2025年4月を持ちまして、ラーメン巌哲を閉店致します。
右腕・北山が独立を致します。
仕事量が膨大なため、店主一人では品質維持が困難と判断し閉店の決断となりました。
店主平松、北山共に別の地での開業を予定しております。
北山は思案中ですが、私、平松は東京ではないどこかを予定しております。
昨今の人手不足は深刻で、最も深刻なのはその質です。
現代の働き方とは逆行するのですが、全てを賄う売値を維持するため、
高品質の商品提供を余儀なくされています。
当然仕事量は増え、仕事の質も上がるため、長時間の上に重労働となってきました。
もや現代の若者が手を出せる代物ではなく、
そういった労働環境を意に介さない前時代的な変人しか担えなくなってしまいました。
この店には幸運にも二人の変人がいました。
最高の一杯を提供し、お客様に喜んでいただくためならなんでもできる二人でした。
しかし皮肉にも仕事の量と質は天井知らずに上がり、
我々二人以降誰も新規で仕事を覚える人材は現れませんでした。
とはいえ、質の向上と比例してお客様が増えるわけでもなく、
北山に支払える給料も上限を迎え、私から彼に与えてあげられるものもなくなりました。
そんな折、北山から独立の相談を受けました。
潮時と判断しました。
相談を受けたのは1年前ですが、彼に退職金を支払ってあげられるだけの蓄えもなく、
2年の猶予をもらいました。
本来であれば、そこから2年もモチベーションを維持するのは非常に困難であり、
無理な相談だったとは思うのですが、本当によくやってくれました。
現在提供しているメニューは私の新店舗でも北山の新店舗でも提供する予定はありません。
是非食べ納めてください。
当店には四季折々のメニューがございます。
年明けには定休日も週2日となり営業日も減ります。
お互い次の準備もありますので。
新天地では無理のない仕事の中で自分達の最高の一杯を提供していきたいと
平松・北山ともに志を同じくしております。
お世話になった常連様やお客様のご期待に添えなく本当に申し訳ないです。
足腰立たなくなるその瞬間までラーメン屋でありたいと願っております。
現状維持が不可能であることに加え、仕事自体の見直しが必要と考えました。
どうかご理解いただけますと幸いです。
残り一年ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。