アンティークショップを営むハリエットの元に、文字通り突然現れた男性ノーラン。
そのノーランは、自分はクリスマスを司る精霊(ゴースト)で、クリスマス・イブまでにハリエットが過去の過ちを認めないと、惨めな人生から逃れられなくなる、ノーランは彼女に運命を変えるための任務として現れたという。
ハリエットは、ノーランの手をとり、魔法によって過去へと遡り、過ちの原因となるものを探すことになるのだけれど…。
クリスマスの魔法に満ちたロマンス小説は楽しく幸せな気分でいっぱいにさせてくれました。
主人公は、自己肯定感が欠如し、人を喜ばせないといけないという強迫観念の固まりのハリエット。
そして、事故で若くして亡くなり、以降は希望を抱くことすらできない100年間を過ごしてきた、クリスマスの精霊ノーラン。
ハリエットは突然現れたノーランからクリスマスの精霊だなんて言われても不信感マックス。でも、ノーランは理想の男性にも見えます。
一方、最初は不審者扱いされ苛立ちながらも、トナカイ柄なパジャマ姿のハリエットから目が離せないノーラン。
二人がそれぞれ相手に惹かれていることに自覚する(とくにノーランの方は夢にまで妄想を見てしまうような)姿は、微笑ましくも可愛い。
さて、ノーランの魔法で何度も過去の自分を見ることになるハリエットですが、母親の期待に応えられない、理想の娘になれない自分をあらためて認識して胸を痛めます。
けれどもノーランが近くに寄り添ってくれ、そして掛けてくれる言葉がハリエットを強くし、自分で自分を肯定できるように。
けれどもノーランにもある変化が起こり、その変化にノーランは恐れを抱きます。
もともとクリスマスイブまでしか時間が無かった二人。
それが分かっているだけに、刻々と迫る別れの時を思うと切なくなりますし、ノーランがこれまで抱えてきた絶望を考えると、ノーランの気持ちが溢れ出る場面には思わずウルッとくるものがありました。
さて、クリスマスイブまでの短い期間限定の恋人同士の運命は?!
この物語はクリスマスストーリー。
結末はもちろん…。
それにしても訳者あとがきにもありましたが、本書の中でちょっとした描写が伏線となっており、中でも猫についてはちょっと驚きもしましたし、あらためて色々と確認したくなります。
そして本書は〈GHOSTED〉シリーズの1作目とのこと。
ということは、今回さらりと描写されていた死神事件や、ノーランの上司イザベルのスノードームのことなどが描かれそう。
是非ともシリーズが翻訳されますように。

















