大手町のゴースト2024 37 戦場のメリークリスマス | 新庄知慧のブログ

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私のいろんな作文です。原則として日曜日、水曜日および金曜日に投稿します。作文のほか、演劇やキリスト教の記事を載せます。みなさまよろしくお願いします。

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するとあたりは静謐な雰囲気になりました。

 

そして音楽がきこえてきました。

 

「戦場のメリークリスマス」のテーマような音楽だったと思います。

 

その音楽につられて、ヘルペスの萩野さんが、夢見るように踊るように歩きだしました・・・これまた、わからないことでした。頭を抱えて、課長はうりました。

 

「・・・・それで、熱田くん。さっき、君が、「やった」という、首魁とやらは、つまり、その、部長のことなのか?」

 

  熱田くんは無言で目を見開きました。課長に向けて明るく見開いた。

 

「どうなんだ?君が殺ったというのは、つまり、そういうことなのか?しかも君、僕が命令して、そういうことをやったとかいったというじゃないか!困るよ!そんなデタラメをいっちゃあ!」

 

熱田くんの目は澄んでいました。

 

いやになるほど・・・課長は思うのです、悪夢だ。これは、とんだ悪夢だ。ますます大きく見開かれる熱田の目を見て、課長はいやになってしまい目を閉じました・・・

 

・・・誰かが課長の肩に手をおきました。

 

課長は目を開けました。

 

課長の顔の上から、見覚えのある美男顔がのぞきこんでいました。

 

「総務課長」

 

「あ・・・」

 

「よかった、気がつきましたね」

 

「あなたは・・・」

 

課長の顔をのぞきこんでいたのは、昼間、事務所に現われた刑事の若い方でした。

 

「首は大丈夫ですか。少し痛むでしょうが、かすり傷程度です、刺さったというものではありません」

 

課長は路上に横たわり、刑事に抱き起こされていたのです。思わず首に手をやりましたが、刑事のいうとおり、ほんの少し血が滲んでいる程度でした。

 

「やつらは・・・」

 

「逃げましたよ。あぶないところでした。たまたま通りかかって、僕が追い払いました」

 

「そう、ですか・・・」 頭の奥がじいんと痺れています。「いやあ、まるで、夢でも見ているような・・・」

 

「やつらは、課長さんの知りあいですか?」

 

「いいえ。今夜はじめて会った連中です」

 

「ここで初めて会った?」

 

「いや、地下鉄から尾行されていたようです。私は、てっきり警察かと・・・」

 

「警察?」

 

 

・・・・・つづく

 

 

今日も音楽なし。戦場のメリークリスマスのはずだったのに。ガーンショボーン

 

 

このさい、ブレヒトを勉強しよう。そろそろブレヒトの時代だ。

 

新訳で読もう。有名なセリフを学習。

「英雄のいない国は不幸だ」

「それは違う!」

「何が違うんだ?」

「英雄を必要とする国が不幸なんだ!!」

 

 

 

今年9月に俳優座が「セチュアンの善人」をやります。

来年は文学座が「肝っ玉おっかあと子供たち」をやるそうです。

世界で戦争がつづく毎日、ちょっとまたブレヒトの時代かもしれん。