と
無言の会話をしながらの作業でした。
今日は体験なので、塗るのは2本だけ。

ヒノキの人生


その後乾燥させます。

長い板なので、既成のムロには入りません。
工藤さん特製のムロです。

まな板状の台の上に並べ、

台
特製の台に乗せ


これも特製のシーツ掛け

むろ


その周りに濡れたシーツで取り囲み、

シーツ


最後にビニールシートでおおいます

ビニール
養生シートで湿気を逃がさないように・・






全ての道具がこの床材の為に存在します。
アイデアマンというか、サバイバル能力の高さに感心します。

乾燥した後は、硝煙を混ぜた黒摺りを摺りこんでいきます。

黒摺り
黒摺り


そんな作業を2~3回繰り返し、その度に拭き取りますが、
どんどん艶が出て来るそうです。

後は使った道具の後始末。

ガラスでできた定盤の上での作業です。
刷毛の漆をよくそぎ落としておかないと、
次回使うときに固まってしまいます。

サラダ油
サラダ油で落とします



こそげる
よくこそげ落とします


リグレイン


石油系
石油系の油でサラダ油を落とします



これで次回すぐに刷毛が使えます。
この板は、池田和広氏の金唐紙の周りに貼られる予定です。
私のことですから、
「これ、私が塗ったの!ちょっとだけだけど・・・」と、自慢するでしょうねえ~。

滅多にできない体験をさせていただきまして、
工藤さん、ありがとうございます。