美しい妻と娘に囲まれて幸せな人生を送っていた臨床心理士のジョーは、人生を一変させるような病の宣告を受ける。
そして一人の女性の死体が見付かった事により、自身覚えの無い殺人の嫌疑をかけられる。
やがてそれは自身は勿論、家族をも脅かす恐ろしい罠の始まりだった。
ジョーは自身にかけられた嫌疑を晴らし、家族を守るために一人奔走する。
とにかくテンポがよかったです。
主人公のジョーが徐々に追い詰められていく様子が、臨床心理士という設定をうまくいかして各登場人物それぞれが印象深く写るように描写されます。
警察からも追われ、犯人からも追い詰められ、そして愛する妻からも見放され、そして自分自身のこれからの人生を不安にさせる病魔に苦悩しながら孤独な戦いを強いられる主人公がどのように窮地を脱し、そして愛する家族の元に帰れるのか、ハラハラドキドキの展開は実にサスペンスフルで、多少の欠点も見受けられるが、それに目をつぶれば、冒頭、病気を苦に屋根から飛び降り自殺を図ろうとしている少年を説得する場面からラストまで一気読み確実です。
著者にとってこの作品が小説としてはデビュー作らしいが、今後も楽しみにさせてくる作家の登場だ。

