アルスラーン戦記 95 | 大掴ひつじ物語

大掴ひつじ物語

たいへん狭い範囲の非常に分類しにくいうえによく途中で切れている記事置き場

エラムの説明によると噂の人物:シャガード氏は

ナルサス氏の「遠い親戚筋」で具体的には彼の

父親の姉の夫の従兄弟の子息ぶっちゃけ

血はつながってないし、法事?でも集まるか

どうか微妙なかなり距離感のある間柄らしい。

しかし全く他人かというとそうでもない、

よんどころなく借金をたのみたいとか、こちらが

宝くじ高額当選したとかでもない限り浮上しない

縁だが、「奴隷解放制度廃止」については志を

同じくした仲だというふれこみ。ギランで邸宅を

構えているというのでまずそこへ向かうと「愛人と

一緒に出かけて不在」というアポなしとはいえ

堂々たる空振り展開。

それならと「総督府」を目指すことになるが

旅先からの着のみ着のままでは足元をみられ

ますという配慮から、まずは身なりその他を

整えるため市場へ。

 

エラムが兵数など調べてくるが、毎度思うけど

そんなんどこで聞いてくるの?市役所とか

行ったら教えてくれるの?「この都市の規模に

しては少ない」という話に、豪商などの

武装商船があるのではないかと見当をつける。

今後、殿下が即位すれば海周りの軍も必要に

なるしなと邪悪な顔ほくそ笑む軍師に「楽し

そうだなあ」と思う黒騎士とエラム(と読者)。

そこへアルフリードが服を2着持ってナルサスに

「どっちがいいかな」とおそらく男性陣にとって

かなりどうでもいい質問ベスト5には入る

内容の声をかける。案の定「どっちでもい・・」

と答えかけた彼に、アルフリードの背後から

守護霊というよりむしろスタンド級

禍々しいプレッシャーをかける女神官の姿が。

「これ、俺が判断しないといけないの?」

そなたのために時間をかけて選んでいた

のだぞ」というテレパシーを交わし、苦し紛れ

とはいえなんとか及第点?の答えを出しつつ

治まらぬ動悸に胸を押さえるナルサス卿。

 

海産物が豊富だと聞きながら食卓をかこんだ

一同、「美味」特大書文字の元、

それぞれの表情が秀逸。あの黒騎士が眉間を

抑え感極まってるとか相当では。

ジャスワントも滂沱の涙してるしねえ 。

 

その食堂ではギラン出入りの海運商人たちが

王都陥落以降の噂話を始め、「陸路が荒れて

いても海路はそこまでじゃないし」「このまま

でも俺たちは儲かるから困らない」という同じ

パルス国内のはずが、なかなか温度差のある

忌憚ないが大声でかわされ「アルスラーン

王子」の評判も 本人とご一同がそこで聞いてる

とはツユ知らず「あまりぱっとしないらしいぜ」

「奴隷解放なんてブチ上げたせいでヤツら(奴隷)

が浮き足だって迷惑だ」とか「あいつら俺たちに

使われてるのが幸せだってのにわかってねえ

よな」という、まあマジ現場の意見という体裁で

本人とそのご一行がすぐそこで聞いてるとは

思わず(*大事なことなので2回言いました)

笑い話のタネにされていることに毎度おなじみ

黒騎士はともかく?ジャスワントも憤怒の表情

立ち上がりかけるのをギーヴが足をふんづけて

止める一幕も 。

 

噂話でも実際に聞くとヘコむなあと言いつつ、

そのまま名乗らずにあちこちで意見を聞こうと

話しているところへ、殿下をみて「アルs・・」

言いかける少年たちと遭遇。いちばん後ろにいた

はずなのに爆速で少年2人を引っこ抜いて走り

去る、さすがのすばやさを見せる黒騎士。

場所を変えて話を聞くと、なんと第1話で

エステルを逃がして怒られていたあの3人

坊主の内の2人。皆、商人になって王都と

行き来してるという。

ご立派になられて、と時の流れを実感する一幕。

王都では水路が修復できずに困ってるらしいと

いう話も王弟殿下本人の苦悩の度合いの割に

あくまでついで語られるところが不憫。

 

殿下が父王にパルス全軍の兵権を取り上げ

られたことを知らない少年2人は、軍に

入って殿下のお役に立ちたいと瞳を輝かせるが

それは現時点ではできないお話(泣)なので。

これからエクバターナに戻るという彼らに

「エトワールというルシタニア人が困って

いたら手を貸してやってほしい」とさらに

行き届いたフォローを行う世話やき殿下。行き

届きすぎてるフォローの第一段がすでに有効に

効いているのだがもう一声、手は打って

おきたいのか、ホンマに気のつく御仁である。

そういう意味で商売人に向いてないか。 

 

同じパルス国の中でも場所によってあまりに

空気が違う現実を目の当たりにしつつ、まあ

とりあえず「儲けてる奴らから軍資金を

むしり取りましょうや」という

ハナシに。

そのつもり満々で総督府に行ってみると見事に

でっぷり太った官僚が お出迎え。「王都陥落の

報を聞き、心配で食事ものどを通らない有様で」

とか大慌てで言い募るも臨月の妊婦さんなら

3~4人は入っていそうな大きなを抱えて

なんの冗談かと王太子御一同のヘイトを一身に

集めつつ。ナルサスにとっても、以前机を

並べた仲とはいえ「そんなやつも居たな」

程度の印象の相手だったが、実は先方も相当

苦手意識を持っていたという、ある意味

マイナス方向で意見が完全一致していたと

いう話。

 

そのギラン総督ペラギウス氏は、自分が

ルシタニアの侵攻を知った後も一切行動しな

かったのは海賊から「ギランの港を破壊する」

脅迫されていたためという傍目にも苦しい

言い訳をして見せ(*聞いたナルサスも

「そんなわけないじゃん」と一発で看破して

いたが)本人はアトロパテネの陥落以降、

それこそお国の為には指一本動かさず、王都に

収めるはずの租税は己の懐にため込んで、

なんならそれを抱えて海を渡って逃亡とか

考えていたらしく。

それがばれたら間違いなく処刑じゃん、もう

いっそのこと、マジで海賊が襲来してくれれば

いいのにーと運動会当日に大雨が降ればーとか

祈る運動キライ系小学生みたいにオタオタして

いるところへ。

絹の国の帆船が火を吹き上げて港に逃げ込み、

続いてその船を襲ったらしい海賊船が乗り込んで

きたという知らせが。

どうやら「嘘からでた誠」が実現して一同に

*テキトーなことを言ったはずの本人にも)

緊張が走りつつ次号へ。