こんにちは、ストレスレスな育児論を伝える現役保育士のかなりんです。
4月になりました!
私は転職した園で二歳児の担任になりました。
昨日は入園・進級式だったのですが、そこで保護者向けの講演会があり、新入社員の私もお話を聞く機会に恵まれました。
そこで講師の先生がお話ししていたことが、2歳児にぴったりだったので一緒に共有させてください。
2歳児は「イヤイヤ期」と呼ばれ、何をするにもやらせるにも大変な時期とネガティブに捉えがちです。
でも、2歳の子どもは大人とは違う論理で動いていることを理解すると、関わり方も変わるのではないでしょうかというお話でした。
上記の記事より引用
2歳児とは、考えてから行動するのではなく、行動しながら考え、大きな目的ではなく、小さな楽しみをつなぎ合わせて過ごす人たちなのです。
例えば、散歩に行っても、すぐ「こんな所につくしんぼがある」と長い時間触って楽しんだ後、「アリがいる」と気づいて座り込んでじーっと見る。
その最中に大人が早く目的地に行こうよと引っ張ると、泣いて嫌がるでしょう。
好きなことを好きなだけやればいいと思います。
ブラブラ期と呼べば、大人がイヤイヤをどう封じるかという消極的な対処ではなく、どう子どもをブラブラさせるかと積極的に考えられるのではないでしょうか。
↑上記リンクより引用(赤字は私がつけました)
大人は”目的”をもって考えながら行動します。
散歩は目的地に着くために、みんなで一緒に歩けるように、安全に子どもを目的地に連れていけるように
保育者や保護者は考えながら行動しています。
一方、子どもは違うのです。
散歩は散歩であって、何かのためのものじゃない。
散歩の途中で、何か気にかかるものがあったら、そこに全神経を持っていかれます。
ありの巣であったり、ちょうちょであったり、空を飛ぶ飛行機の音だったり・・・
立ち止まって、その子の世界はそれに占領されてしまいます。
何か気になることがあったらUターンすることもあるかもしれません。
それが子どもの世界のすべてなのです。
ちょうど先日そんなことがありました。
1,2歳児で合同でお散歩に行くのですが
わっかを握って、お友達と手を繋いで、お散歩に行きます。
こんなイメージ
どこの保育園でも見かける光景です。
このわっかを握って車通りの少ない歩道を歩いていたのですが
ふと脇の草むらの穴からアリが忙しく出たり入ったりする様子に気を取られたYちゃん。
わっかから手を放し、その場にしゃがみこんでアリの様子を観察しはじめました。
先導する先生は「わっかから手を放しちゃだめよ。出発しますよ!」と注意します。
ですが、その子はしゃがみこんでアリから目をは放しません。
その子の世界がまるでアリに占領されてしまったみたいです。
ちょうど園長先生が一緒に歩いてくださっていました。
その子は散歩の列から外れ、園長先生と一緒にしばらくアリの観察をして
気が済んだようで、すぐに列に追いついて、リングを持ち一緒に散歩に参加することができました。
この時のエピソードがまさに
2歳児はブラブラ期
だったのです。
そして思いました。
わざわざ、車の危険のある道路に出かけて、一列になってお散歩をするよりも
この時期の子どもたちは、安全安心な場所で、自由にブラブラする時間を確保してあげるようが大切なのではないか、と。
もちろん、緊急時のために、列になって道路を歩く経験は積んでおいたほうが良いとは思うので
散歩を全くなくすということも違うと考えています。
ですが、散歩が「ただ列になって歩く」だけになってしまっていたら
その散歩は考えなおす必要があるなと思ったのです。
以前パートとして勤めていた公立の園で、2歳児クラスの補助に入ったことがあります。
そのとき「お散歩に行くよ~」と先生が言った後、
二歳の男の子が私に向かって「ねぇ、あそべる?」と聞いてきたのです。
お散歩はきちんと列になって歩くことであって、その子にとって遊びではなかったのです。
そのとき、はっとしました。
なので、担任の先生にその子の言葉を伝えて、お散歩を短くしてもらい園庭での遊びの時間を取ってもらいました。
2歳児にとってお散歩は仕事、義務。
自分で自由に「ブラブラする」時間が必要だったのです。
私が子どものころはまだ道路で子どもがわんさか遊べる環境でした。
お散歩もブラブラしながらできる環境だったのかもしれません。
今は交通量が増え、道路で遊ぶ子供の姿がなくなりました。
きちんと、気を付けて歩かないといけなくなってしまいました。
だからこそ、園庭や公園などの子どもにとっての安心安全な場所の必要性が高まっているのかもしれません。
子どもが好きなだけブラブラできる環境が増えますように。
そして子どもを好きなだけブラブラさせてあげることの大切さを
多くの保育者や保護者が理解していけますように。
子どもの幸せを保証してあげる社会に
してあげたいと年度の始めに強く思いました。
マンホールのふたも子どもにとっては気になるおもちゃ
子どもは世界の研究者です
思う存分、観察、研究させてあげたいと思います