長崎県の甲子園地区予選。準々決勝が行なわれました。我が清峰は佐世保北との対戦が組まれてました。しかぁし、19日(水)が雨で流れ、20日(木)がまた雨で流れ、21日(金)も朝から雨です。10時からの予定ですから、いったいいつ試合が出来るのか、やきもきしておりました。実は、密かに試合を見に行こうかなどと考えていたせいもあり、もういらいらしていました。で、ふとテレビをつけたらビッグNの試合を中継(既に佐世保も含めて雨はあがっている)しております。佐世保はどうなってるのだ?清峰の試合はいつだ?すると、佐世保の情報などと言って、清峰が1回表に2点先制したと報じました。「な、なに?やってるのか?!」「す、すると、10時試合開始が延びて1時半開始なのだな?」僕はいてもたってもいられなくなったのです。
その日は米を精米しなければならなかったんで、ひとまずその仕事をやりました。んでビッグNの試合をテレビ観戦していましたが、正直そんなの僕にはどうでもよい。もう矢もたてもたまらずに佐世保野球場に車を走らせたのです。この試合が気になっていたのには理由があります。我が清峰の事とて、決勝戦を気にはしてもそこまでの試合なんぞ見る必要はありません。負けるわけないと思っていたからです。しかし、雨で流れている間に、僕の耳にはやたらと佐世保北の噂が入ってきていました。いはく、「すごか球ば投げるとってぞ?」「140キロ超のストレートびしばし投げるとってぞ?!」「ありゃ絶対てこずるはずぞ?!」だんだん心配になってきたのです。豪腕投手がひとりいれば、勝ち抜いて行けるのがまた甲子園であり高校野球です。ま、まさか・・・。しかし、雨で流れる為になかなか試合が行なわれず、僕の不安はますます募るばかり。とうとう、日を改めずに時間をずらして試合が行なわれていると聞いて、もう駆けつけてしまったわけです。
清峰の試合をナマで観るのは、実はこれが初めてです。練習試合、公式戦を含めて初めてです。だいいち、佐世保野球場は名切(なきり)にあるグランドだと思っていたくらいですから。よく、現マリナーズの城島が自主トレに使ったりしているし、そこだと考えていました。事前に、(それにしては狭くないかな?)などと怪訝に思ってネットで確認してみたところ、大学の隣りにあるやつだとわかりました。あ、違ったわ。そこなら、住所は椎木町(しいのきちょう)ですが、感覚的には相浦で、車で15分あれば着く。僕は早速(逆転されてんなよぉ~?)と願いつつ急ぎました。
清峰側と書いてある入り口から入ってみたところ、人が通路にうようよいて入れません。かなりの人がそこで立ったまま観戦しています。「うわぁ、やっぱ座れないかぁ」と思いましたが、丁度チェンジらしく、結構な数の人がスタンドから出ても来ている。「ならば、俺一人くらい座れるんでは」と思いきって中に入りました。さっと見渡して空席を見つけ、座れたはいいけど、「ん?あっち側が緑のメガホンの清峰ということは・・・ここは?」
ありゃ、佐世保北の席でした。むむ。困った。しかし、ざっと見たところ、清峰側のスタンドに空席を見つけられず、もうおとなしくそこで観戦することにしました。清峰側と書いてあったのは、「清峰はこっち側です」との単純な案内だったようです。でも周りをちらと見ると、一般の方ばかりのようで、割合みなさんおとなしい。これなら平気かなと。で、それもそのはず試合は7回表に入ったばかり(清峰の攻撃)でしたが、清峰が5対0でリードしておりました。ふふふ。僕は心の中でガッツポーズをかましました。
その清峰の攻撃が始まってすぐ、僕は違和感を覚えました。何にかというと、佐世保北は守備にもかかわらずやたらめったらと応援しまくっているのです。しっかり守れという意味合いの応援だとは思いますが、それにしても節度がないというか、「変じゃないか?」です。まぁ、高校野球はその辺は結構アバウトというか、力が有り余ってるから自然にそうなるのか、そんなもんなんかなと思いました。何しろ初観戦だったんで。その回は、(たぶん)初球を田辺がカッポーンとセンターオーバーの長打(外野手はグラブに当てたものの取れなかった)を飛ばし、続いた有迫が相変わらずやる気なさそうな素振りながらフルカウントまで粘った末にレフトオーバーの長打を飛ばして1点追加しました。
さてその裏以降です。佐世保北は「さぁ行け!」とばかりに応援に熱が入ります。で、清峰の応援を見ていたら、彼らはじっと静まり返っていました。ん?なんもなし?
すると、清峰も時々守備の時に応援しています。で、わかったのです。清峰の応援団が守備側にも関わらず応援するのは、タイムがかかって選手の交代が行なわれる時とか、或いはダブルプレーでピンチをしのいだ時とか、何らかの「気合い入れてけよ!」「よし!今のはよかったぞ!」というようなポイントにだけ声(や音)を出すのです。それも、どちらかと言えばBGM的な、割合トーンの低い調子でそれをやります。攻撃の時の派手な音出しはしません。そうではなく、相手が攻撃をする(例えば打席に立っているとき)際にはチームの堅い守りを信じて、じっと祈って見守っているのです。僕はその両者の違いにはっと気付いた時、何やら込み上げるものがあり、もう涙ちょちょ切れてしまいました。あの、万年初戦敗退のへなちょこ野球部が、彼らを支える応援団をも含めてなんと成長している事か。その時点で6対0(7回裏)という一方的な展開であっても、試合を戦う選手たちのあくまでも縁の下の力持ちという立場をわきまえ、実に紳士たるを守るのです。だてに甲子園を経験していないなと感じました。佐世保北の応援は、言っちゃ悪いが選手の名前を連呼する際も統率が取れているとはあまり思えず、(負けているせいもあるかもしれないが)なかばやけくそに叫んでいました。僕ははからずも佐世保北の応援席に座っていたせいで、清峰の応援団の統率や、ベンチの声出しがよくわかり、また選手たちを遠目から見ることで彼らのきびきびしたプレーやら真剣な眼差しが逆に目を引きました。一般席の観客が席を立つのも、やはり佐世保北の方が断然多く、「あ~、やっぱりだめだね、こりゃ」という雰囲気が漂っていました。選手たちは懸命にやってるはずですがね。僕は嗚咽をじっとこらえながら、敵陣につき清峰のナイスプレーに対する拍手もこらえるしかありませんでした。
しかし、9回裏の有迫。先頭打者のぼてぼてのピッチャーゴロをトンネルとは。「その当たりなら俺でもさばくぞ。」しかもそのエラーのあと、次打者を四球で歩かせ、更に次の打者にフルカウントまで行ったのに勝負球が甘く入ってレフト前ヒットで1点失いました。ファーストランナーは三塁で刺してひとつアウトを取り、最後はショートゴロゲッツーで試合終了。結果は6対1で勝利でした。
夕方のニュースで知りましたが、佐々木伸と木原に本塁打が飛び出したようです。また、先発は冨尾だったそうで、彼の投球を見られなかったのはちと残念。
次は長崎南山との準決勝戦。月曜日かな?ビッグNでやるんでこれはテレビ観戦できそうです。南山は、この前の試合(創成館高校戦)を観る限り敵ではないでしょうね。何せこの試合、「点の取り合い」ではなく「点のやり合い」でしたから。せっかくエラーで点を貰ったにもかかわらず、今度は自分のチームがエラーしてました。あれじゃぁね。雨でグランドコンディションがよくなかったのを差し引いても、相当なお粗末さでした。シード校対決が泣きます。
よって、決勝は波佐見との因縁対決が予想されますね。県内で新生清峰を破ったチームはここだけなんで、向こうも打倒に燃えています。
負けんなよ!!
写真は試合後、スコアボードに向かって校歌を奏でる清峰ナイン。携帯で撮ったし、ちょっと小さいね。


