ご無沙汰しています。
3月から激しく様々な事が始まり大変な日々を過ごしています。
先ずは、展覧会の報告から、3月に行われた展覧会は初めての場所で色々と大変な事ばかりでしたがそれ以上に実りある展覧会となりました。
全体の空間計画はスタッフの加藤さんのデザインを中心に毎晩夜遅くまで頑張って用意し、何とか展示まで行く事が出来ました。
展示では、主役である子ども達の作品をどれだけ活かし、より美しく見せる事が出来るか、来た人が喜びや感動を与える事が出来るかが我々の仕事となります。
そして何よりも様々な方へお子さんの作品を伝えるのも我々の大きな仕事となります。
なので期間中会場で座っている事はありません、常に作品の説明をお話し、又じっくりと静かに見られたい方にはそっと寄り添い子ども達の作品過程を伝える仕事をします。
残念ながらよくある子どもの作品展は何故か作品を大切に扱っているようには見えません。
子どもの作品だからでしょうか、それがまた美大を出た方々が主宰してやっているというので残念で仕方ありません。
主役は誰なのか、子どもだからどうでもいいと思っているのでしょうか?
私は子どもの作品には素晴らしい感動があり自分には生み出せない素晴らしいモノをアトリエで常に感じます。だからこそ少しでも良いモノしたいと繊細に心がけています。
そしてこの姿勢は必ず子ども達やその親御さん達へ届くと自負しています。
本展覧会では、本当に様々な方々と出合え、次に繋がる実りある展覧会となりました。
来年もこの場所にて3月末にてもう少し規模を広げ、より皆さんが子ども達とその作品で楽しめる事を子ども達と企画しますのでどうぞ楽しみにお待ちください。
下記の文は入口最初の挨拶文で、会員様より是非載せて頂きたいとの事もあり記載致します。
拙い文ではありますが共に輝かしい子ども達の未来の為に進んで行けたらと思っています。
はじめに
例えば算数、国語、英語、理科、体育。計算が出来、文が書けて、読める、グローバルな社会に対応でき、体力がつく。
どれをとっても社会で求められる必要な科目となります。では、美術はどうでしょうか、社会の中でどれだけ必要とされるでしょう。
恐らく順番としては最後に来るはずです。
ではそんな必要とされないものがどうして今まで社会にの中に存在し続けたのでしょうか。
それは、人間にとって本当は最も大切なものだからこそ現在も存在し続けているのだと私は思います。
自分のやりたいことを創り出していく活動の事を創造活動といいます。
この活動を行うには「想像力」が必要不可欠となります。
小さな子どもは色んな事を知りたがり、大人からすると、どうでもいいことにも多大なエネルギーを使い全身で色々なことを吸収していきます。
そうやって集めた多様な情報を、蓄積し関連させ統一し、自分のものとしていきます。
「子どもは自ら答えさがしをします」
そして子どもには「純粋な活動欲求」があります。
子どもはどんな活動にも、そこに自分なりの答えを見出そうと動いています。
けれど、大人からの口出しが入ることで「考えることが出来なくなる」「相手に合わせようとする」
という現象がおこってしまいます。
小学校になると、先生方から
「最近の子供たちは、失敗することを怖がり、積極性に欠ける」
ということをよく聞かされますが、小さな頃から大人からの干渉が入ってしまうとそうなるのも、当たり前の事となります。
そして更に、学校教育では平均を求められます。
秀でた部分を伸ばすのではなく、劣った部分の引き上げにフォーカスされます。
こういった環境の中、子どもが自ら自由を獲得し
「生きている事は楽しい」
と実感のできる人生を歩ませてあげるには、就学までの家庭環境が非常に重要になってきます。
アトリエでは遊びを通して子ども達が自ら答えを探して行く事をそっと助けお子さんを伸ばしてゆきます。
この遊びとは子どもの活動と学びの原点であり、自主性、協調、共感、役割、責任、他者との関わり方も遊びで身につけ、子どもは遊びを通して、必要な能力を身につけ、成長します。
自分で体感し発見したことだから、自然と興味をもち、楽しみながら学んでいきます。
遊びの感覚でやるから楽しい。“遊ぶ”と“学ぶ”は同じことになります。
すぐ役立つことは、すぐ役立たなくなります。自分で興味をもって調べて見つけたことは一生の財産になります。
「遊ぶ感覚で学ぶ」
自分がいいと思うやり方を見つけて、それを迷いなくやり遂げていく。自分がこうだと思うものを見つけて進めてほしい。
誰かのマネをする必要もないし、逆にいいなと思えばマネをしてもいい。とにかく自分がやりたいことをやる、ということが大切です。
自分が好きなこと、やりたいことをどんどんやって欲しいです。
今回の展覧会では、2013年4月~2014年2月までの間に制作された2歳~13歳の子ども達による絵画、版画、レリーフ、オブジェ等の作品と夏に行われたキャンプの映像、幼児による一日アトリエ「海賊船」の活動作品、高学年クラスによるクレイアニメの映像作品、約120点を展示しまいた。
大人や先生など教える側が子ども達に出来るだけ干渉せず、子どもたちが生き生きと自由に創造的に制作した作品です。
同じもの等が一つとしてない、答えが多様に満ちた創造的で自己表現に満ち溢れた世界を一人でも多くの方々にその成果をご覧頂ければ幸甚に存じます。
また本展覧会に携わって下さったアトリエ会員様、デザイン室スタッフ、岐阜県白川町黒川の加藤様、御協力頂いた米谷商産株式会社様、タイヘイ工房様
全ての方に心より御礼申し上げます。
遊びと創造の場 こどもデザイン室
代表 荒木 まさかず