天の川 vs 真っ赤なオーロラ | やる時はやりまっせ!

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ニュージーランド南島クィーンズタウンで満天の星と赤色オーロラの撮影に人生を捧げております。同タイトルのホームページTOPを毎週移植

 

2021年5月13日に日付が変わった途端、山の裏が明るくなって来たのでお客様の目の前で取り合えず一枚パチリ。スターウォッチングツアーのエンディングトークをしている時でした。

 

すると既に赤色と山吹色のオーロラに覆い尽くされているではありませんか。

 

お客様をホテルにお連れし、帰宅することなく一目散に同じ観測地へ。ホンマは給油したかったんですが、念の為に撮影道具を積んでおいたのと、ネットでチェックすると太陽風磁場の向きを表すBzの値がマイナス20nTという、かなり大きな数値を示している事から慌てて観測地へ戻りました。

 

詳しく調べると、磁場の南向きが大きくなり始めたのは22時35分頃からで、太陽風速度が秒速470km程度。この速度だとオーロラの出始めまでは90分ほどなので、まさにグッドタイミング。

 

速攻で三脚を3台立て、カメラを4台載せました。うち2台はタイムラプス用で、天体改造と非改造カメラ1台ずつ。そしてSONY α7SIIで動画撮影し、この写真は天体改造EOS 6D SEO-SP4で構図やレンズを替えながらの撮影です。

 

まだα7RIIIのRAWは触れていないのですが、この赤色がどこまで写っているのやら。

 

 

 

 

12分後にはやや終息気味となりましたが、ここで気が付きます。

 

そう赤いオーロラは上層と下層の2つが写っており、その間に空間がある事が見て取れます。早い話、上層の赤いオーロラがまるで「虹」の様になっている訳です。

 

この手のオーロラは珍しく、しかも肉眼では赤色にも白色にも見えていません。撮影して初めて気が付いた次第です。まあ天の川の光が眩しいので気が付かなかったという言い方も出来るとは思いますが、それにしても天頂に達する様な赤いオーロラのアーチに覆われた南天の星空になりました。

 

この赤色オーロラに、エータカリーナ星雲もガム星雲も覆われてしまい、いつもはアクセントになる両赤色星雲が脇役になってしまいました。改造カメラで撮るので、赤色星雲も赤色オーロラもバッチリ写ります。

 

このオーロラを出現させた源は、3日前の5月9日に太陽の南半球側で発生したフィラメントの噴出でした。関係各位は早めに衝撃波が地球に到来したのに驚かれていました。

 

新月期の雲一つない晴天の夜に、タイミング良く太陽から宇宙ガスやって来た感じでした。

 

午前2時30分頃には太陽風磁場の南向きも終わり、約90分後の4時過ぎまで撮っていました。ちなみに3時13~18分頃にも大きなのが出たのですが、その際は動画撮影に集中してました。近々Youtubeにアップ出来たらと思っています。

 

気温はマイナス2度。車のフロント窓が凍り付き、現地出発まで時間を要しました。寒かったです。来月末にはゲレンデで滑ってますからね。