『処刑台広場の女』に続く、謎めいた美女、ダークヒロイン〈レイチェル・サヴァナク〉シリーズ2作目。
葬儀場に向かう専用列車(なんと実在したという)。
その中である男性に命の危険と助けを求めるよう助言するレイチェル。
序盤のこのくだり、その舞台装置だけで魅了され、この先の展開に期待し高揚するものが。
その後は謎、謎、謎。
とにかく謎ばかりで、いったい何を読まされているんだろうと思う事も。
実際、中盤で「読むの、ちょっと面倒になってきた」なんて、読み飛ばしがちに(笑)。
そんな風にちょっと眠気を誘う説明描写が続く場面もありますが、レイチェルに翻弄される若き新聞記者ジェイコブが、前作同様にピンチに陥る場面が用意されるなど、ちゃんと目を覚まさせてくれる展開も待っています。
ちなみにタイトルにある〈館〉も終盤にならないと出番はありません。
けれどもこの終盤で起きる事件と、一気に明らかになる真実がなんとも面白かった!
前作が冒険小説的な要素が強めだった印象があるんですが、本作は本格謎解き要素強め。
しっかり伏線として忍ばされていたものが、これでもかとここで判明されていく要素が楽し過ぎました。
巻末には、真相に関するヒントが描かれている作中部分の一覧が、著者によって記されているんですが、こんな序盤から犯人についての伏線があったのかと驚くと同時に、自分が読み飛ばしがちだった部分にも伏線があった事に、読むの面倒だなんて思った事を謝りたくなりました(笑)。
ほんと、途中、退屈だなんて思ったりもしましたが、読み終えてみればめちゃ面白かったという感想に(笑)。

実をいうと評判の良かった前作よりも、本作の方が個人的には好みかも。
更なる続編にも期待です!

