諜報史研究者のマックス・アーチャーは、MI6伝説のスパイであるスカーレット・キングからの接触を受ける。
マックスは彼女の書いた手記の発表を依頼されるのだが、その手記には冷戦時代の諜報活動における大きな秘密が隠されており…。
久しぶりにゾクゾクするような読書体験、もう、読んでいてずっと面白かったです。
スカーレットの手記による過去のパートも、マックスによる現在進行形のパートも、特段派手で刺激的な場面を見せる訳でもないのに、こんなに読ませるとは。
諜報史の研究者として数冊の著作を出すも日の目も出ず、ジャーナリストである妻には愛想をつかされ離婚、大学のしがない准教授でしかないマックス。
また、若かりし頃にはMI6を受けたものの失敗したという過去も。
そんなマックスに何故、伝説のスパイが接触してきたのでしょうか。
そもそも本物のスカーレット・キングなのか、そして手記が本物であるのかも分からない中、マックスは人生の起死回生を狙ってスカーレットの誘いになります。
しかしながらその動きを察知したMI5は、マックスの行動を見張り、手記の出版を止めるべく罠を仕掛けてきます。
マックスが本物の手記を手にし、その出版に漕ぎつけることはできるのか。
そしてスカーレットが記した諜報活動の内容と、そしてそれを表に出そうとする真意とは果たして。
先に派手な場面は無いと記しましたが、派手では無くとも驚くような場面も多く、冷戦時代のスパイ史における事実を交えつつ描かれる、最後の最後まで読み逃せないスリリングな物語。
なにより、マックスが選ばずにはいられなくなる運命というのは、「なるほど、そうくるわけか!」と、ゾクリとし、なんともいえないぐらい強く印象に残るものが。
新たな傑作スパイ小説、読み逃し厳禁です!












