またしばらくお山歩できないのは残念。
それならばと仕事終わりに文殊山へ。
土日はいつも満車の二上口の駐車場ですが、平日の夕方はさすがに少なかったです。
作家志望のステイシーは、キャシー・モラン撮影のピューリッツア賞を受賞した写真「銃を持つ花嫁」に魅了される。
ステイシーはその写真にインスパイアされた小説を書こうと、10年前の写真が撮られた日に起きた富豪の殺人事件について調べ始める…。
作家志望のステイシーが10年前の事件を調べ始める様子が描かれる現代と、その10年前に富豪が結婚式当日に自宅で銃殺された事件について描かれる過去とを通じ、迷宮入りだった事件の真実が明らかになっていくサスペンス小説。
ウェディングドレス姿で六連発銃を持ち、海に向かって佇むメーガンを発見したキャシー・モランがその姿を思わず写真を撮り、彼女を保護して自宅に連れ帰ると、そこには銃で撃たれて死亡しているメーガンの夫の姿が。
何者かに襲われその時の記憶を失ったというメーガンには夫殺しの容疑が掛けられるものの、捜査の結果、容疑は別人へと移っていきます。
読んでいて感じるのは、美女に翻弄される男たち同様に読者を惑わすプロットが巧みなこと。
怪しく思えるあの人は実際にはどうなのか、そして真実はどこにあるのか、先が気になりグイグイ読ませます。
海辺でウェディングドレスを着たままの花嫁が銃を持つ後姿の写真が示している真実とは果たして。
しかし登場する女性たちは、みんなしたたかですね。
それに比べて男性陣といったら(笑)。
特に、事件の調査に協力する司法次官補のジャック。
かつて弁護士だったキャシーにやり込められた過去をもつジャックは有能さの片鱗を見せてはくれるものの、キャシーにどうしようもなく惹かれていく姿は、危うさと共に滑稽ささえ感じたりもしました。
ともあれリーダビリティも高く、真相が明らかになる様子は十二分に楽しめました。
今回、初めて著者の作品を読みましたが、リーガル・スリラーの名手だそうで、ぜひ他の作品も読んでみたくなりました。
うん、やっぱりこの作品、好きだなぁ。
今年の2月に本書を課題書にした(オンライン)読書会に参加させてもらうにあたり再読、いい作品だと、あらためて実感しました。
↓ 初読時の感想はこちら
主人公はほんのちょっとしたことでも死に直結してしまうような難病を患っているダニエル。
難病をテーマに扱っているので、時に胸が締め付けられるような切なさに襲われることもありますが、ダニエルが持つ、ひたむきな強さや優しさに胸があたたかくなります。
また、生きることに前向きなダニエルの言葉で紡がれているので、明るい気分で読んでいられると共に、清々しくもダニエルのような前向きな気持ちにも。
それに、言葉にしなくとも通じ合えるような親友や介護士の存在も大きく、そのささやかな日常の描写が実に鮮やかで心に残ります。
そして、そういったダニエルたちの姿を通じて伝えようとしている、著者の想いや願いには胸がいっぱいになりました。
ほんと、いいお話!
多くの方に手に取ってもらえたらなと思います。
ところでラスト、読書会では自分は思いもしなかった解釈をされている方が多くてびっくり。
確かに読み返してみると、そういう風に受け取れる描写なのかも。
実際はどうなのか分かりませんが、自分はやはり希望のある終わり方だと受け止めていたいなぁ。