■ 電装品12V直流化

 最近、バッテリーレスキットを取り付けたり、点火用のポイントを磨いたり、灯火類をLED化するなど、かつての想定していた以上に手を入れてしまっている管理人のホンダR&P「ねこぴいなつ」
 いろいろと弄って(いじって)いる時間や、置き場所が欠乏していくなか、更に手を入れてしまったりするのだった。
本内容は管理人が行った活動の記録だったりする。
各名称等は管理人が使用しているもので正式なものではないかも。
こんな記録を参考にせず、正しい情報を入手して、正しく活動されたい。
万一、参考にしてしまう場合には自己責任で。

■ R&Pのキャブレター清掃

 以前、本車のキャブレターは何かと問題を起こしがちだった。
 ワンタッチでフロート室を脱着できる構造だったのだが、そこの接続面にあるパッキンが劣化してガソリンが滲みでてしまっていた。
 そんな本車のキャブレターも、しばらく前に(管理人以外の手により)補修部品が取り寄せられ、一部が交換されてガソリンの漏れ等は完治している。
 
 ただし、その後もしばらく(遠方で)放置される期間が長かったため、エンジンが不調になった時期もあったりした。
 しばらく放置した後でエンジンが不調になったということで、キャブレター内のガソリンが劣化しているのは間違いがないだろう。
 管理人のもとに帰ってきたR&Pを前に、キャブレターの確認を行ってみることにした。
 
 上の画像はD.I.Y店(所謂「ホームセンター」)で「燃料用のホース」を買ってきて、キャブレターの下にあるドレンらしきパイプ状の開口部に接続してみた。
 
 この後、(フロート室内のガソリンを排出しようと)フロート室の下部にあるスクリュを緩めるのだが、このキャブレターのフロート室下にあるドレンは、オーバーフロー時のみにガソリンが排出される構造で、画像のスクリュを緩めても、スクリュはドレンには繋がっていない。
 このスクリュを緩めれば、フロート室内のガソリンを排出することはできるのだが、排出されるのはドレンからではなく、スクリュが取り付けられていた穴からガソリンが排出されることになる。
 
 という訳で、 「・・・ホースを買ってきた意味がなかった。」
 
 ちなみに、他のホンダ旧車等には本車と同じようにフロート室のドレンとスクリュが独立していて、スクリュを緩めるとスクリュ穴からガソリンが排出されてしまう有名機種がいくつかあり、それらの機種用にスクリュの根元に部品を追加して、ガソリンを排出する際に接続したホースから排出できるようになるキットが売られているようだ。
 
 もちろん、本車にそんな高級部品を用意するつもりもないのだが。
 
 なお、燃料用ホースを買ってきたのは、ただ燃料を排出したかった訳ではなく、フロート室内の燃料レベル(油面)を確認したかったから。
 透明な燃料ホースに燃料を流して油面を確認するという方法は使えないということが判明したので、
 
 しかたなくキャブレターを取り外した。
 
 空冷単気筒の50cc。
 ボルト2本を外し、スプリングで止められたインシュレーターからキャブレターを外す。
 スロットルワイヤーと繋がるピストンバルブごと外せばキャブレターが外れる。
 特に凝ったデバイスや電子機器等も付いていないシンプルな構造。
 車体側にも余計なものは何もついていない。
 キャブレターの調整等を学ぶには最高の素材なのだろうな。
 
 外したキャブレター。
 
 思ったより汚れていなかった。
 
 チョークバルブは吸気側の通路を塞ぐ、機械の教科書から出てきたような構造。
 
 多少の汚れはキャブレタークリーナーを吹きつけて拭き取っておく。
 
 フロート室内の様子。
 
 腐ったガソリンや残渣物等が固まっているかもと考えていたのだが、そこまで酷い状況ではない。
 
 
 
 とりあえずフロートを外してみる。
 
 メインジェットの穴を確認してみる。
 しっかり青空が確認できるので閉塞はしていない。
 
 ジェットの様子。
 
 もう一本見える、スロージェット(パイロットジェット)の方は、
 
 ・・・空が見えない。
 どうやらジェット内が詰まっている模様。
 これでは始動を含めてエンジンが不調になって当然である。
 
 若干汚れ気味。
 
 緑青っぽい物質が表面に付着している。
 とりあえずスロージェットの詰まりは除去しておかねばならないので、
 
 スプレー式のキャブレタークリーナーを内部に噴射する他、細い荷札の針金等で内部を軽く磨いておいた。
 
 その他、開口部や通路は全て、
 
 キャブクリーナー等を噴射して、
 
 清掃ついでに貫通・開通していることを確認しておいた。
 
 
 
 
 
 燃料が流入する入口から、
 
 フロートバルブ部分まで。
 
 燃料の液面がどうなっているのか、先ほど確認できなかったので、清掃ついでに確認することにした。
 
 フロートバルブの受け部分。
 特に汚れもなく、異状はなさそう。
 
 フロートバルブ。
 それほど使用期間も長くなく、まだ磨耗もそれほど見られない。
 
 まだ使えると思う。
 
 
 
 先ほど、独立していることを確認したパイプ状のドレン。
 
 オーバーフロー用の画像中央にあるパイプとしか繋がっていない。
 
 頭では分かっているのだが、どうしてもこの位置にあるスクリュと、繋がっていないのはトラップとしか思えないような気がしてしまう管理人。
 
 ここのスクリュを少し緩めてドレンからガソリンが流出しない → フロート室内にガソリンは無い → フロート室内でガソリンが劣化する心配はない。
 と判断してしまうバイク乗りが実際に居る。
 
 ドレンの話からキャブレターの清掃・点検の話に戻って、
 スロージェットを戻し、
 
 メインジェットも洗浄しておく。
 本車は基本的に非力な50ccなので、常にメインジェットが活躍する回転数を維持していることと、ジェットの穴の径が大きいことからメインジェットは詰まらなかったのだろうか。
 スロージェットが活躍する回転数を使わない訳ではないのだろうが、そもそもジェットの穴の径が小さいことから詰まりやすかったのか?
 

■ 実油面確認

 スロージェットが詰まった経緯は、今後それまでの使用状況を聞き取りすることとして、せっかくキャブレターを取り外したので、ついでに油面の確認をしておくことにした。
 フロート室に接続した透明ホースで油面を確認する方法は使えなかった。
 そして管理人はフロートの動きとフロートバルブが閉じる位置を計測する機器など持っていない。
 という訳で、透明なフロート室を仮付して、実際に燃料(ガソリン)を流入させて、流入が停まる位置(液面)を実際に確認する。
 
 透明フロート室は、直ちにガソリンに侵されない透明な容器。
 ペットボトルを切っただけの物体に見えないでもない。
 
 ちなみに、安全性の面から慎重を期すなら引火性が高いガソリンではなく灯油等を使用するなど、良い子は他の手段を考えた方が良かろう。
 管理人の場合は帯電防止のため帯電防止靴や周囲の散水、消火用具の準備等を行って、燃料タンクからコックを通して通常通りの燃料供給を行っている。
 
 とりあえず調整前に確認してみると、
 どうやら油面が高すぎた模様。(溢れそうになったので燃料コックをオフにして燃料供給を止めている。)
 
 フロートバルブを押さえる部分。
 
 ここを曲げて、フロートバルブがバルブシート側と接触(=燃料流入を止める)位置(=油面の高さ)を調整する。
 管理人の場合、「大量生産する一般車の場合、いちいち微妙な調整を行ってから出荷している可能性は低いので、たいてい他の部分と「平行」だとか、「平面状態」に調整すれば、だいたい丁度良い油面になると考えている。(フロートの浮力が弱まっている場合などは別だが)」
 
 再テスト。

 

 流入開始の様子。

 
 フロート室内にはこうやってガソリンが流入していくのだな。
 (透明フロート室という商品があるようなので、適用車種があるなら是非使ってみたいと思ってしまった。)

 

 流入が止まる様子。

 
 無事に流入が止まった。
 R&Pの油面高さについてサービスデータを確認できていないのだが、たぶんこんなものだろうか。
 
 → 今回検索してみたら、

https://o-yellow.com/wp/wp-content/uploads/2017/11/honda_data.pdf

 という表が見つかった。

 これによると「フロートレベル 20.0mm」とある。

 フロートの底(下端)から、フロート室のあわせ面の高さ(距離)が20.0mmという意味だろうか。

 作業時にはフロートの高さを測っていなかったので、今となってはあまり意味が無い。

 

 
 清掃したフロート室を取り付けてからキャブレターを車体に戻す。
 
 この後、試走に出かけて快調に始動。快調に走っているので、たぶんお手入れは成功したはず。
 
 
 

交直両用【毎月】 2023年06月