アルスラーン戦記 96 | 大掴ひつじ物語

大掴ひつじ物語

たいへん狭い範囲の非常に分類しにくいうえによく途中で切れている記事置き場

前回からの続き 。

海賊船に追われた商船が炎を上げてギランの

港に入ってくるのが見える。ところが周りの

船は特に慌てもせず、「あの船やられてる

なあ」、「助けにいく?」「でも今からじゃ

間に合わないっぽいしとりあえず様子見?

みたいな」という白けた空気。

総督ペラギウスも自分で今さっき言った状況が

そのまま展開されて逆にあわあわするばかり。

「すぐ軍船を出すべきです」と正しく進言する

アルスラーン殿下に「そんなもんありません」

フツーに言い訳し。「ほおおおお。確か海賊

から脅迫されているというお話

でしたが、そのわりに軍船の一つも準備

していないとおっしゃる。へえええええ」

ハナから本気にしていなかったがここまで

デマカセとは恐れ入る、という風情でツッコミが

さえ渡る宮廷画家(予定)。

そんな混乱の中、さすがにフットワーク軽い

ギーヴがまっさきに部屋を飛び出して「名前と

恩を売るチャンスですぞ」と不敵な笑み。

 

襲われている商船の上では今にも船に取り

付こうとする海賊相手に果敢に応戦する

船長氏が、堂々と見て見ぬふりしてる

らしいギラン市民の薄情さに歯ぎしりが

止まらない様子。

やっとこちらに向かう船を見つけたが、どう

見てもボロ漁船でしかも舳先にはが乗って

ぜ、どういうこと?とさらに大混乱。現場の

海賊もせせら笑っていたが、一番手前の海賊の

頭をすぱんと貫通する弓勢がその女性から

放たれたのに目を丸くする暇もなく、いきり立つ

海賊の前に降り立った黒衣の男が剣の一振りで

その場に居たぱっと見10人くらいの海賊を

五体三枚以上のパーツ(推定)にバラして見せ。

それ以降はそのボロ漁船のメンバー4人

一騎当千以上の働きをするのにひたすら感心し

「この頃の漁師って強いんだなあ」「ばかやろう

あんな漁師がいるかよ」ともめていた船長たち

だが次々弓を放つ女性(ファランギース様)を

うっとり見上げるモブを見逃さなかったぞ我々

読者は・。 

ほぼあっという間に3隻の海賊船を鎮圧して

見せたダリューン卿他3名。助けた商船の船長

グラーゼと知り合いに。彼がセリカ式の礼をして

見せたのでそれを指摘すると、母方がセリカ人、

世界諸国を回っているので20カ国の挨拶が

できると言い「悪口は30カ国語で言えるが

礼を言う言葉が一番美しいのはパルス語だ」と

なかなか詩的なことをおっしゃる。

ここで「船乗り」が仲間になったのでそれを

よしみに5万の兵士をまずここから集めよう

(意外に父王の手のついてない場所なので)

という話に。しかし当然というか「別に王都が占拠

されていても我々困ってないし、勝手に来た

(わけわからん)王子に組みするメリットがない」

と交易商人のみなさんはにべもない。

とはいえ、つい先刻自分たちが明らかに見殺し

しようとしたグラーゼ船長を救ったのは王太子

ご一同なのは確かであり。

その辺をやんわり、しかし激重口調で指摘

したナルサスに、長老たちが(しぶしぶ)頭を

寄せ集めて出たのが「海賊を一掃することが

できたら協力しよう」という話。

明らかに「できるわけないだろう」という

逃げの一手の意見だが、ここでも我らが日曜

軍師

「三日以内にギランを狙う海賊を一掃して

みせよう」と、いい笑顔。

「ほんまに大丈夫か」と味方になったばかりの

グラーゼさんも渋い顔に。 

そうだね。そのまっとうな反応が新鮮に見える。

 

そこで前回空振りだった、ナルサス卿のご学友:

シャガード氏から連絡が 。本当に久しぶりの

再会らしく一通り、変わらぬ友のような小粋

やりとりを交わす二人の様子に、うれしそうな

エラムの姿も和みポイント。

アトロパテネ陥落以降のこれまでの経緯を話し

「アルスラーン殿下のために力を貸して・・」

と言いかけるナルサスを遮るように場所を変え

ようと誘うシャガード氏。

小高い丘から見下ろした先に。広大なシャガード

邸の敷地でフツーに使役される大勢の奴隷

姿という現在のパルス国内でよく見かける

問題の光景が。

どういうことか、と厳しい表情で尋ねる

ナルサスに

「奴隷制度廃止など戯言もいいところだ」

暗い目で語る親友(だった男)

以下次号。