■ クラッチ接続ポイントの調整とか

 昨年の12月に管理人のもとにやってきてしまったスズキ ジクサー150「ままかりー」

 新車で導入されてすぐ、とりあえず「クラッチの切れが悪いな・・・」と感じたので、車両を引き取った直後にクラッチの調整を行うとともに、今後のクラッチ調整手段について検討しておいたのだった。

本内容は管理人が行った活動の記録だったりする。

各名称等は管理人が使用しているもので正式なものではないかも。

こんな記録を参考にせず、正しい情報を入手して、正しく活動されたい。

万一、参考にしてしまう場合には自己責任で。

■ 質実剛健なクラッチレバーまわり

 基本的に何もかも質実剛健な作りの本車。

 外観デザインやカラーリング、燃料タンクキャップなど妙に豪華な部分もあるのだが、クラッチレバーまわりのように質実剛健が極まった部分も存在している。

 

 ジクサー150のクラッチレバー側ホルダーまわり。

 ピボットまわりにはゴムカバーが被せられていて、一般的なクラッチレバーまわりと変わらない。

 個人的には、クラッチレバー側もレバーホルダーは分割式(ハンドルバーに取り付けられたグリップを抜かなくてもクラッチレバーホルダーがハンドルバーから外すことができるタイプ)が好みなのだが、スズキの多くの機種と同様にクラッチ側のレバーホルダーは分割はできず締付ボルトを緩めてハンドルバーを抜き取る構造になっている。(グース350も同様だった。)

 (このあたり、他メーカーでは50㏄級でも分割式になっていたりする。メーカーの設計思想の違いといえばその通りなのだが・・・)

 

 で、今回の問題はレバーホルダーが分割式かどうかという問題ではなく、クラッチの調整機構のはなし。

 クラッチレバーのクラッチミートポイントを調整しようとして、クラッチレバー基部のゴムカバーを捲ったところ・・・

 当然あると思っていた、クラッチケーブルのアジャスター(丸いダイヤル状の部品とケーブルホルダーをねじで組み合わせた構造で、ケーブルを軸にダイヤル状の部品を回転させ、アジャスター部分の長さを変化させてクラッチケーブルを引く量を調整するもの)が存在しない。

 

 確認してみると、もともとジクサー150のクラッチレバー基部にアジャスター類は設定されておらず、

 クラッチケーブルのエンジン側にアジャスターが装備されていた。

 工具を用いて、ここのアジャスターを回し、クラッチレバーのクラッチミートポイントを調整することになる。

 

 クラッチケーブル単体で考えれば、よくある(調整機能がない)ケーブルよりは単価が上がるのだろうが、よくある(クラッチレバーホルダー側に調整機構を持たせた)ホルダーにネジ溝を掘り、ダイヤル状の部品とケーブルホルダーの部品を追加することに比べたら、全体としてのコストは下がるのだろうな。(管理人の勝手な推測です。)

 

 個人的には、クラッチレバー基部のダイヤルを回すことでクラッチ調整ができる(より一般的な)調整機構の方が嬉しいのだが・・・。

 どちらかというとバイクに乗り慣れていない層が多く所有している傾向が見受けられるジクサー150。

 できることなら、ここはレバー基部の調整で工具を使用することなくクラッチ調整ができるようにしておいてほしかった。

(ジクサー150に関するネット上の情報を見ると、「シフト操作が渋い」とか「シフトできない」とか書かれているのは、おそらくここのクラッチ調整が出来ていないだけだと推測されるのだが、そういった(はっきり言えば)初心者層のためにも、もう少しここは頑張ってもらいたかった。)

 ちなみに、ジクサー250系の方は、(調べてみると)一般的なクラッチレバーホルダー&アジャスター方式のものを装備していた。

 

■ 調整とか

 とりあえず、クラッチのキレが悪いのは芳しくないので、

 直ちに調整。

 

 一般的な工具(レンチ)を持ちいて、クラッチケーブルをより多く引く(クラッチが切れる方向)に調整して、一般的な操作範囲内でもしっかりクラッチが切れる状態にしておいた。

 

 これで当分の間、クラッチケーブルの調整は必要がないとは思う。

 そう頻繁に調整する場所でもないことを考えると、クラッチレバーホルダーに追加するダイヤル式のアジャスターではなく、ケーブルに調整機構を持たせたケーブルを採用した方が有利と考えるのも自然かもしれない。

 が、管理人としては工具無しで気軽に調整できる方がやっぱり嬉しい。


 ジクサー150のクラッチレバー・ケーブルまわりを(一般的な)調整方式のものに変更しようとする場合、

「ホルダー・アジャスター・ケーブル」まわりをまとめてジクサー250系のものに変更する方法が真っ先に思いつく。

 これらの部品を「スズキの純正部品」として取り寄せた場合、管理人が調べ範囲では「結構な金額」になってしまうことが判明した。

 そこで、代替案①として、「クラッチレバーホルダー」は既存のホルダーにタップでネジを切り、クラッチケーブルは現在のものをそのまま流用。

 アジャスター部分の2部品だけを取り寄せるという方式を考えるのだが、これはこれで面倒かつ強度等に関して確信ができない。

 さらに代替案②として、クラッチレバーホルダーはそのままに、クラッチレバーホルダーに取り付ける「ダイヤル式アジャスターっぽい部品を3Dプリンターで印刷して使用する・・・という方式も考えた。

 ただ、交差点等でクラッチを切って停止中に、3Dプリンターで印刷した自作部品が「突然に崩壊」すると、急にクラッチが繋がって不意に発進してしまう可能性も考えられてしまう。

 これは危ない。(特に踏切で電車の通過待ちをしていた場合など、自作部品が崩壊して、クラッチが繋がりバイクが急発進すると踏切内に突撃してしまう可能性が考えられる。)

 

 クラッチレバーの調整は手軽に行いたいが、命を懸けるまでの気もない管理人。

 

 さらに代替案③として、既存のクラッチケーブルに備わっている、調整機構を流用してクラッチケーブルを調整する方式を考える。

 

 代替案③のため、

 部品を作成。

 

 こんな部品ができあがった。

 

 

 

 組み合わせると、

 ドラム的な(円柱状の)部品でケーブルを挟み込む形。

 

 これを、

 

 エンジン側のクラッチ調整部分に追加で被せて、

 

 それぞれアジャスターを回すと、ケーブルの長さが変わり、クラッチのミートポイントが調整できる。

 ただし、ケーブルのナット等を緩めたり締めたりするには、アジャスターを回す際に必要な指の力が大きすぎる。

 ドラム状の部品の直径が小さすぎて、操作する指への負担が大きすぎた。

 どうやら自作の部品によるアジャスターの取り付けは失敗だった模様である。

 

■ 携行工具で調整

 アジャスター部品の自作は失敗。

 かといってジクサー250系の純正部品を取り寄せるのは(現段階では)避けたい。

 

 ということで、

 車載工具として用意してある、ライツールのプチコン(ビネーション)ツールを使用して調整を行うこととしておいた。

 (「車載工具」#04 軽量工具(アサヒ ライツール)コンビネーションレンチ

 

 正直、あまり面白くない結果になってしまった。

 (そう頻繁に調整を行う場所でもないので、実際のところは大した問題ではないのだが。)

 

2023年の大みそか【毎月】 2023年12月