カブ乗りには共通の夢がある
それは,フロントをテレスコピックサスペンションにして,さらにディスクブレーキにすることだ
・・・・
性分じゃないので,普段の口調に戻します
さて,カブに乗っている方が皆そうではないとは思いますが,
峠を走る方は,恐らくカブの前輪ブレーキには不満があると思います
後輪はロックさせることができるくらいの制動力があるのに,
前輪はとにかく効きません.全然利きません.とにかく効きません
特に,エンジンを改造して,バイパスの右車線を走れるくらいのパワーがあると,
より顕著になってきます
ノーマルで街乗りしている分には,問題はありませんが,緊急制動が必要な場面では,
不安を覚えるのも事実かと思います.
ドラムブレーキはディスクブレーキより効くはずでは?と思われるかもしれませんが,
カブのブレーキは効きません
もちろん,製造コストや,自転車屋でも整備が簡単にできる点など,
ドラムブレーキにも優れた点があるのは事実ですし,カブの想定用途を考えると,
合理的な選択だとは思います.
しかし,カブを弄りまわして長距離ツーリングにも行く,不合理な選択をする私たち(馬鹿共)には,
ディスクブレーキに憧れます
また,フロントのサスペンションも,カブはボトムリンク式と呼ばれるサスペンションが採用されています.
このサスペンションは,車軸の取り付け部に短いリンクが仕込まれていて,
そのリンクの揺動によって,ストロークする機構ですが,
前輪ブレーキをかけると,フロントが持ち上がる作用を示します
この作用が曲者で,コーナーにブレーキを残したまま進入すると,
伸びていたフロントサスペンションが一気に縮むため,不安定な挙動になります.
なので,リアブレーキだけでコーナーに侵入するという,独特の操縦技術が要求されます.
しかし,一般的なフロントブレーキを残して,フォークを縮ませながらコーナーに進入する走行法に比べ,
緩慢なコーナリングになってしまうのは否めません
最も,このサスペンションも良し悪しで,信号などで停車する際,前輪が持ち上がることにより,
ノーズダイブを防ぐことができるので,スムーズに停車することができるように思います
製造コストの観点でも,昔の技術であれば,この方式が一番安く済むように思います.
やはり,想定された用途であれば,合理的な選択だったと思いますが・・・
私には向いていないですw(そもそも,私がカブに向いてないともいう)
フロントが持ち上がる作用のせいで,制動中はサスペンションの能力が落ちて,
スリップしやすいと思いますし(前輪のブレーキが弱いのはこれを考慮してのことなのかな)
剛性感も良くないですし,ガタが発生しやすいです.
そう考えると,一般的なテレスコピック式のサスペンションが欲しい
けど,カブにポン付けできるテレスコピック式のサスペンションなんてないし,
「カブ テレスコ」などで検索すると,カブの原型をとどめないような見た目のマシンしか出てきません
・・・個人的に,カブの見た目はかなり気に入っているので,これは変えたくないな・・・
そんなわけで作ってみました
高専の自主卒業制作も兼ねて,「無いものは作ればいい」精神を体現しました
見た目はカブの雰囲気を出しながら,
異様な大きさのディスクブレーキから,やる気を感じますw
個人的には,大満足
まさに,作りたかった理想
ちなみに,このディスクブレーキの直径は295[mm]ですが,これは,
YZF-R25とほぼ同じ大きさですw
どう考えてもカブには不釣り合いな大きさですが,自己満足カスタムなので,それでいいのですw
(R25は重量170[kg],カブは90[kg],人間の重量を考慮しても,相当な重量差があり,
効きすぎるように思いますが,そこはキャリパーとマスターのレバー比で調整しています.)
そして,中身はこんな感じ
ちなみに,純正だとこんな感じ(ハンドルついてないし,アングルが全然違うけど)
見てわかる通り,フレームから先の部品は,完全に別物です
具体的には,カバーとハンドルまわりくらいしか,純正品は使っていませんw
構成は,こんな感じ
フロントフォーク:ホンダPCX純正(改造有)
ブレーキキャリパー:PCX純正(改造有)
キャリパーサポート:自作
ホイール:スズキGN125用カスタムパーツ(中国から輸入)
ブレーキローター:GN125用カスタムパーツ(中国から輸入)
ブレーキマスター:ホンダCBR600RR純正(マスターカップはカワサキH2から流用)
右ハンドルスイッチ(ウインカーとかのスイッチ):自作
ミラーマウント:自作
スロットルホルダー:Active製汎用品
ステムなど:自作(アルマイトは外注)
簡単に言えば,サスペンションとハンドルの間の部品は,ベアリング以外すべて自作ですw
カブの見た目を保ったままのテレスコ化は,結構大変でした.
さらに,キャリパーなども手を加えていて,
(っていうより,流用品でそのまま使ってるのはメーターギアぐらいしかないw)
紹介箇所も多いため,記事を分けます
(課題に追われてるというのもあるけどw)
また,近いうちにそれぞれの要素を細かく解説していきます