LARME 032号 連載シネマ23. ザ・ロイヤル・テネンバウムズ | la petite chambre

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illustrator ree*rosee art works

LARME 最新号 の巻末連載シネマイラストは、ウェス・アンダーソン作品

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」について描きました。

 

LARME 032号 cinema fashion room vol.23  ザ・ロイヤル・テネンバウムズ / The Royal Tenenbaums

 

本作で特に好きなキャラクターがマーゴなので、彼女の独特な

メイクやファッション (長男チャスのアディダス親子ルックも独特)、

印象的なシーンを描きました。

 

好きなシーンのひとつは、マーゴがバスルームの洗面所の上で

隠れ煙草を吹かしながらペディキュアを塗り、浮気相手のイーライ

(オーウェン・ウィルソン)と電話しているところに、年配の夫 

(ビル・マーレー) がドア越しに声を掛け、香水と扇風機で煙草の

匂いを消し、足の指で鍵を開けるまでの流れが素晴らしい。

グウィネス・パルトローは美女として過大評価されていると思うけど、

本作の、特に横顔の彼女は (鼻が高くて綺麗) 美しくてうっとりする。

こちらのバスルームで母と対話する横顔のマーゴも好きなシーン。

 

 

初めて劇場で見たのは15年以上前で、気に入って初回限定DVDを

買ったのに再鑑賞するタイミングがなく、久しぶりに見直してみて

アンダーソン作品でトータル的にやっぱり一番好きだなと思いました。

 

今回はマーゴをメインで描いたけど、主人公ロイヤル役のジーン・

ハックマンの破天荒で子供じみた言動がユニークでお茶目。

孫たちとはしゃいで遊び回るシーンは最高!

月日の流れでキャストの風貌が変わってしまったけど (特にリッチー

=ルーク・ウィルソンはカッコ良かったのに、今はクマみたいに

巨大化してもっさりした感じになってしまった。この作品の共演が

きっかけでグウィネスとルークはプライベートでもロマンスな関係に) 

それぞれの役者のベストパフォーマンスが詰まっていて、

シニカルだけど暖かさのある作品。

 

アンダーソン作品は、古い時代や架空の国や都市の設定が多いけど、

本作は恐らく現代の設定で (公開の2000年初期) 当時は携帯電話が

普及していたのに、マーゴはピンクのヴィンテージな家電話を使い、

ブラウン管の小型テレビで見ていて、時代背景が不明。

ロケーションも恐らくブルックリン辺りっぽいけど、テネンバウム家の

一軒家の鱗のとんがり屋根は東欧風、あるいは童話に登場するような

デザインで架空都市な感じでミステリアス。 

ポップだけど少し哀愁を感じる雰囲気を醸し出していて好きです。

 

全体的には多様な色が使われているけれど、プッシュフォンや手袋、

香水瓶など、マーゴのペールピンクの小物使いが可愛くて、

公開当時に販売された映画パンフレットも、小説本のようなピンクの

布張りに金のエンボスの冊子で、ちょっとリッチな作りでした。

こちらは、実物のパンフ本

 

今作を含め、アンダーソン作品のヒロインたちを描いたイラストや

写真についてアップした過去記事も、よろしければ併せてご覧下さい⇒

 

 

今号のLARMEも、バレンタインテイストなピンクハート.*

カバーガールは、猫のように小悪魔キュートな中村里砂ちゃんネコ

書店などで見掛けられたら、ぜひお手に取ってみて下さい*!