昨年、ちょうど六甲山を登ったルートが本書の最初の方に登場するものとほぼ同じだったので、脳内でその時の事を思い出しながら楽しく読めました。
バリ山行の「バリ」は「バリエーションルート」の略で、一般の登山道とは異なって、整備されていなかったり、悪路が続いたり、クライミング的な要素があったり、ルートファインディングが必要だったりと、その山行がより困難な登山ルートを指すそうです。
本書は登山初心者の波多と、休日の度に一人でバリを行っている妻鹿という二人の男性を通じて描かれています。、
その「バリ」は一人でするものだという妻鹿の気持ちも、ソロで登山をする事が多い自分にも共感できる部分がありました。
多くの登山客で賑わう山行もいいですが、時には煩わしく感じる事もあり、人気が少ない道を静かにソロで歩くのは結構いいものです。
もっとも、バリをするような無謀さと背中合わせな勇気、それに技量も経験も自分は持ち合わせていませんが(笑)。
そしてそんな妻鹿に対し、波多が「向き合うのは山ではなく生活だ」と言う言葉にも大きく共感するものが。
しかし、妻との関係もどこか冷めたようにあるようで、自身の生活の基盤が危ういような波多に「どの口が言うんだよ」と思ったりもしましたが(笑)
ともあれ新しいギアを購入したくなったり、様々な悩みから無心になって山歩きする姿、山中で目撃する事になる鮮やかな光景、藪漕ぎする場面で受ける痛み、そしてバリ中に得る喜びと大きな危機に陥った時の感情の揺れなどがなんとも実にリアルで、読みながら感情を揺さぶられるようでした。
本書はそんな登山小説のような側面も強いものの、実際には仕事で悩む主人公のお仕事小説でもあります。
前に勤めていた内装リフォーム会社では、社内の人間関係を築く事を避けていた事が、仕事が出来る出来ないに関わらずリストラの対象になったのではと考えていた波多ですが、転職した先の会社ではその経験を踏まえ、誘われるままに社内の登山グループに参加するようになります。
その中で、職人気質で誰とも交わろうとせず孤立している妻鹿が、難易度の高い「バリ山行」を行っていると知り、妻鹿にどこか惹かれるように、バリに連れていってもらうようになるのですが、その山行を通じて、業績が低迷し社員が動揺している今の会社の現状の事や基盤だという自身の生活に向き合う姿が描かれています。
もっとも実際には、波多は山に登るようになり、更にはバリを行うようになった事で、小さな娘のために時短で働き家事もこなす妻との生活から、向き合うどころか結局は逃げているように見えます。
そりゃ体調崩して寝込んだ時に娘に伝染るからと家を出ていかれるのも自業自得。
仕事と将来への不安も、妻と相談し乗り越えようとはしないその姿と、ラストの様子からは離婚一直線なんじゃないかとも思ったりしたのは自分だけでしょうか(笑)。
ある意味、そんな破滅的な姿は、最初は芥川賞っぽくないと思った物語も、やはり芥川賞受賞に相応しい純文学だったのかなとも思ったりしました。




















02. Welcome to Paradise
03. Longview
04. Basket Case
05. She
06. Who Wrote Holden Caulfield?
07. When I Come Around
08. Know Your Enemy
09. Revolution Radio
11. 21 Guns
12. Minority
13. Brain Stew
14. Jaded
15. American Idiot
16. Holiday
17. Boulevard of Broken Dreams
18. Are We the Waiting
19. St. Jimmy
20. Give Me Novacaine
21. Letterbomb
22. Wake Me Up When September Ends
23. Jesus of Suburbia
24. Bobby Sox
25. Good Riddance (Time of Your Life)


















