天気もいまいちということで、二人で読書タイムをとりに「あわい読書室」さんへ。
飲み物だけを注文したのは、夜のディナーに備えてお腹を膨らますわけにはいかないから(笑)。
それぞれ飲みもの片手に1時間半ぐらい、ゆっくり読書してこれました。
「あわい読書室」さん、土曜の午後は何も注文せずにゆっくり本を読んでいくだけでもいいという、なんとも嬉しい空間。
家にいると、ついついネットだったりTVだったりの誘惑に負けてしまうので、集中して本を読みたい時にまたお邪魔させてもらいたいです。
五つ星ホテル「リージェンシー・グランド・ホテル」にて、著名なミステリー作家グリムソープが重大発表をする直前、メイド研修中のリリーが渡した紅茶を飲んで死亡する。
メイド主任のモーリーはリリーと共に、4年前と同じように殺人の容疑者となるのだけれど、モーリーには秘密にしていたことがあり…。
『メイドの秘密とホテルの死体』の続編で前作から四年後。
他人の言動の裏にある意図や心の機微を読み取ることが難しく、他人とうまく付き合えなかったモーリーですが、なんと同じ高級ホテルでメイド主任に抜擢され、どうやら周りの人たちから愛され信頼を得ていると知り、前作を読んで好きになった読者としては、もうそれだけで嬉しくなります。
さて、そんなモーリーが新たに直面するのは、ミステリー作家が殺され、更にはその場にあった希少な初版本やメッセージカードなどが紛失するという事件。
自身が目にかけていた、どうやらモーリーと同じような性質をもっている研修中のリリーと共に殺人事件の容疑者のひとりとなってしまうのですが、なんと、前にもモーリーに辛く当たったスターク刑事が再び登場。
今回もモーリーに対して冷たい対応を取るのですが、捜査が進むうちに意外な変化が見られます。
そして何よりも亡くなった祖母フローラとの思い出、そして祖母がモーリーに語り掛けていた言葉や態度の数々が胸を打ちます。
実は殺された作家とは過去に関わりがあったモーリー。
その時の事が今回の事件解決へのカギとなっているのですが、モーリーによって語られる過去の物語、実は現在進行形の事件よりも興味深く読めました。
それは、祖母フローラとのかけがえのない思い出で、祖母の強さと深い愛情が描かれているからで、モーリーでなくとも祖母のことを好きにならずにはいられません。
そしてモーリー自身が意外とも思える、したたかな強さの片鱗をこの頃から見せていたことが分かるエピソードもあって面白かったです。
さて、作家が殺された事件の犯人等については、ミステリー度は弱いのですが、事件の真相が明らかになると共に、また別の真実が明らかになる様子には、ほっとするというか、幸せな気分で包み込まれるようでした。
とはいえ、祖母のフローラが自身の強さゆえとはいえ、あの時に違った選択をしていたらまったく違った未来になっていたんじゃないかと、しみじみ考えてみたり…。
なお、シリーズとして本国では既に3作目も刊行されているとのことなので、またモーリーたちに会える日が楽しみです。