黒塚古墳 | オヤジのおもちゃ箱

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行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず・・・・・・

 

ワカタケルの初瀬朝倉宮の次に向かったのは

奈良県天理市の黒塚古墳です。

こちらの古墳は6年程前に一度訪れています。 

築造は古墳時代前期にあたる、3世紀後半と考えられているそうです。

全長約134メートルの前方後円墳で、復元されてはいますが

作られた当初の姿が、良く残されていると思います。

 

 

オヤジは復元された古墳が好きです。

構造物が作られた当初の姿には、とても興味があります。

冷静に考えると、古墳時代前期の復元された前方後円墳は

とても希少な存在ではないでしょうか?

殆ど卑弥呼の時代ですからね。

 

 

墳丘から箸墓古墳(卑弥呼の墓?)を望んだ図。(↑)

相当に意味深ですねぇ~

ここからの箸墓古墳は、正しい見方(横方向)で眺める事が出来ます。

しかも箸墓の背景が三輪山になり、黒塚古墳と箸墓古墳が並列する位置関係です。

黒塚古墳から三角縁神獣鏡が33枚も出土した事を考えると

黒塚の被葬者は、箸墓をリスペクトしているような気がする。

考えすぎでしょうか?

ちなみに黒塚古墳で頂いたパンフレットには

「卑弥呼の里」と書かれてました。

 

 

墳丘は周濠に囲まれています。

綺麗に護岸工事されて、前方後円墳独特の“くびれ”がとても美しい。

この眺めが、前方後円墳のベストアングルだと思う。

 

 

黒塚古墳は平成9年と10年に発掘調査が行われており

その成果を古墳展示館で公開しています。

上の画像は再現された竪穴式石室の様子。

木棺は腐り、粘土の棺台が残っています。

台の上には朱が施されていますが

遺体から離れたところはベンガラを塗布してい

ます。

朱はとても 高価だったので、石室内部を朱で覆いつくす訳には行かなかったのか?

しかし、その割には神獣鏡の枚数はかなり多い。

 

 

 

遺体を取り囲むように副葬された三角縁神獣鏡は、展示館で見学出来ます。

今から1700年以上も前なのに、とても精巧に作られています。

殆どが直径22センチ前後のもので

中国の神仙思想に基づいた紋様が施されているとか。

文化的にも中国の影響が強かったのでしょう。

中でも注目したいのが西王母(さいおうぼ)という女神の事。

 

 

上の画像が神獣鏡の西王母。

これは不老不死を象徴する女神とされており

水銀朱と深い関係がありそうです。

水銀朱は古くから不老不死の妙薬と見做されておりまして

今でも、漢方薬の成分に用いられるケースがあるといいます。

 

前回訪問した時は水銀朱の事は気にしなかったけれど

古代史に「馬」や「朱」の要素を当てはめていくだけで

今迄見えなかったものが見えてくる・・・・・

 

興味は尽きません。

 

6年前の黒塚古墳の記事

 

 

 奈良の水銀朱の散策はこれでおしまいです。