そう。
わかりやすい対応が嫌なだけだった、のだと思う。
誰にでもわかる対応をし、誰もが求めている要求に応えるのは嫌だ。
凡庸さが死ぬほど嫌いな性格が一つだけある(エニアグラム)。
もう終了してしまったが、今年春のクールで俄然面白かったのがドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」(カンテレ)。
主演の杉咲花の演技力の高さに驚かされた。
婚約者を演じた若葉竜也の演技にはもっと驚いた。
ふたりの絡みが深まるにつれ、先の回へ進むのが愉しみだった。
若葉は、アメリカ帰りの「変わり者」の脳外科医という重要な役どころだった。
それはさておき、若葉竜也さんの性格タイプは何番か。
調べていたらネットで拾った記事の見出し「沢尻エリカ」の文字に釘付けになった。
令和の沢尻エリカ事件か!番宣出演の若葉竜也に苦言殺到
「態度が悪すぎ」「朝から不快」(2024/4/18アサジョ)
これは徳間書店の情報サイトの過去記事。
この記事を書いたライターは多分、エニアグラムを知らないはずだが。
なかなか観察眼が鋭い。
私が、俳優若葉竜也の存在を認めたのはNHKのドラマ10「群青領域」(2021)。
シム・ウンギョンとの共演だった。
媚びない演技というのがピッタリくる。
見た目の印象が、この性格タイプによくあるエキセントリックな印象が皆無で。
一見、どこにでもいる「普通」の人を思わせる風貌なのだが。
演技に入ると、繊細な、虚無的な感覚がとてもリアルだし鋭さもある。
綾野剛のいやらしさや、松田龍平の艶っぽさとはまた違う個性の魅力が光る俳優さん。(このふたりとの対比の理由は後述する)
さて、なぜ沢尻エリカ騒動か?
今から思えば、騒動自体は本当に子供じみていて。
主演映画の舞台挨拶で、司会者の常套句の質問に彼女が「別に」と塩対応を繰り返したのが発端。
激しいバッシングの集中砲火を浴びて謝罪文を書かされ、その後数年間も干されてしまったというもの(2007年)。
20歳そこそこの女性に対して、芸能マスコミとTVのワイドショーが「世間」の反発を煽った結果だった。
望まれる場の空気を読み、同調圧力にしっかり応えないと叩かれる。
今も昔もそれほど変わっていないようだ。
紋切り型の稚拙な質問を繰り返す「プロ」のアナウンサーの方は叩かれない。
この社会は、思考停止に陥っているとしか思えない。
洋の東西や人種の違いに関わらず、ヒトには9つの異なる動機に基づく9つの性格タイプがある。
タイプ4は気分が顔に出る性格タイプ。
内なる喜怒哀楽に人一倍正直でありたい人達。
「これは自分には合わない」
合うか合わないか。
これがネガな感情表出の分水嶺だし鍵となる。
朝眠くて、人前で無愛想になったっていいじゃない。
生身の人間らしくて。
人前でホンネを出すことへの拒否反応のフレームを、そろそろ超えた方が良くないか。
稚拙なものは稚拙だとちゃんと言おう。
「善い子」のフリの方が人として浅薄に決まっている。
一体どちらが視聴者を信頼していることになるのだろう。
正直な自分を見せるのと、善い人を演じるのと。
タイプ4の定義はこうだ(リソ&ハドソン)。
個性的な人
繊細で引っ込みがちなタイプ:表現力豊か。ドラマティック。自己陶酔的。気まぐれ
創造性と直感力のお手本となる。
もしくは、むらっけや自意識に足を引っ張られる。
特徴は:主観性。
あらゆることを主観に置き換える。(自分のこととして受け取り共感する能力)
→ここからタイプ4独特の味わい深い演技が。
弱点(囚われ)は:妬み。(自分には、なにか根本的なものが欠けているというパッションに根ざしている)
そして、肝心のタイプ4固有の主な動機はというと。
自分自身、そして個性を表現したい。
美しいものを生み出したり、囲まれていたい。
特定のムードや気持ちを維持したい。
自己イメージを守るために引きたい(引きこもる)。
他のことに対応する前に、自分の気持ちのケアをしたい(優先する)。
「救ってくれる人」を惹きつけたい。
補記:
私の研究では、
沢尻エリカさん、松田龍平さん、綾野剛さんはタイプ4だと思われる。
本能の順番が異なる。
沢尻エリカさんは性的本能優先型(社会性本能が盲点)。
松田龍平さん、綾野剛さんはちょっと自信がない。
性的というほど蠱惑的には見えないが。
男性なら、たとえばジョニー・デップが4の性的優先型。
綾野剛さんは可能性があるかも。
おふたりとも社会性が一番でないのは確かな気がする。
自己保存優先型かも。
若葉竜也さんは優先が自己保存本能、次が性的本能の順番だと思う。
社会性盲点と推測される沢尻さん、若葉竜也さんのマスコミ対応をめぐる騒動は、実はそのことと深く関係している。
えにあひろ(リアルラブ)