私が密かに「エニアグラムの予言」と呼んでいるものがある。
タイプ固有の恐れが現実化してしまう。
交流分析でいう人生脚本みたいなものだ。
9タイプ全てにおいて言える。
タイプ2のケースで見てみよう。
「不健全なタイプ2は、自分が最も怖れていることを衝動的に招いてしまう。彼らは愛されたいと望むが、結局憎まれるか、少なくとも、誰にも望まれなくなってしまう。」
(リソ&ハドソン)
不健全さは私たちの誰もが抱えている。
エニアグラムを学ぶ目的は、自分のタイプを見つけ出すことではない。
むしろそこからが出発点だ。
タイプがわかると、自分のタイプ固有の陥りがちなワナがわかる!
検察当局の発表によると、水原容疑者が大谷の口座に手を出したのは、2021年11月のこと。
そこから2024年1月までの、実に2年3ヶ月にわたって窃盗を繰り返していた。
大谷の預金口座からの不正送金という形で。
私が驚くのは、日本円で約24億という大金もさることながら、この2年3ヶ月、ふつうに考えれば針の筵状態だったろうこと。
大谷の前でもマスコミの前でも平常心を装い、「善人」を演じ続けられた、彼のその精神力に驚く。
肝が据わっているというのか、心の闇の根が深いように思える。
私が、タイプ2にしては根が暗そうだと見えたことにも根拠があり、顔では笑って、心の中では修羅を生きていたわけだ。
あれは罪悪感からくる表情だったのだ。
(タイプ2は、DSMⅢで採用された演技性人格に相当)
奥さんの前ではどんな夫だったのか?
これはまったくの想像に過ぎないのだが、奥さんは知らなかった、彼は隠し通したのだろうと思う。
むしろ奥さんをもっともっと喜ばせたい、幸せにしたい気持ちが水原被告の今回の事件の本当の動機だった気がしている。
無論そこには膨れ上がったエゴ(自我肥大)と、危うい自己顕示欲(自分は成功者だと思われたい)が見え隠れしている。
動機として、起業して一旗上げたいとか、料理人の父親を助けたいとか、親族の援助か野心が絡んでいる可能性もある。
水原一平が大谷翔平の専属通訳になったのは2017年のこと。
その年の12月、大谷は晴れてメジャーデビューした。
その翌年の2018年、水原は永年恋人だった女性と結婚している。
水原一平とは何者なのか?
そして盟友だったはずの大谷翔平をなぜ裏切れたのか?
一瞬魔が刺して、その後マフィアの餌食になり、利用されてしまった心の弱い、犠牲者なのか。
「ギャンブル依存症」だけでは説明がつかない彼の隠された心理的な要因とはなんだったのか?
これから徐々に明らかにされて行くのだろう。
水原一平が大谷との関係性について、自ら語ったとする内容を伝えるYouTube動画を見つけた。
その取材の一部で、自分の役割は、
「(大谷が)第一は野球に集中してもらえるような環境を整える。まずはそこですね」
「ふだんはゲームとかも一緒にしますし、友達感覚じゃないですけど」
「翔平との関係を言葉にするのは難しいですね。仕事のパートナーであり、友人であり、家族のようでもある」
〜「水原一平さんのアメリカ現地での人気ぶり&仕事ぶりが凄すぎて…」ユニコーンチャンネル2023/6/22より〜
大谷は1994年生まれ、水原は1984年生まれ。
ちょうど10歳の年の開きがある。
水原は高校時代に一時、サッカー選手になりたくて、サッカーをやったものの、ゴールキーパーの3番手だったという証言がある。
高校卒業後、ラスベガスで一時、ディーラー養成スクールに通っていたという情報もあった(真偽のほどは不明)。
いずれにせよ、野心だけがギラギラして、なにを志してもなかなか芽が出ない。
野茂英雄の活躍でメジャーに憧れ、岡島秀樹氏に見出されるまで(2012年)、のし上がりたくて必死にもがき続ける28歳の孤独な青年水原一平の姿だけは想像できる。
同じ年、北海道日本ハムファイターズに球団通訳として採用される(岡島の口利きと言われる)。
天才大谷翔平と一緒にメジャーデビューするのはそれから5年後のことだ。
通訳が今度こそ天職だと思えたであろうことは想像に難く無いのだが。
この間、ふたりの間でなにがあったのか?
あるいは一方的に水原の側になにかが起きたのか?
不正送金に手を染めた原因はあきらかにされたが、窃盗にゴーサインを出すに至った真の要因は謎のままだ。
私には彼の性格から言って、最後の最後は大谷ではなく、妻を、奥さんを取った気がしてならない。
by えにあひろ(リアルラブ)