2021年1月25日の夕暮れ時、と言ってもここは緯度が高く、NZの西に位置している事から22時過ぎの話なのだが、スマホのお知らせ音が「ピン」と鳴った。
そうオーロラが出そうになったらお知らせしてくれるサービスなんてのがある。
太陽風速度、太陽風磁場の向き、天文薄明の終了時間、気象衛星ひまわりの連続写真等をチェックすると、雲が覆いながらも、もしかしたら撮影出来るかも知れないという事で自宅を出動。すぐ近所の周辺を見渡せる場所にて停車。エンジンを切った。
雲が接近している。
案の定、筆者の天気予報が当たってしまい、天文薄明が終わる頃には雲に覆われてしまった。
上はNASAの宇宙天気予報サイトで見られるオーロラ帯の予想図になりますが、世界標準時で1月25日午前9時57分はNZ時間の25日午後22時57分には左上にあるニュージーランドにオーロラ帯が掛かっています。
しかし、未だ空は明るくてオーロラは撮れませんでした。明らかにオーロラ帯がクィーンズタウン上空までやって来ている事を物語っています。
その後に徐々に暗くなっては来たものの、徐々に雲に覆われて万事休す。24時40分には帰宅して、この文章を打ち込んでいます。
この図を良く見て下さい。何か気付く事はありませんか?
①オーロラ帯の中心は南極点ではない
②オーロラ帯は左端のオーストラリアと左上のニュージーランド方面にズレて出現している
③地理上の南極点上空にオーロラ帯が掛かっている
以上3点を覚えられましたら、次の北半球の写真をご覧下さい。
さてこちらが北極点の真上から俯瞰的に地球を見た図になります。先程ご案内した3点を考慮し、オーロラ帯の場所を良くご覧下さい。
図は下半分にアメリカ大陸。左上に逆さまの日本。そして真上にユーラシア大陸で右上にヨーロッパ・アフリカ大陸が位置しています。
先ずはオーロラ帯の中心がどの辺りになるかを確認したいと思います。どう考えてもグリーンランドの左肩辺りであり、決して北極点が中心ではないです。
また興味深いのは、オーロラ帯が北極点に掛かっていない事です。そしてオーロラはやや北米大陸方面にズレていませんか?
そうこれが日本は北海道最北端でもオーロラが殆ど見えない理由になります。そして南北両極でオーロラ帯の極点からのズレ具合が大きく違う事も分かります。
そうオーストラリアはタスマニア島や、ニュージーランド南端地区はオーロラ帯が寄って来ており、また夕日が白いまま沈む程の空気の美しさ故に、NZ南端部に位置するクィーンズタウンは度々オーロラが出現します。
まあ今日みたいに天気が崩れたらどうしようもありませんが。
この南北のズレは地球磁場が複雑な形をしているからに他なりません。南北で非対称の磁力線が見えて来そうです。
あっそうそう、海外のサイトでアルゼンチンやチリ南端部でオーロラが頻繁に見られるようなデマを書いているものが結構ありますが、自分で確認もせずに、その辺のサイトからパクった情報でブログやサイトを構築している輩がホンマに多いので御注意を。
一枚目の図を見たら南米は残念ながらオーロラ帯から遠い場所である事が分かりますね。アルゼンチンやチリ南端部は、日本と同様で10年間で数回のオーロラ撮影が出来るレベルだと言われており、肉眼で見えるレベルだと数十年に一度のレベルです。
なので寒いですが、北米や欧州に行くしかないのです。ああちなみにニュージーランドは夏なので、半袖でオーロラの撮影に出向きました。そうオーロラは気温は関係ありません。太陽風エネルギーと酸素、ないしは窒素との衝突発光です。