↓ベランダの物干し竿に留まるスズメ


少し前だけど、スズメが絶滅危惧種になるかも!?というニュースが流れた。
数年前からベランダの支柱に巣箱を2戸設けて営巣と巣立ちを見るのが楽しみになっています。3年ほど続けてスズメが入居してくれたレポートを記しておきます。
物干竿しから30cm位しか離れていないので、洗濯物が風になびくとバシバシ巣箱に当たりますが、シジュウカラとスズメが営巣してくれて楽しんでいます。
※巣箱の内と外にWebカメラ仕込んでPCの防犯用動体判定ソフト使って録画させてます。
◎スズメの子育て(3年分の様子)
黒っぽい卵を4~6個産む。(灰色地にこげ茶色のこまかい斑点)
最初に産む白っぽい卵は孵化しない。(初卵:白地にこげ茶色の斑点)
最後に孵化したヒナは巣箱内で死亡する確率大。
幼体ヒナの死骸は無くなる。
(羽の生えそろわない幼体ヒナの死骸は親に食べられてしまうのか?、外に持ち出されるのか?は不明)
大きくなって羽根が生えそろってからは弱〇強食の餌バトルが巣箱内で繰り広げられる。
巣立ちの前日から親鳥が餌を減らして当日は与えなくなるので、弱い個体は巣立ちできずに死んでしまう。
たぶん脱水症状からの衰弱死だと思われるが、兄たちが巣立った後に巣箱から亡骸取り出すときに凹む。。。
巣立って数日は巣箱周辺の雑木林で親から餌をもらってるみたい。
クチバシが黄色いので巣立ったヒナだと分かる個体が巣箱の周りに来てくれると心和む♪
孵化した後の卵の殻は親鳥が巣箱内で食べるか外に持ち出す。
白っぽい初卵など孵化しなかった卵は巣立ちまで残る事が多い。
(モニターで確認済、※産卵数と孵化したヒナ数+孵化しなかった卵の残数が合わない事多々あり。)
抱卵期間は12日、巣箱内での育雛期間は14日。
巣立ちの時間帯はまちまちだが最初の1羽が出た後は2時間程度で全羽巣立つ。
◎シジュウカラとの違い。
スズメは、
日中は両親が交代で抱卵する。
なので抱卵中は巣箱を空ける時間がほぼ無い。
(空いても10分未満。 頻繁に交代している)
夜は1羽で抱卵。 夜パートナーがどこで休んでいるのかは不明。
朝のお迎えは遅く、日の出過ぎ1~2時間経った頃で重役出勤。
ヒナの餌も両親が直接与える。
交尾回数が凄い! ドン引きするほど絶倫です♪
※シジュウカラの朝は早く、薄明の頃からパートナー(オス?)が巣箱の前で鳴く。
1時間ほど鳴くと日の出となり巣箱内のメス?が起きて2羽で飛び立つ。
早朝からかなりの声量で鳴くので、妻から「ピヨピヨがうるさい!」とクレーム入って寝室から巣箱を遠ざけた事もある。(シジュウカラ入居時)
巣箱内の様子もシジュウカラと違い、ほとんど稲ワラかイネ科の草で巣作りする。
少量ですが鳩?の羽と草の根もあり。
また巣穴前の編み込みが高く、天井カメラを隠してしまい巣穴が見えない。
巣穴は5~6cm程度の球形で小さく硬い。
ヒナの餌はほとんどが白っぽい「蛾・ガ」。
(シジュウカラみたいにイモムシ・毛虫は少ない)
巣立ち2日前あたりから集団で飛来して巣箱の内覧を始める。
毎回居抜きで入居したいみたい。
巣立ち直前のヒナがまだ居るのに親鳥が居なくなってから入って、親鳥戻って大げんかになる事も多々あり。
巣箱2戸あるから交互に入居すれば円満だと思うが、巣箱が近すぎるのか現入居している親鳥に隣の空き巣箱からも追い出される。 縄張り?
※約4m離れているが、ツバメの様に密集して巣作りはダメみたい。(巣箱だからかは不明)
巣立ち後に巣箱内の死骸と残卵は取り出すが、巣穴や持ち込んだ草や根はそのままにしている。
(巣穴が見えるようにカメラの前だけ掃う程度)
居抜きで次のペアがそのまま入居。
少量の稲わら追加はあるが、ほぼそのまま使われている。
(巣箱内にある草や根を外に出すことは無いので気に入らないと積みあがる)
◎スズメの巣作り日程
2024年
2024年 スズメ1回目、②南側
卵5~個、ヒナ3羽、巣立ち3羽、死亡(幼体1?)羽、卵残1個(白)
交尾確認、4月 2日、巣作り開始
卵初確認、4月11日、(4月9日地元のソメイヨシノ満開)
抱卵初日、4月16日(4月15日に卵5個確認)
孵化確認、4月28日(モニター)
巣立ち 、5月12日、3羽、①17時5分、②17時9分、③17時24分
2024年 スズメ2回目、①東側
卵4~5個、ヒナ3羽、巣立ち3羽、死亡(幼体1?)羽、卵残1個(白)
交尾確認、5月13日
卵初確認、5月17日
抱卵初日、5月21日(5月20日に卵4個確認)
孵化確認、6月 2日(モニター)
巣立ち 、6月15日、3羽、①7時49分、②9時51分、③10時10分
2024年 スズメ3回目、①東側
卵4個、ヒナ2羽、巣立ち2羽、死亡(幼体1?)羽、卵残1個(白)
交尾確認、6月17日
卵初確認、6月28日
抱卵初日、7月 1日、卵4個確認
孵化確認、7月12日(モニター)
巣立ち 、7月25日、2羽、①12時15分、②12時29分
2024年 スズメ4回目、①東側
卵3個、ヒナ1羽、巣立ち0羽、死亡1羽、卵残2個
交尾確認、7月26日
卵初確認、7月30日
抱卵初日、8月 1日、卵3個確認
孵化確認、8月12日(モニター)
巣立ち 8月24日夕方から動き無く、8月25日死亡確認。
前日から親鳥が餌を与えなくなるので、たぶん脱水症状からの衰弱死だと思われる。
2023年
2023年 スズメ1回目、②南側
卵6個、ヒナ2~3羽、巣立ち1羽、死亡(幼体1~?)羽、卵残2個(白1)
交尾確認、4月 ?日
卵初確認、4月10日、(4月2日地元のソメイヨシノ満開)
抱卵初日、4月15日(4月16日に卵6個確認)
孵化確認、4月27日(ヒナ2~3羽、卵残3個確認)
巣立ち 、5月14日、1羽、①9時12分
※死亡したと思われるヒナの死骸の行方は不明
2023年 スズメ2回目、②南側
卵6個、ヒナ3羽、巣立ち2羽、死亡1羽、卵残1個(白・カビあり)
交尾確認、5月 ?日
卵初確認、5月14日
抱卵初日、5月19日(卵6個確認)
孵化確認、5月30日(ヒナ2羽、5月31日にヒナ3羽確認)
巣立ち 、6月13日、2羽、①8時43分、②11時20分
2023年 スズメ3回目、①東側
卵5個、ヒナ4羽、巣立ち4羽、死亡0羽、卵残1個(白)
交尾確認、6月 ?日
卵初確認、6月19日
抱卵初日、6月22日、卵4個確認、23日に卵5個確認
孵化確認、7月 3日、ヒナ3羽確認、4日にヒナ4羽確認
巣立ち 、7月17日、4羽、①6時28分、②6時34分、③6時43分、④7時4分
2023年 スズメ4回目、①東側
卵6個、ヒナ2羽、巣立ち1羽、死亡1羽、卵残4個
交尾確認、7月 ?日
卵初確認、7月22日
抱卵初日、7月27日、卵6個確認
孵化確認、8月 7日、ヒナ2羽、卵残4個
巣立ち 8月22日、1羽、①14時30分、死亡1羽(前日のモニターでは2羽の生存確認出来ていた)
2022年
22年4月頃からシジュウカラとスズメが巣箱の偵察に来るようになるが、巣作りにまでは進展しない。
5月中頃、北側隣家のツバキにあると思われるシジュウカラが巣立った。(鳴き声から判断)
2022年 スズメ1回目、②南側
卵5個、ヒナ4羽、巣立ち3羽、死亡幼体1羽、卵残1個(白1)
交尾確認、5月26日
卵初確認、5月29日
抱卵初日、6月 2日(6月2日に卵5個確認)
孵化確認、6月12日(ヒナ3羽、13日にヒナ4羽と卵残1個確認)
巣立ち 、6月27日頃、3羽、旅行中にPCフリーズの為日時不明
(旅行前の6月24日にヒナ3羽を確認)
2022年 スズメ2回目、②南側
卵4個、ヒナ3羽、巣立ち2羽、死亡1羽、卵残0個
交尾確認、6月29日
卵初確認、7月 4日(卵3個確認)
抱卵初日、7月 6日(卵4個確認)
孵化確認、7月15日(卵の殻を出すのを見る、7月17日にヒナ3羽確認)
巣立ち 、7月29日、2羽、①10時57分、②11時9分
22年8月~もスズメが交尾と巣作りをするが産卵には至らず終了。
◎すずめの子育てに思う事。
シジュウカラと比べて産卵数が半分、しかも産卵数−2しか巣立たないとなるとジリ貧絶滅危惧種になるのも…、と思う。
しかも(稲/麦)ワラが無いと巣作りがままならない様子。
イネ科の猫じゃらし草なども持ってくるが、田んぼや農家が無い都心部では巣作りが出来ていないのでは?(程よく乾燥・枯れていないと気に入らないみたいだし)
※当家の周囲は水田よりも麦畑の方が多いが、麦ワラは硬いのか少ない。
シジュウカラみたいに苔と獣毛(犬の毛?)なら街中でも手に入りそう。
それとヒナの餌となる蛾や蝶は日中見つけにくいのでは?
昼間に蛾(シジミチョウみたいな小型の蝶など)が飛んでいるのをほぼ見ない。
街灯や玄関灯などが水銀・蛍光灯からLEDに代わって、夜中に蛾が飛来してくるのが少なくなった気がする。
(朝方、電柱や家壁に蛾が留まっている・落ちているのを見なくなった気がする)
葉裏や枝、壁などに擬態している蛾・蝶を探すのは大変だと思う。
シジュウカラみたいにイモムシ・毛虫をもっとヒナに与えても良いんじゃないかい?
(羽のある成体よりもイモムシの方が栄養ありそう。。。しらんけど…)
どうでしょう? すずめさん。
お宿の恩返しを期待しております♪
↓スズメが最初に産む卵は白っぽい(孵化しない)

↓孵化直後のヒナ。毛も無く目も開いていない。

↓孵化数日。まず背中と頭に黒い毛(羽)が生えて、それから腕の羽へ。

↓巣箱に設置したWebカメラ映像。 ピヨピヨ~♪
親はなるべく均等に与えますが、どうしても兄弟の中で強弱できてしまう。

↓巣穴が小さいので大きく育ってくると外で過ごす時間が多くなります。
この頃から羽ばたきの練習を巣箱の中で始めます。

↓巣立ち予定日の前日あたりから餌をあげるのを控え始めて巣箱の外へ誘います。

↓巣立ち直前。 何度も外の様子を窺って、ゴー!!

↓2階ベランダの状態。 物干し竿から約30cm、出入りする戸からも2mぐらい。

参考文献
巣箱の材料と作り方
東北森林管理局/巣箱づくり資料 - 林野庁
https://www.rinya.maff.go.jp/tohoku/syo/asahi/siryou/subako.html
鳥取県公式ホームページ「とりネット」
巣箱の材料 と作り方 巣箱 とは
https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/817606/subakonohanashi.pdf
鳥取県公式ホームページ「とりネット」
基本型巣箱の作り方(シジュウカラ用)
https://www.pref.tottori.lg.jp/secure/817607/subakono%20hanashi.pdf
野鳥の生態
バードリサーチニュース スズメ
2005年4月号(Vol.2 No.4) 発行 2005年4月13日
https://www.bird-research.jp/1_newsletter/index2005.html
https://www.bird-research.jp/1_newsletter/dl/BR_Newsletter_Vol2_4.pdf
バードリサーチニュース シジュウカラ
2007年3月号(Vol.4 No.3) 発行 2007年3月16日
https://www.bird-research.jp/1_newsletter/index2007.html
https://www.bird-research.jp/1_newsletter/dl/BRNewsVol4No3.pdf