オーロラ連発 2024年4月20日早朝 | やる時はやりまっせ!

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ニュージーランド南島クィーンズタウンで満天の星と赤色オーロラの撮影に人生を捧げております。同タイトルのホームページTOPを毎週移植

 

オーロラ連発 2024年4月20日早朝

 

 

そろそろ始まったかぁ、第25期太陽活動期の頂点へ向けてのカウントダウンが。

南半球のオーロラファンの皆様、こんばんわ。
こちらは南緯45度線が通るクィーンズタウンという街。8等星まで見えるという満天の星を有する小さなリゾート地ですが、夜にはこの様な真っ赤なオーロラが星空を占領してしまう事もあります。

時に2024年4月19日(金)。
NZニュージーランド時間の16時過ぎに、太陽風磁場の向きが地球と反対側の「南向き」になり始めました。

という事は地球の磁場の向きは「北向き」です。という事は、N極が南極側にあり、S極が北極側にあるわけです。皆様がお持ちの方位磁石(コンパス)ではN極が北を向きますよね。

という事は、そちら側にS極があるという事ですよね。そう北極側にあるのはN極ではなくS極。もし北極側にN極があるなら、NとNは反発するので、N極が北を向くわけがありません。

そう地球にある磁力線は、N極のある南極側から地表に出て来て、S極のある北極側に向かう訳です。これを「北向き」と呼びます。

そこに「南向きの太陽風磁場」がやって来たら、北向きの地球磁場に風穴が開き、そこに太陽風に含まれる電子が入り込んで来ます。

そして上空の酸素と衝突するとオーロラの色は緑色か赤色に。そして窒素と衝突すると最下段のピンク色、そして最上段の2色である紫色と青色を発光します。

オーロラは地平高度80キロ付近のピンク色を初め、600キロの青色まで5原色が出現します。

この写真は3台のカメラを各々三脚に載せタイムラプス撮影を開始後、トリとして旗艦機であるニコンZ6IIの天体改造機を設置し撮った一枚目の画像です。早い話「テストショット」です。

時間は何と午前3時39分。月没時間が午前3時12分だったので、まあ妥当な所でしょう。土曜日は仕事も休みやし。

湖岸に2台の三脚が写っていますが、左手が天体改造 Canon EOS Kiss X7i SEO-SP4 に Sigma 10mm F2.8 のコンビで、右手に湖岸の真っ黒な石でその存在が判り難いのが、同じく天体改造 Canon EOS 6D SEO-SP4 に Samyang 20mm F1.8 を取り付けた物。

この Z6II の真横には3台目のカメラである Sony α7RIII に Sigma 24-70mm F2.8 DG DN のコンビが立っています。計4台のカメラで狙っています。

ちなみにこの場所、2022年7月末に世界の果てまでイッテQでガンバレルーヤのお二人とファーストショットをご一緒した地点であります。よっちゃん、まひるちゃん、元気?

 

 

 

 

 

 

時間は午前4時15分をまわりました。日付は2024年4月20日(土)です。

依然激しく赤いオーロラの乱舞が続いていましたが、天頂付近まで赤かったオーロラが一段落して、通常の天の川の姿が見えてきました。

そこで天の川銀河の中心と射手座、そして逆さまのさそり座をも一網打尽にするべく、レンズをいつもの TTArtisan 11mm F2.8 Fisheye に換えます。

写真右上に黄色くて明るい星がご覧頂けると思いますが、これが1等星アンタレス。決して赤い星ではありません。

筆者が小学生の頃は、工場煤煙やディーゼル車から排出される排気ガス、いわゆるPM2.5に紫外線が当たり発生する発癌性物質「光化学スモッグ」の影響で、このアンタレスはその色を赤く変えていました。

ところが水半球のほぼ中心に位置するニュージーランドでは、このPM2.5は海洋にて濾され、快晴時の夕日の色は「真っ白」というのを何度も連呼しております。

この影響もあってアンタレスやオリオン座の1等星ベテルギウスは、そのままの色である黄色を我々に見せてくれています。

シリウスでさえ黄色く見えていたのに耐えられず、筆者は14歳の時に空気の綺麗な南半球に移住する事を心に決めます。

その時には未だクィーンズタウンでオーロラが頻繁に見られる事を全く知りませんでしたが。

さて写真の解説ですが、実は上から1/3は北の空なんです。そう11mm対角魚眼レンズで撮影しているために、湖をこれだけ沢山入れて撮っても、最上段は北の空の高度45度程度まで写っている事になります。

対角魚眼レンズは最も好きなレンズの一つです。

このレンズを2万円強で買えるのは、この上なくラッキーであります。そう言えば、最近日本でのレンズ価格ですが、世界よりも数十%高いのは何故ですか?

過去30年もお給料が横這いの国なのに、ちょっとおかしな事になってますね。

 

 

 

 

 

 

そして時間は流れ、午前5時を過ぎ、天文薄明時間が気になって来ます。

まあそれでも薄明開始後25分程度はオーロラの撮影が出来るので、この日は午前6時13分を持って撤収開始と踏んでいました。

自宅を出発したのが午前3時前だったので、実質の撮影時間はたったの3時間。それでも朝方は露が降りる時期なので、しっかりとレンズヒーターを巻きます。

この日は4台のカメラを立てたので、レンズヒーターもモバイルバッテリーも4つずつ。最初から巻いておきます。それでもこの EOS 6D + Samyang 20mm は開始5分でレンズの一部が結露したみたいで、途中で除去された様子が残っていました。

レンズフードが邪魔で、レンズを温めるのに苦労する状況がある様です。今後の勉強にさせて貰いました。

この写真を撮った時はレンズヒーターのお陰で曇りは除去されていましたが、時間は何と朝5時42分。天文薄明開始が5時48分なので、空が白み始めて来る6分前という事になります。

ただこのワカティプ湖の海抜が310mなので、若しかしたら薄明終了と同時の撮影だったかもしれません。

薄明前後に顕著に出現する紫色オーロラが希望通りに出現してくれました。


今日も前回に引き続き3枚の写真をご覧頂きましたが、同一夜に出現したオーロラとは思えない個性的なものとなりました。

非改造カメラである Sony α7RIII もタイムラプスを撮ってありますが、どれも非改造カメラの欠点である「赤色オーロラの透過率40%程度」の影響を受け、改造カメラで撮ったものとは比較にならない程「貧弱」なことから、今回は展示をやめました。

皆様もお忙しいでしょうから、貧弱な写真をお見せしたくはないですからね。やはり天体用に改造したカメラでないと、この赤いオーロラには太刀打ち出来ませんよ。

山の上に写っている南天最大の赤色星雲エータカリーナなんて、薄紫色に写ってますからね。赤色星雲の透過率は20%前後と言われてますから、ホンマは撮る気になりませんよ。昼専用としてくくってます。