JR乗り放題の旅・2024 6日目

2025年3月も4週目に入ろうとしておりますが、日本の皆様におかれては、そろそろ花見の準備を始めた方もおられるかと。ここニュージーランド南島は依然半袖で過ごしており、芝刈りを含む庭仕事をすると薄っすら汗をかいています。
庭だけで45坪(約150平方メートル)もあるので、芝の手入れも結構大変です。これでもNZの一軒家としては狭い方なので、まだ助かっています。
前置きはさておき、今日は昨年2024年の休暇旅行で日本を鉄路周遊した時の、その6日目の様子をご覧頂きたいと思います。ジャパンレールパスというJR乗り放題切符のグリーン車用7日券を利用しています。
これまでに
1日目 新大阪→小倉→大分→宮崎→国分
2日目 国分→鹿児島中央→博多→武雄温泉→長崎→武雄温泉→新鳥栖→博多
3日目 博多→広島→岡山→丸亀→岡山→新大阪→敦賀→福井
4日目 福井→新高岡→高岡→氷見→雨晴→高岡→新高岡→大宮→七戸十和田→十和田市
5日目 十和田市→七戸十和田→新青森→新函館北斗→札幌
と進み、6日目の今回は
6日目 札幌→小樽→倶知安→長万部→函館
北海道新幹線が全通すると、この「山線」と呼ばれる区間が廃止になるそうなので、その前に伺っておきました。かと言って、その全通が2038年度末、いわゆる2039年の春に延期になったそうですが、筆者がそれまで生きているかも分かりませんし、今後海外在住日本人がジャパンレールパスを購入出来るかどうかも分かりませんので。
先ずは滞在先のすすきのから地下鉄に乗り札幌駅へ向かいました。地下鉄の札幌駅とJR札幌駅は結構離れているので、想像よりも早めの地下鉄に乗らなければなりません。
そして札幌駅を07時14分に出発する小樽行きに乗ります。午前中の目的地である倶知安(くっちゃん)への第一歩です。5時台に起きたので眠いです。


小樽駅で山線走破のH100型列車に乗り換えますが、なんと小樽行きの列車内で熟睡中。同乗の男性が筆者を起こして下さりましたが時既に遅し。倶知安行きのH100系は既に大混雑。
何とか最前列の「かぶりつき」にポジショニング出来ましたが、当然1時間17分間ずっと立ちっぱなし決定。お陰で9時23分の倶知安到着までずっと景色を楽しむ事が出来ました。運転席と境界にあるガラスにスマホを押し当てて前方の撮影も。
しかし、扉近くに陣取っていたお陰で、倶知安駅での下車は有利になりTOPで改札を通過出来ました。そのまま観光案内所に直行。電動レンタサイクルを申し込みました。
多くの方が自転車を借りるだろうと思い、TOPで改札を通ったのに、いつまで経っても誰も来ません。結局自転車を借りるのに十数分かかったのですが、筆者以外に観光局の女性に声をかけた方は誰もいませんでした。
倶知安行きの列車に乗車している人の殆どが東アジアのインバウンド客でしたが、彼等は駅前観光が専門である事は有名な話。
先日札幌と小樽の間で列車に跳ねられた中国からの女性の様に、駅から歩いて行ける観光名所にしか足を延ばしません。ですので観光案内書には何の用もないのです。
筆者は写真の羊蹄山+芝桜以外にも、「水田に写る逆さ羊蹄山」も狙っていたので、レンタサイクルは必然。
上の芝桜は倶知安駅から北西方面に歩いて1.2キロメートルの所にある「三島さんの芝桜」です。一般の個人男性が長年植え続けておられるモノで、観光客は無料で彼の庭に入っていけるという太っ腹な方です。
ジャパンレールパスを利用した日本一周旅行は、毎回北海道から攻めていましたが、この年は「この芝桜」の開花に合わせ、先に九州に伺いました。
写真は Sony α7RIII に Sigma 24-70mm F2.8 DG DN を取り付け、ISO 50、1/320、F8、CPL偏光フィルター、非圧縮RAWで撮ったものをRAW現像したモノです。
芝桜と青空の色を鮮やかに撮るにはCPL偏光フィルターの使用は不可欠です。この日は訪問時間が限られていたので、空にはフィルターの効果が及びませんでしたが。

芝桜の撮影に思ったよりも時間をかけてしまい、このままでは「逆さ羊蹄山」を撮れないと思い、電動レンタサイクルを解錠して駅の東方に漕ぎ始めました。
駅から6キロほど進んだところにある水田の畦道にお邪魔しますが、生憎風が強くて水田の水面が波打っています。長万部行きの列車の出発時間を考慮しながら、時間ギリギリまで待ってみましたが風は納まらず。
残念ながら、水田に写る逆さ羊蹄山を撮る事は出来ませんでした。写真はレンズに Laowa 10mm F2.8 FF Zero-D を使い撮ったものです。このレンズ、意外と使い道がある事に気が付き、それ以降はこのレンズだけで一日の3割を撮っていた気がします。
田植えが終っている場所が中々見つからず、結構遠くまで来てしまいました。次の列車の出発が12時35分だったので、昼食を手に入れる時間も考慮し、逆さ羊蹄山を諦めて自転車を漕ぎ始めました。
予てからの計画通りに駅横にあるCOOPでランチを買おうと思っていたのですが、思ったよりも早くに駅前に着いたので、再度「三島さんの芝桜」に伺いました。
しかし、羊蹄山に低い雲がかかっており早々にCOOPに伺いました。
逆さ羊蹄山はいずれリベンジという事でレンタサイクルをお返しし、ギリギリで長万部行きの列車に乗りました。しかし、席数が少ないので今回もずっと立っていました。乗車率はほぼ100%で、バスの運転手も年々少なくなっている事から山線の廃止は必然では無くなって来ると思いました。



車内を撮った写真をご覧頂きたいのですが、終点(北海道では終着)の長万部寸前では殆どの乗客が座っていました。実は倶知安駅を出た時は立っている乗客ばかりだったのですが、ニセコ駅でインバウンド客がほぼ全員下車し、蘭越駅でジモティも下車しました。
そう蘭越駅以南、長万部駅間の乗客はほぼ日本人だけだったのです。それでも空席は見当たりません。
14時11分に長万部駅に着き、次の列車である特急北斗12号の出発時間までは26分しかなく、駅橋からの景色撮影と缶コーヒーを飲んで過ごしました。
駅のホームで乗って来たH100型気動車を入れて新幹線が通るエリアを一緒に撮ってみました。が、未だに工事は始めっておらずに草木がボーボー生えていました。
倶知安駅の方が工事が進んでおり、倶知安が焦っていると感じざるを得ませんでした。なんせ北海道新幹線の全通が2039年春にズレ込んだのですから。
定刻時間に特急北斗12号は到着し、久しぶりにグリーン車に陣取りました。函館までは1時間31分の移動です。


好天の中で函館入りが出来、この後に待ち受けている函館山山頂での夜景撮影もスムースに行く予感が沸いて来ました。
特急北斗号は全車261系ディーゼル車両に変更になり、グリーン席も特急宗谷と同じ青色の座席に統一されました。確かスウェーデン国鉄との共同開発でしたっけ。
281系や283系時代のグリーン車の通路にはS字コーナーがあり、グリーン車のグレードがさらに上がっていたと感じていましたが、終期では座席が破れていたりと、修繕も交換もしないJR北海道は「日本の恥さらし」状態だったんです。
札幌~函館を3時間30分で結んでいた時代から特急北斗(当時はスーパー北斗)に乗っていましたが、最高速を10キロ下げた頃から逆に列車の揺れが気になるようになり、「この会社、大丈夫か」と心配になるレベル。
調べてみると、それがジモティの特質だと判明。日本の南北両端は「似た者同志」だと思い苦笑しました。
なので、北海道新幹線が日本初の新幹線大事故を起こさないかと心配しています。そうならないように、大泉市長を初めとして、人民の感性を変えていかねばならないと感じずにはいられません。
札幌の上層部は「宇宙人並みの異感性を持ち合わせている」ので、出来れば新幹線には口出しして貰いたくないのが本音です。
新幹線のプラットホームが来る場所に高いビルを立てた頃から、「おいおい何を考えてねん」と思っていました。そこで筆者は「そっか、札幌駅ホームの上に新幹線ホームを増築するんか」と納得してさせていました。
しかし、その様な話は一向に出て来ません。業を煮やし札幌市にメールを送り「なぜ現ホームの上に新幹線駅を増築しないのか」と尋ねました。すると、「その様な構造にはなっていない」と。
後日調べてみると、札幌民は「札幌に新幹線が来るわけがない」との理由で、新幹線のホームになるで有ろう場所に高層ビルを建て、現ホーム上部を増築出来る様にはせずに駅を高架化したのだそうです。
ねっ、感性が全く違うでしょ?日本ハム・ファイターズさんもそれで苦労した話は有名です。
写真は長万部から乗って来た特急北斗12号と、函館山展望台の最前列に陣取れた時に SONY RX100M2 で撮ったRAWでのテストショットです。

予め「極寒」になる事を見越して、展望台にはオーロラ・天体撮影で着用する分厚いフーディを持参しており、現地到着後は走って暑かったので、その後に腕を通しました。殆どの方が寒さで震えている中、筆者だけが真冬の伊手達でポカポカ。
しかし、函館駅前を17時00分に出発する500円バスの始発に乗って、まさか最前列に陣取れるとは思ってもいませんでした。最悪、ビールでも飲みながらレストランかラウンジの窓越しに夜景を撮る積もりでおりました。
また17時30分頃に山頂バス停で下車する際、展望台で出来るだけGOODポジションを確保する為に、バス車内では一切座らずに最前列の出口付近に立っておりました。
ところがこの500円バスですが、函館山までのワインディングロードで結構な全方向Gの負荷がかかりますので、立っている方はそれなりの覚悟が必要です。それでも展望台で良い撮影地を確保するには、バスの乗車時から戦いが始まっている事をお忘れなく。
筆者は3番目に下車しましたが、この展望台は初めてじゃないので道順を知っており、先に下車したお二人を速攻で追い抜き、小走りで展望台への階段を上りました。還暦直前のオッサン、やる時はやりまっせ(笑)。
既に展望台は多くの人でごった返しているのかと思いきや、ところがほぼ誰もいません。走って階段を駆け上がって損した(笑)。だってまだまだ明るいんだも~ん、てな感じ
お陰で最前列のベストポジションを確保出来、早速焦点距離を如何ほどにするかをテストしていきます。ソニーRX100M2も取り出してテスト撮影に加えます。
結局50mmレンズでは長過ぎ、選んだのがズームレンズの42ミリとなりました。ISO感度で悩みましたが、恐らく50まで下げるとF8まで絞った際に「30秒露出でも足りないだろう」と思い100にしました。そしてタイムラプス撮影を開始し、ブルモーメントへ突入。
タイムラプス撮影と並行し、「スマホの手持ち撮影」がどれだけ無駄なのかを検証してみました。スマホで撮影をしていると、後ろに陣取った女性から声を掛けられます。「何故そんなに綺麗に撮れるのですか?」と。
筆者所有のスマホは4Kで動画が録れる GalaxyのA52S 5G という機種。撮影モードを「プロモード」にし、ホワイトバランスをマニュアルで調整しながら撮っていたら、ご自身の写真と明らかに違う像が写っているので悩んでおられたそう。
そうこの様な夜景の撮影では、マニュアルでの撮影とホワイトバランスの調整が重要になって来ます。まさかAWB、いわゆる「オートホワイトバランス」を使っていませんよね?その女性にプロモードに変更し、「AWB」を止めてマニュアルで変更して下さいと申しましたが、どうも変更方法がお分かりにならない様子。
しかし、気が付くと展望台はインバウンド客でごった返しており、筆者の三脚にも魔の手が。いや魔の足が。生憎ふり返って女性に変更方法を教えて差し上げられませんでした。
上の写真は SONY α7RIII に毎度の Sigma 24-70mm F2.8 DG DNを装着し、 ISO 100、露出25秒、絞りF8、焦点距離41.8mm、非圧縮RAW、Kase Clip-in Neutral Night Filter での撮影です。撮影したのが19時40分なので、バスを下車した2時間10分後という事になります。皆さんもブルーモーメント時に最前列に陣取れ!

NZに帰国して、スマホで撮影した夜景写真をチェックしましたが、やはりどれも使い物になりません。やはり非圧縮RAWで撮影した写真との差は歴然過ぎ、夜景や星はスマホで撮っても無駄だと悟りました。
そりゃそうです、スマホで撮った写真の容量は2.6MBなのに、フルサイズカメラの非圧縮RAWで撮った写真容量は82.7MBもあります。まあその女性にマニュアルでホワイトバランスを調整する必要がある事を伝えられただけでも御の字だったでしょうか?
しかし、撮影中は後ろからプッシュされまくりました。ほぼ100%がスマホの手持ちです。中には「自撮り棒」を使っている人もいます。有り得ん。言葉が通じなかった事からインバウンド客で間違いないでしょう。
そう、彼等も本国に戻り、函館山で撮影した写真を見て超落胆し、何のために「押し合いへし合い」「極寒で芯まで冷えた」のかと後悔している事でしょう。
早い話、函館山展望台に「三脚ナシ」「スマホの手持ち撮影」でお越しになっている方の殆どが無駄足と言わざるを得ない訳です。
それで「あんな狭い場所にごった返し」「寒さで死にそう」な状態を作っている張本人だと言えるでしょう。
ただ筆者は「最近の iPhone は結構撮れる」事を知っております。しかし、手持ちはダメです。何故なら露出時間を短くしなければブレる為、ISO感度をメッチャ上げなくてはなりません。iphoneと言えども、ISO感度を上げらた意味がありません。緑、赤、青色のノイズだらけの「見るに絶えない写真」になってしまいます。
センサーサイズが縦も横も数ミリしかないスマホでは低感度撮影が原則。そうそんな機材で三脚を使わない手持ち撮影は時間の無駄です。ただ函館山の夜景撮影では最前列以外の場所で三脚を立てるのはほぼ不可能。前述の通り、レストランかラウンジで何かを注文し、ガラス越しの撮影が関の山です。
しかし、ガラス越しの撮影は背景の明かりが写り込むので、カメラの背後に一辺1メートル程の黒い遮光物を立てるか、ガラスにレンズをピタっと当てて撮る必要があります。筆者は、大口径レンズにゴム製の大きな黒いフードを取り付けて、背景の明かりが写り込まないように自作しています。
写真は冷えた身体を温めるべく伺った函館駅横に新しく出来ていた居酒屋で頂いたものです。500円バスを降りて速攻で伺いました。時間は21時頃でしたので閉店まで1時間ほどしかありませんしね。
さてJR乗り放題の旅2024も最終日7日目を残すだけとなりました。その行程は仙台で牛タンランチを食べ、新しいE8系新幹線に乗るために態々山形を往復、最後は上越新幹線で新潟に参り、「バスターミナルのカレーライス」を食べに行きました。お楽しみに。
現在今年2025年のグリーン車乗り放題2週間の旅、その行程を吟味しており、実は既にホームページ上にアップロードしてあります。後日ご紹介します。