荻原 規子
 これは王国のかぎ
 勾玉三部作が有名な萩原さんだけれど、自分が一番好きなのはコレ。コレに限る。
 交響曲「シェエラザード」から発想を得たこの物語は瑞瑞しいまでの力強さに
 満ちていて、これこそ萩原規子の代表作に相応しいと常々思っている次第。
 画像は最近になってノベルズ化されたもので、イラストは矢張り佐竹美保さん。
 ダイアナ・ウィン ジョーンズ, Diana Wynne Jones, 西村 醇子
 魔法使いハウルと火の悪魔―ハウルの動く城〈1〉
 ジブリ版ハウルは何だかジゴロのようにも見えたものだったけれど
 原作ハウルは年齢設定が映画よりも上(だと思う多分)にも関わらず
 本当に情けない野郎だと読むたびに思う。
 そして作者であるDWJは物語のための物語しか書かない人なのだなと改めて
 感じさせられる。後半の疾走感に頭がぐわんぐわんとなりました…。
 
 コルネーリア フンケ, Cornelia Funke, 細井 直子
 どろぼうの神さま

 ホームレスの子供達とヴィネツィア。そしてどろぼうの神さまという少年。

 本当に面白い物語に対して、ジャンルを割り振る事の無意味さを実感させられる。

 子供が沢山の表情を持っているように、この本もまた様々な角度から

 何度でも読み返すことが可能な作品。一概に良いとも悪いとも言えないだろう。

 しかし最早子供でない自分は矢張りこう言いたくなるわけで。

 ――この落ちだけは許したくない…。

 ジェラルディン マコーリアン, Geraldine McCaughrean, 金原 瑞人, 佐竹 美保
 不思議を売る男
 佐竹さんがイラストを担当した本というのは、不思議なほど外れが無い。
 特にこれは個人的に大層お気に入りのひとつで、
 骨董屋に居候する男が語る、道具達の物語はそれぞれ全く違う毛色ながらも
 緊張感ある一つの流れを紡いでいる。
 大変姿勢の良い物語だと思います。
 佐竹さんの挿絵も大量に挿入されていて、眺めるだけでも楽しい。
マルキ・ド サド, 渋澤 龍彦, マルキ・ド・サド
悪徳の栄え〈上〉

図書館でうっかりサドの大集落を見つけてしまいこの本の存在を思い出した。

高校生の頃だっけ…?半ば意地で完読したっけなあ……

上巻だけ読むと只の下世話な物語かと思いますが、話の味噌たる「悪徳の哲学」は

下巻に集約されています。寧ろ下巻だけ読む方がダメージは少ないといえる。

「善徳の不幸」は読もうか読むまいか、今大いに悩んでいるところ。

 群 ようこ
 またたび東方見聞録
 サイバラさん経由で何となく「そっち系」の人だとは認識していた群ようこ。
 著作を読んだのは実際これが初めて。
 タイ、上海、京都を旅して回った軽いノリの回想録。
 何処を開いても食べ物の話題ばかりなのはご愛敬。
南 伸坊
モンガイカンの美術館

日頃から悩みまくっていることがまるごと活字化されたような本書、

著者の「ゲージュツは面白くてナンボ」というあっけらかんとした姿勢にホッとしたり、複雑になったり。

小難しく考えすぎ、……なのだろうか。

分厚いけれど軽い文体ですいすいと読む事が出来ます。お薦め。

 長野 まゆみ
 天然理科少年

 初長野まゆみが「新世界」だった自分にとって、

 天然理科少年はありえないくらい癒し系な作品でした。

 こういう不思議な感覚と流れる霧雨のような美しい日本語は

 矢張りこの人こそ「現代の森茉莉」に相応しいかと思われます。

 彼女の作品の中で、最も好きなものです。

 ブルーノ・タウト, 森 【トシ】郎
 日本文化私観―ヨーロッパ人の眼で見た
 まだ中途なのだけれど、書きたいので書く。
 日本の文化に興味を持った一人のドイツ人の視点から描かれる日本文化の「今」。
 これが書かれた戦前当時の日本も、現代の日本が抱えている諸問題と
 殆ど変わらないことに気付かされる。
 筆者の慧眼に身震い。特に絵画の項目に関しては大きく頷く事、数度。
 本書、このまま家宝になりそう。