日大アメフト事件と、男の宗教心の危険性。a | barsoのブログ

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このたびの日大アメフト事件の経緯をニュースで見ていたら、 

危険な反則プレーが起きた《4つの原因》と、男の《宗教心》を思いました。

 

       qub22.jpgフリー画像 

 

●原因の第4は、監督とコーチがプレッシャーを掛けたから。 

M選手を三日前から実戦練習で干し、「日本代表を辞退しろ」「相手のQBを1プ 

レー目でつぶせば試合に出す」と繰り返し言い、精神的に追い込んだためだった。 

 

反則は命じてないと監督は言い訳したが、『文春』に試合後の録音が公開された。 

コーチはしどろもどろで、監督と選手の板挟みになっているのが表情に出ている。 

 

 

●原因の第3は、人間は狭いところにいると思考も狭くなるため。※a 

神もしくは神に等しい者である監督に対する従順は、狭い集団の中では絶対的だ。 

今回の「坊主頭にしろ」という余計な命令は、M選手の忠誠心を試している。※b 

 

オウムの優秀な幹部らも、外部から遮断された狭い施設内に住み、教祖の教えが 

絶対だと洗脳されていたゆえに、弁護士を殺し、電車内でサリンを撒き散らした。 

 

 

●原因の第2は、利己心、もしくは自己愛だろう。 

監督とコーチは自分たちの名声を考え、M選手は自分が試合に出ることを考えた。 

フェアプレイ遵守や相手選手の心配よりも、利己心が強かったので、危険タック 

ルを行なった。相手に突っ込んでいく姿は戦争時の悲壮な特攻機のように見える。 

 

日大問題の報道は2005年のJR福知山線脱線事故を思い出す。事件を起こした当人 

より、指導者の意識や姿勢が間接的な主原因だと思われて問題にされているのは、 

多くの人たちが、自分の近辺でも傲慢なパワハラに苦しめられているからだろう。 

 

      ame11.jpgフリー画像 

 

●原因の第1は、崇拝心、すなわち宗教心である。 

『トム・ソーヤーの冒険』を書いたマーク・トウェインがこう書いている。 

 

  世の中には、   

  地位を崇拝する人間もいるし、 

  英雄を崇拝する人間もいる。 

  また、権力を崇拝する人間もいるし、

  神を崇拝する人間もいる。   

  そして、こうした架空のものを巡って、   

  彼らは議論を戦わせている。   

  しかし彼らの誰もが一様に崇拝しているのは、     

  

最終行の空欄に入るのは、どんな言葉だろうか? 

マーク・トウェインは、人間が一様に崇拝しているのは[ カネ ] だと考えた。 

(正解は空欄をドラッグ) 

カネや利得、幸運やご利益の神など、いろいろ思いつくかもしれないが、 

聖書は、自分の腹を、すなわち欲望を神としている人々のことを述べている。※c 

 

他者を犠牲にしても、崇拝に等しいほど最重要視しているものがあるなら、 

それは個人的な宗教であり、その人は、その宗教の熱心な信者と言えるだろう。 

 

 

補足―――――――――――――――――――――――――――――――――― 

※a:狭いところにいると狭い考えになりやすい傾向は、ネット社会でもあり得る。 

別に宗教や政治などの組織に属していなくても、同じ傾向のサイトだけをいつも 

好んで見ているなら視野が狭小になり、他の考え方が受け入れにくくなるだろう。 

「狭き門を通って入れ」の勧めは、狭い思考に入り込む危険性を秘めているのだ。 

 

※b:聖書にも、神への絶対的な信仰ゆえに最愛の息子を殺そうとした事例がある。 

紀元前イスラエルの族長アブラハムは独り息子イサクを犠牲に捧げよと神から命 

じられ、これは理不尽なと三日間悩んだものの、神の命令だからと考え、まさに 

実行しようとした時に、おまえの信仰は実証されたのでもういいと言われている。 

 

※c:新約聖書ピリピ 3:19 「彼らの行き着くところは滅びです。彼らは腹を神と 

し、恥ずべきものを誇りとし、この世のことしか考えていません。」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――