ジュノ ディアズ, Junot D´iaz, 江口 研一
 ハイウェイとゴミ溜め 新潮クレストブックス

 表紙の写真から「ライ麦畑」や「スタンド・バイ・ミー」と同質の匂いを感じ取る。

 ただ一つ違うのは描かれている対象が欧米人ではなく、ドミニカ人であること位か。

 救われたい、救われない。

 この「ハイウェイ」と「チキンスープ」とは全く異質の内容でありながら

 その実、表裏一体のアメリカの本質そのものなのだと感じる。

 ジャック キャンフィールド, マーク・ビクター ハンセン, Jack Canfield, Mark Victor  
 Hansen, 木村 真理, 土屋 繁樹
 こころのチキンスープ―愛の奇跡の物語

 「心があったかくなり、前向きになれる素敵な話」

 内容を真摯に受け止められない人は読んではいけない類の本です。

 しかしまあ、クリスマスボックスといい、チーズはどこへ消えた?といい、

 アメリカってつくづくこういう本多いよねえ…と思いながら読了。

 心の実用書扱いさせて頂きます。

 根本 長兵衛
 文化とメセナ―ヨーロッパ/日本:交流と対話 街が再生し、市民がよみがえる
 専門書ではなく、著者本人の経験と思考から綴られた文化論エッセイ。
 日本と海外(特にヨーロッパ)の比較文化論の他にも
 文化大国フランスの抱える問題なども主な対象となっていて興味深い。
 しかし問題提起したまま結論はなく終了。
 おいおい、途中で放り出さないで!
 江國 香織
 泣かない子供

 とても感性の鋭い人だから時々ふっと壊れてしまうのではないかと

 心配になるけれど、そういう江國さんだからこそ、

 こういう文章を作ることが出来るのだと思う。

 彼女の文章に魅了されて早数年が過ぎるけれど、この静謐さ、安心感は

 いつまでも変わって欲しくないと思わずにいられない。

 奥泉 光
 鳥類学者のファンタジア

 とても個性的な文体で綴られるのは、一人のジャズピアニストが

 ナチ時代のドイツにタイムスリップし、そこで若かりし頃の祖母に出会う物語。

 過去の現実はカルト的世界を彷徨いながら宇宙の心理を求める。

 果たして、オルフェウスの音階とは?そして表題の鳥類学者とは?

 ――読み終わった時思わずニヤリとなる優作。

 荒川 弘
 鋼の錬金術師 12 (12)
 現在好きな漫画の中で殆ど唯一の少年漫画。
 一時期凄いブームになりましたね。実際とても面白いと思います。
 漫画が持つ美徳の一つに「理想が追及できる」ことにあるのだと信じて疑わない
 自分としては今回の新刊の折り返しにある「作り話だからこそ救いようが無い話も
 救うことが出来る」という言葉がとても印象的でした。
 しかし今回、ナウシカネタ多すぎ(笑)
 ジョン ランチェスター, John Lanchester, 小梨 直
 最後の晩餐の作り方
 久々に良い趣味した捻くれ者に出会った。
 蘊蓄と機知、ブラックユーモアに富んだ飽くなき美食への追及と不可解な語り手。
 数々の素材が奏でる一級のハーモニーの見事さ!作者の腕前に唸らせられる。
 兎に角グッジョブ。いや、「ご馳走様」と云うべきか。
 個人的に自信を持ってお薦めできる一品です。
 クイーン
 オペラ座の夜
 最高傑作の誉れも高い4th、その評判に違う事無い出来栄えです。
 コミカルかつポップに纏めたA面と重厚壮大なB面との対比も鮮やか。
 曲の流れや繋がりも整理されていて聴き易い、飽きない。
 Bohemian RyapsodyからGod Save The Queen への流れは感動。
 そしてジャケットも美しい…。5thと並べて飾りたい…。
 後、オペラ座発売三十周年記念だとかで更にに音質の善くなったCDと
 DVDが近頃発売されました。 「最高音質の日本盤」時代はもう終わり?

祭日、冬のコートを着込み、タダ券持って時期外れの「蝉しぐれ」を観に行く。

テーマは「初恋、嗚呼青春の美しき思い出」といったところ?

そんな絶賛するほど良い映画とは思わないけどね…

しかしフク役の人は、子役も含めてとても善かった。夏の映像も綺麗でした。

皇 なつき
李朝・暗行記
皇さんにしては珍しく読んでいて面白い作品だった、といったら失礼?
暗行御史の役どころはマンマ水戸黄門だけど、此方の方は水戸黄門ほど楽天的ではなく、
どちらかといえば、やりきれない感が強い。
源頼家を主題にした「修善寺物語」も良い味を出していてグッド……ってあら原作岡本綺堂なのか。
美しすぎる絵は相変わらず。