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殺人者の顔をした男 (集英社文庫)
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ヴィクトル・カルッパはロシアからの“帰国移民”である探偵。
そのヴィクトルのもとに失踪した妻を捜して欲しいという依頼が舞い込んでくる。
ヴィクトルは調査を開始するのだが、失踪事件は思わぬ方向に転がっていく。
フィンランドの血筋をもち、ロシアからの帰国移民である探偵が主人公。
失踪した妻を捜して欲しいという依頼と共に、マフィアからの依頼やロシアの情報部からの指令などが重なるように舞い込んで物語が複雑化します。
そこに輪を掛けて慣れない北欧の名前などがあって、特に前半はまとまりが無いような感じもしました。
しかしながら後半に入り、特に思いも寄らぬ展開を見せる辺りはなかなか上手い。
そして何より清濁併せ持つような、複雑でいながらも芯は純粋なものを持ち続ける主人公を、全てを肯定はできなくとも理解し受け入れようとする者の存在や、離れて暮らす家族との描写が物語に彩りを加え、ラストも温かいものがありました。
物語のバックボーンとなる、フィンランドのロシアとの暗い歴史的背景や、同じく北欧の国々の歴史などを知らない為にすんなり物語に入り込めなかったという点はあるものの、逆にそういった部分を知る楽しみもありましたし、シリーズ一作目という事で主人公の紹介的な部分も多かったので、二作目以降により期待したいですね。
