試写用のD3がフィルムを装填後に露出計が殆ど動かなくなっていましたのでもう一台のD3の露出計でEV値を計測して撮影しました。こちらの露出計は動かなくなった正確な露出計よりEV値が一段階低い=オーバー気味です。

フィルムはKodak ULTRA MAX ASA400

バッテリーは空気電池PR44です。

 

暗い室内の写り

明暗のコントラストが強い部屋の写り

露出オーバー気味

家の中でかなり明暗のある暗い場所で撮影したのですがしっかり明るく写っています。私の眼で見たよりもあかるいです。

三枚目は確実にオーバー気味ですね。

 

逆光気味の紫陽花の写り

街の一角のうつ

遠近のボケの写り

露出オーバー気味ではありますが逆光気味でも暗くなるはずの部分もしっかりと写り込んでいます。

 

文字の写り

ゾーンフォーカスのため正確なピント合わせができないためASA400フィルムを使用して被写界深度を少しでも深くしようとしたのですが、今回露出オーバー気味となった分被写界深度が浅くなりピントが若干甘くなりました。

 

夜のような暗さでの写り

夜のような暗さでの写り その2

逆に暗い場所での写りはハーフカメラとは思えない写りです。

 

蛍光灯下での写り

蛍光灯下での写り その2

蛍光灯の下でもしっかり写ります。

この辺りは空気電池PR44の恩恵なのでしょうか。

LR44電池が高照度時と低照度時の測光誤差が大きいので使わない方が良い。

というのは本当なのかもしれません。

 

総評として今回は完全に露出オーバー気味でした。もう2段階程度F値を大きくして撮影すれば被写界深度を深くできもっとシャープな写りになるのではないでしょうか。

それでもかなり良い写りだと思います。

ハーフサイズカメラなのにマニュアル機能しか持たないという本機D3の能力の凄さが理解できました。

 

 

 

 

 

 

二日前に作業をしていたら突然「パーン!」と火薬が破裂したような音が部屋中に響きわたりました。

すわっ!何事? と机の上を見回すとこんなものを発見しました。

破裂した電池

蓋の開いてしまったLR44電池です。

どうやらこれが破裂したようです。

 

開封して使用してから数ヶ月もすると異様に膨らんでくる電池があります。

膨らんだ電池 その1

膨らんだ電池 その2

ちょっと判りにくいかもしれませんが画像はSR44です。

左側の電池のプラス側が膨らんでいます。

 

カメラに挿入した状態でこの様に破裂されたらとんでもない被害を被る可能性があります。電動アシスト自転車のバッテリーが発火するという話は度々聞きましたが、ボタン電池も小さいとはいえ同じバッテリーです。

某国性と思われる格安電池は気を付けた方がよいかと思います。
またカメラを使用しない時は電池を取り外しておいた方がよいです。

 

 

さて、

先日仕上げたOLYMPUS Pen D3ですが、露出計の動作確認をしていた際に数値がなかなか安定してくれませんでした。

Pen D3 カメラぜんぼう

そして何回か繰り返していたらLR44電池の電圧が急激に落ちてしまい更に数値が不安定になってしまいました。

じさくでんちぼっくす

このような自作の単三電池ボックスを接続して動作チェックすると数値が安定するのでLR44では容量が足りないのでしょうか。

大きすぎる625電池

しかし625電池は大きすぎて入りません。
SR44なら容量に問題ないのかもしれませんが....高い。

 

とそんなこんなでネットで探索していたらこんな電池を見つけました。

空気電池PR44

空気亜鉛電池 PR44というものです。主に補聴器のバッテリーとして使われているそうです。

昔のMR9水銀電池の性能に近いらしく電圧も1.4Vですね。

私は昨日までこの電池の存在を知りませんでした。

 

また

LR44電池は高照度時と低照度時の測光誤差が大きいため、使わないほうが良いとの説もありました。

 

ということでこでこのPR44電池を使ってこれからOLYMPUS Pen D3の試写に行ってきます。

 

 

 

先日修理を完了させて試写もしてみた PETRI Color 35です。

こちらもAE(自動露出)機能を持たないフルマニュアルのカメラとなります

 

非常に小型コンパクトに設計・製作されており、更にレンズが沈胴式になっています。それもMINOLTA Hi-Matic C のようなスプリングで飛び出す方式ではなくピント調節のヘリコイドを利用して沈胴させており『ムムム、やるなコイツ!』と思わず唸らせる造りをしています。なお沈胴時はシャッターが切れません。

前後に長距離移動をするレンズユニットは4本の柱で串刺しにされて支えられておりしかもその内の2本の柱はシャッタースピードと絞りの調節を司るために回転します。更に長距離前後するレンズユニットに合わせるため露出関係の配線を長くしなければならないのですがこれらもコンパクトにまとめられています。更々に露出計はフィルムを巻き上げないと電源がONになりません

外観の可愛らしさよりも、中身の構造の精巧さに惚れてしまう一台です。

 

 

ところが撮影した結果がグダグダでした。

 

 

 

コリャぁ酷い、あまりにも酷い写りです。

① ピンボケ?
フィルムのASAが200だったので絞り込む事ができず被写界深度が浅かった.

② 手ブレ?
シャッタースピードは1/125または1/60を使っていたので手ブレは無いと思うけど

中学生の頃は1/30でもブレなかった。お酒が原因?

③ 露出

暗い部分が真っ黒になっている。光センサー(cdsセル) に問題あり?

 

④ 白い霧のようなボケ?

唯一まともだったのが貴重なナンバーを纏ったカルマンギアなのだけど、よく見るとなんか白みがかった薄い霧のようなボケ?を感じる。

 

 

閑話休題

 

 

ということでここからはカメラの機構編となります。

撮影の失敗の一部は露出にあるかもしれないとの考察から露出計の光センサー(cdsセル)を新品のGL5228に交換してみることにしました。


以前 4台の YASHICA Half 14 を同時に修理した際に光センサー(cdsセル)の抵抗値が不安定な個体が一台ありまして、その苦し紛れにテストがてらこのGL5528に換装して試写したところとても良い結果を得られましたので今回もこれに換装します。

(YASHICA Half 14 についてはもう暫くしてから書きます)

 

ただオリジナルの光センサー(cdsセル)の形状がこのように

金属のケースに包まれているのでこれと似たような形状に加工します。

 

見た目は随分違っていますが、端子部直近の直径とセンサー表面の直径はほぼ同じです。当初は真鍮かアルミのパイプを使用するつもりでしたが、金属を使うと光センサー(cdsセル)の端子を短絡させる可能性があるため樹脂に変更しました。

そして取付けてみると

このように光センサー(cdsセル)固定プレートともピタリと嵌ってくれました。

まるで純正部品と見紛うばかりです。

 

光センサー(cdsセル)の取付が完了したらシャッタースピード調整ダイアルに連動するリングを取り付けるのですが、

この時点で私の組立ミスが発覚しました。

このリングの一部には歯の山が刻まれていてこの歯を赤丸の中にある歯車とを歯と歯の位置をキチンと合わせて嚙み合わさせなければならないのです。

が、車のエンジンのような組付の目印となるタイミングマークなどはなく、更にこのカメラの構造上クリアランス(ガタ)を大きく取っているために前回の組付け時に間違えて一山ずらして組み立てていました。

これが原因なのかどうか1/60秒で数十回に一回程度の割合でシャッターがスタックして動かなくなるという不具合が発生していました。

 

 

正しい1/125秒の位置は

 

ここですが

 

しかし前回の位置は

 

一段というか半段下になっています。

これだと1/60秒になってしまうと思います。

つまり前回は1/25 → 1/60, 1/60 → 1/30で撮影していた可能性が高くこれが手ブレの一因だったかもしれません。

 

 

更にこのカメラはレンズが沈胴している時はシャッターが切れないようにロックがかるのですが、このロックレバーの取付けネジが緩んでいるとロックの掛かりが緩くなります。

赤丸のレバー直立してシャッターをロックしてますが青丸のネジが緩むと画面の前後方向にガタが発生してしまい

本来ならば水色のレバーが赤丸のレバーの上に乗り上げる形でロックレバーを倒して無限遠の位置でロック解除となるのですがガタのせいで無限遠手前でもロック解除しなかったり、シャッター動きに悪影響を与えるようです。

 

これら双方の不具合が絡み合ってシャッタースピードに悪影響が出たのかもしれません。

今回歯車を正しい位置に組み直しロックレバーの取付けネジをきちんと締め付けたら

例のシャッターのスタックも起きなくなりました。

 

最後に霧のような白いボケ? なのですが、
これはなんと後玉に指で触ったような痕があり指油でレンズ表面が汚れていました。

これが原因だったと思います。あまりのケアレスミスに画像を撮るのを忘れてしまいました。

 

以上の不具合に全て対処し再組立後に動作チェックしたところ、現在は問題はなさそうです。

夜なので詳細の確認ができませんが露出計も心なしか敏感になったような気がします。

 

明日は車の継続車検取得のため外出します。

その後久しぶりに友人に逢いに行きます。

ですのでカメラに関する更新は明々後日以降になります。

 

OLYMPUSの Pen D3 です。

 

ハーフサイズカメラと云えば当時は凡そのピント調節をしてシャッターを押すだけで自動的にそこそこ良い映像が撮れてしまうので誰でも簡単に撮影できるという意味から「バカチョンカメラ」なんて呼ばれたりしていました。車で例えるとAT車みたいな感じですかね。(注:AT車及びAT車運転者がバカチョンだという意味ではありません)

ところがこのD3はハーフサイズカメラなのにAE(自動露出)機構を持たない完全マニュアルカメラという変わり者です。個人的には大好きな機種であり、Pen シリーズ最上位機種であり当に旗艦です。

本体に背負われている露出計の数値を読み取ってシャッタースピードと絞り値を撮影者が設定して撮影するという手間がかかる反面、撮影者の腕次第ではトリッキーな撮影も可能です。

当時の車に例えると小柄で可愛いのにそこそこスパルタンなイノチェンティ・ミニクーパーみたいな感じでしょうかね(マニアックですみません)。

フィルムの大きさが1/2となるハーフサイズカメラでは解像度が落ちてしまうのでマニュアルカメラのメリットは相殺されがちです。

にもかかわらず本機を発売したOLYMPUSにはそれなりの自信があったのでしょうかね。

そんなD3を当時(1960年代後半)の元気だった状態に限りなく近づくように手を加えて撮影してみようと思います。

 

可愛い Pen D3

 

本機の外観は多少の当たりはあるものの全体的にとてもキレイでレンズは前・後玉共にカビ・クモリ・塵が全くありません。前玉にほんの少し傷があるみたいですが無問題でしょう。シャッターも全速O.K.、絞りもとても滑らかですし電池室も液漏れ跡や腐食も全くありません。

このままの状態で撮影できそうだなと思いながら電池を挿入したら露出計が全く動きません。

 

ということで電池室に繋がる電線をチェックしてみると

電線が無い!

あらっ、電線が存在していません。
本来なら電池室右横の極小の穴から電線が出ていて左の電極の爪部分にハンダ付けされているのですが、どうやら長年の劣化で断線してしまい更に極小の穴の奥に入り込んでしまったようです。

断線した電線がせめて穴から飛び出していてくれたらよかったのですが

こうなると前板&レンズユニットと露出計を本体から引き離して電線を引き直すしかありません。

大仕事になってしまいました。

 

古線と新しい線をハンダで繋ぐ

D3のボディは小型ゆえに電線の配線は非常に入り組んでいて更に極小の穴に入って下の電池室へと向かっています。

そのため劣化した古い電線と新しい電線をハンダ付けし古い線を切れない程度の力で慎重に引っ張って新しい電線を穴の中に引き込みます。

 

電線引き直し成功

うまく引き直せました。

それにしてもカメラ本体はただの箱になるまでバラされています。

 

露出計は生きています

ちなみに露出計は単体で結線したら動きましたので活きています。

 

ここまでバラしたのなら先にモルトの貼り替えを行いましょう。

作業の障害となる部品がいないので楽なんです。

モルトは貼るのではなく置く感じで

モルトは貼り付けるのではなく上に乗せる感じで置いていきます。

そして

一度パタンとします

パタンと蓋をするようなつもりで一度閉じます。
そうするとキレイに貼り付きますのでその後開けて修正をして完了です。

 

さて、

次は引き直した電線を電池室のマイナス電極にハンダ付けします。

ハンダが弾かれる

しかし年月の経過で金属表面が酸化被膜に覆われているようでハンダが弾かれてしまい乗りません(付きません)。フラックスの焦げしか残りません。
こんな時はハンダ付けする部位をヤスリでゴリゴリと削ります。

ハンダ付け成功

するとハンダが乗るようになってメッキ状態になりましたら電線をハンダ付けします。

電池室完成

できました。

最後のネジで電極カバー共に締め付けて完成です。

 

露出計搭載&動作チェック

前板ユニットを本体に取付け、露出計も搭載して引き直した電線のもう片方を露出計に結線します。

ようやく露出計が動くようになりました。

 

あとはその他残りの部品を取付けて完成です。

 

さぁ、テスト撮影だ!

と出かけたいところなのですが、これからもう一台別のカメラに手を入れていきます。

 

 

 

先日修理が完了した CANON の Demi EE17 です。

 

CANON Demi EE17はこんなカメラです

 

CANON Demi EE17は分解・組立が比較的簡単な機種ではないかと思います。
各部品の造りがとてもしっかりしていて、カチッとはまるような感じて組み上がってくれます。

シャッタースピード優先AEの露出計もハーフカメラのファインダーにしてはとても見やすいです。

マニュアルでの撮影も可能ですので露出計の測光値を元に少々トリミングな撮影も可能です。

弱点としては筐体(カメラ外面)が薄いアルミ製のため角部が凹んでいる個体が多いこと。

電池の液漏れによる腐食で電線が断線してしまい露出計が稼働しなくなったり、最悪の場合いは腐食で電池室の蓋が固着している場合があります。まぁ、これはこのカメラに限ったことではないですが。

 

分解時の注意点としては

カメラ本体の革が剝がしにくく破ってしまいやすいのでドライヤー等で熱風を吹きかけて作業すると比較的にスムースに剝がれます。

貼り付けの際はコニシボンドG103を溶剤で薄めて作業するとキレイに仕上がります。

ファインダー内に発生したカビは除去が難しいです。

ファインダーの中

前面のレンズが二重になっていてこの間に発生したカビと後面の淵に発生したカビは接着剤を剝がして分解しないと除去できません。
私はもう二度とそこまで分解しません。

実際にファインダーを覗き込んでみるとこれらのカビは殆ど見えなくなりますので撮影に影響は無さそうです。

それと、前板は4つのネジで固定されているのですが左上のネジが見えません。
シャッター巻上げのリンクを分離してから露出計を取り外すとネジが見えるようになりアクセスできます。

 

あと、このカメラのモルトの糊の後から推測するに裏ブタのファインダー覗き穴の部分だけのようですので再生しました。

モルトです

 

 

さて、それでは実際に撮影した画像は以下の通りです。

なお、

フィルムはKODAKのColorPlus 200を使用。

電池はV625Uを1.5Vの電圧のまま使っています。

現像はカメラのキタムラさんに依頼。

といったコンディションになります。

 

明るい部屋

暗い部屋

ぴんとは

部屋の中での撮影してみました。

1枚目 は明るい部分がある場合どう写るか

2枚目 は暗い部分がある場合どう写るか

3枚目 は開放気味の絞りでピントはどうなるか

をテストしてみました。

 

水面の写り

逆光気味の発色

多彩な色の発色

えんきん

こちらは

1枚目 は水面はどう写るか

2枚目 は逆光気味での色合いはどう写るか

3枚目 は多彩な色はどう写るか

4枚目 は絞り込んだら遠近はどう写るか

をテストしてみました。

 

もじのうつり

くろーずあっぷ

こちらは

1枚目 は字がちゃんと読めるように写るか

2枚目 クローズアップしてもちゃんと写るか

のテスト結果です。

 

くらやみ

蛍光灯01

蛍光灯02

最後に

1枚目 はかなり暗い電灯の下でどう写るか

2枚目 と

3枚目 は警光灯の下でどう写るか

を試してみました。

 

 

結果「50年以上のフィルムカメラしかもハーフサイズなのにこんなにしっかり写るのか!」と感嘆・感動してしまいました。

 

それと特筆すべき点として、とにかく軽い!

軽いので取り回しがとても楽で片手でも撮影できそうです。

 

 

閑話休題

 

 

修理が完了したからといってすぐに販売するのではなくしばらく時間をかけて不具合の発生を再チェックし

実際に撮影してみてから販売に出すべきですね。

 

最近はフイルムが高価になっているので全ての個体を修理完了後に撮影テストするのは難しいかもしれませんが、各機種ごとにせめて1台はテストする必要がありそうですね。

 

以上、皆さんのご参考になれば幸いです。