アルスラーン戦記 97 | 大掴ひつじ物語

大掴ひつじ物語

たいへん狭い範囲の非常に分類しにくいうえによく途中で切れている記事置き場

船長グラーゼ氏は鯨に飲まれたとか14回

難破したとか海賊とは100回以上戦った

とかおよそ海の上で自分ほど危険な目に

遭ったはおりませんぜとか言ってる。

「あの者の口がまわることといったら海の

ラジェンドラ(*敬称略)ではないか」という

黒騎士に「あのような御仁はシンドゥラに

しかいないと思ってました」とか感心する

ジャスワントだがその御仁:現国王陛下

ついて自国民が発していいコメントではない

多分。

ただ、このところ色々忙しかった殿下含め

子供たちがとても楽しそうに聞いている

ので気分転換に良いでしょうとかいう

和やかな一コマ。

 

一方で旧友との再会が大変ヒリついた

ことになってるナルサス 卿。

昔は人類皆平等:奴隷解放を熱く語り合った

らしいのに、そういうのは もういらん

ねんという芸風の変化があったらしい

シャガード。 奴隷はモノを考えないし、

慈悲深い主人に使われたほうが奴らも幸せ

なんだよとまあ定番の理屈を聞き流しつつ、

自分自身の失敗エピソードを苦く思い起こす

ナルサス。

成功例としてペシャワールの件を上げても、

「キシュワードはこれから奴隷なしで辺境の

仕事を回さなければならんのにご苦労な

こった」と「そういえば」的なところをけっこう

鋭く突いてきた。奴隷を自立させるとしてそれに

かかる費用はどうするんだ俺が払うと思った

というところで、もう話にならんと出てきた

らしい。

「友は昔の友ならずか」、「そもそも殿下に

仕えるために山を出るときお前をここに

預けるつもりだったがそうしなくてよかった」

息まくナルサスの代わりのように俯くエラム。

そんな二人に「仕込みが上手くいったよ」と

アルフリードが笑顔で駆け寄る。 

 

場面変わってギラン総督宅。 ペラギウス氏が

「絹の国のおみやげ(意味深)」が到着する

のをハナの下をのばして待機中。

王太子ご一行は海賊退治とかでしばらく来ない

みたいだし、あいつらこそ自分の楽園(笑)

荒らす盗賊だし王都なんかどうなったって

かまわんし、何かあったら財宝抱えて国外に

逃げればいいやとあらためて勝手な計画

立てているところへ到着した黒髪の美女。

そのお姿を見て読者が「・・ああ(察し)」

思っているところへ、何か適当な褒め言葉を

ホザきつつ抱き着こうとしたペラギウス氏の

けっこうな巨体を華麗な足払いで床に沈めて

みせる。背中からひっくり返った総督を

ちゃっちゃと手早く拘束したのは従者に為り

すましたジャスワントと美女:ファランギース様。

事態に気づき「私が何をしたというのだ!」と

この場では割とまっとうな抗議をするギラン

総督氏に対しては

「何かしでかしてからでは遅いのでな。我が

軍師どのは先手を打つのがお好きじゃ 」

こちらも理屈になってないが説得力のある?

言い分で叩き返す。

間髪入れずに王太子殿下が到着、「総督殿

貯めこんだ全財産を王太子府に寄付してくれる

そうです」という本人一言もしゃべって

ない内に恭しい報告がなされ、その秘密金庫の

鍵はギーヴさんが既に入手という流れるような

段取り。その件について「どうやったの」

問われて「女中をたらしこんだよ」と顔色一つ

変えずまじめにおっしゃるので。戦場に

おいては天下無双の勇者であるところの黒騎士

ダリューン卿が

「おぬし・・・まことに役に立つ男だな」

冷や汗かいてるのがいい味出してる。

 

結構な額になるだろう隠し財産について、

「これはその、商人たちが勝手に持ってくる

のでえ、勝手に貯まっていくのでええ、お許し

くださいいい」とか大声で言い訳してるのに、

王太子ご一行はともかくその場で聞いてる

総督府の職員らしい人たちもドン引きしてる

のが草生える。

だいたい自分たちの上司が無体な(笑)真似を

されてるのに助けるでもなく突っ立って

ぼうっと見てただけだし。あまり慕われて

なかった様子が地味~に描かれていると。

「合法で貯めてた分は残してやってもいいの

では」と、ここでも笑顔で温情をかける王太子

殿下の言葉で「金貨1万枚」が残されることに

なったが、全財産から考えると目減り感がぬぐえ

ないのでまだ「・・・ええええ」と言い掛けた

ペラギウス氏だが

「これで逆恨みするようなら永遠に金貨が

いらぬようにしてやるぞ

黒騎士からその方法目で見てわかりやすく

説明されたため。口では「感謝いたしますううう」

不満でも言うしかなかったらしい。

 

 一夜明け。「総督が追放された」「王太子府が

設置されます」という一報を聞きつけても市民

からすれば「へえ、そうなの」「王太子って

来てるんだ」とゆるーい感じ。

総督が貯めこんだなかなかの金銀財宝を

チェックしつつ「アハーバック」という伝説の

海賊が話題に。金貨だけで一億枚という

ペラギウスの隠し財産がはした金に思える

その莫大な「秘宝」について。

・・・それはまあ噂話としてスルーしつつ。

先にでた3日で片づけるという海賊退治(まだ

終わってなかった)についての考えを披露する

ナルサス卿。

先日捕まえた賊の一人さんざんバカにした

うえでわざと逃がしこっちには船が無いから

あっちから来てもらうように仕向けたと今日も

たいへん楽しそう。

当然怒り狂った海賊の皆さんは速攻でお礼

参りに行く決定をするが、結構強気な理由と

して「陸には俺たちの味方がいる」という話

 

・・・まあだいたい見えてきますけどね・・。

 

グラーゼ氏はギランの商人組合とは

「海賊退治してくれるなら協力します」

いう一般商人を1日でまとめて多数連れてくる

など単に口先だけではない「実力」を示す場面も。