『救出』 スティーヴン・コンコリー | 固ゆで卵で行こう!

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 誘拐された上院議員の娘の救出に向かった、人質奪還を専門とする民間軍事組織を率いる元海兵隊員のライアン・デッカー。

しかし、作戦は自身の仲間やロシアン・マフィアの人身売買の犠牲者と共に、文字通り木端微塵に。
FBIに捕われ服役していたデッカーだったが、突然釈放されたかと思うと何者かに命を狙われる事に。
そんなデッカーを救うのは、かつて彼に助けられた事があるという女性探偵ハーロウ。
彼女の組織とネットワークの力を借りて、失敗に終わったかつての救出劇の背後にあるものを探っていく。



デッカーの実直な、娘に会いたいという願いと、仲間や多数の子供たちを殺した相手への復讐の念を軸に子気味良く連続して描かれるアクションと、謎が謎を呼ぶような展開で見せる、お手本のようなアクション・スリラー。


アクションに次ぐアクションと浮かび上がる謎。

ロシアン・マフィアや政治的陰謀。
仲間との友情や、弱いものを守ろうとする強さ。
そして家族への想いや、芽生えそうなロマンスなどなど、これでもかと盛り込んで最後はド派手なアクションと、冒険小説ファンを喜ばせてくれます。

とはいえ、序盤から色々と説明が省かれている事も多く、特に探偵ハーロウの組織の有能さとその大きさはどこから来ているのかとか、その辺がずっと気になりながら読んでいました(笑)。

また、いかにもハリウッド的な展開とセリフの数々で映像化向きな展開を見せるのですが、この辺りを素直に楽しめるかどうかで評価も分かれそうな気もします。

自分としては読みながら「これはそう見せて実はそうじゃないパターンだな」と思った事が、やはりその通りだったので、予想を超える展開は少なく、意外性といった点ではちょっと物足りなく思えたかも。

〈ライアン・デッカー〉を主人公にしたシリーズは四部作になっているとの事なので、そういった点や、説明されきっていない事柄も含め、次作以降で明らかになっていくのでしょうか。

デッカーの殺された家族の中で唯一生き残っている娘との再会や関係修復はあるのか。

そしてハーロウとの仲についてどうなっていくのか気になりますし、なにはともあれ二作目の紹介を期待したいところです。