意気揚々と鬨の声を上げつつギランの港へ
攻め込む海賊の皆さん。しかし現場には船が
一艘もなく人の気配もなく。「なんだよ
びびってんのかー」とそのまま中心部まで攻め
行って「総督府をいただくぜー」と調子が
よかったが。ふと、「ここってこんなに水位
低かったかな」と気になりはじめたところへ。
山深い川の上流にうず高く積まれた土嚢が切り
崩され、せき止められていた川の水が一気に
河口に押し寄せ、鉄砲水となって次々海賊船を
飲み込む事態に。結果、ほとんどの船は転覆、
それを免れて脱出しようとした船もダリューン
指揮する一団に攻め込まれ、20隻ほどあった
海賊団は今度こそ壊滅。
船を失い、引っ立てられる海賊連中を横目に
見ながら、「(ペラギウス総督追放に伴い)
空いた総督職にグラーゼを総督代理として
置きましょう」と進言するナルサス 。
地方とはいえ勝手な人事を行っていいのかと
問うギーヴとファランギースに(気楽に酒盛りを
してる様子だったがまわりに酔い潰された商人が
ごろごろ倒れていて草生える)「将来のために
有力な味方を確保するためだ」と答え。もし後々
「勝手なことしやがって」とアンドラゴラス王が
グラーゼを解任したとしても彼の恨みは父王に
向くだけだし、そもそもの話アンドラゴラス氏は
(陸路に重きを置いて)海路は重視してない
から王太子の追放にこっち方面を選んだわけで。
めっちゃいい機会だし堂々とパルスの南半分を
頂こうではないか、と微笑む目は本日も笑って
ないナルサスさんだが「もしグラーゼがいな
ければシャガードを代理につけるつもりだった
のだろう」と問われ、痛ましげに目を伏せる。
同じ頃、話題になった当の本人シャガードは
遠く見える河口付近に煙があがるのを無言で
眺めている様子。この騒動をほったらかしで
いいのかと思ったが、ここではただの富豪で、
別に具体的に役職についてるわけでもない
らしいから・・・。
…これ、原作は読んでない、アニメも観てない、
まっさらな読者にはどう見えてんのかしら 。
生き残ったものの、まとめて牢に押し込まれ、
こんなはずではーと歯噛みする海賊団(残党)に
「あの方」から言づてが。
「てめえ見殺しにしやがったな」と息巻く海賊団に
「曲者で知られるナルサスを油断させるためだ」と
説明、「王太子は優しいことで知られ拷問や
処刑はしない」と安心?させ。「こっちの言う
とおりに動いてくれれば今度こそ面白いことに
なる」と「ある策」を伝える 。
↑それを聞いたためか、取り調べの場でも
つーんと黙秘している海賊連中にダリューンが
仁王立ちで自ら尋問を行うと宣言。
その迫力に早くもビビリ「王太子は拷問とか
手荒なまねはしないと聞いたぞ(*非正規情報)」と
騒ぐのを「王太子殿下はその通りのお方だが
尋問するのはこの俺だ」とギロリと見据え。
その猛き眼光のまま、無言でナルサスを
引き寄せて
「どうしてもしゃべらぬというならこの男に
おまえの肖像画を書かせるぞ!!」と大音声で
言い放ち。「実はこの男は魔道の使い手で
こいつに絵を描かれると命を吸い取られ
あっという間に干からびて死んでしまう
んだぞー」とさらに高らかにいうとその場に
いた何人か(*ナルサスの絵を見たことが
ある王太子殿下とジャスワント)が演技では
なくこの世の終わりのごとくひいいいいいと
のけぞったので信憑性が爆上がりしてしまい。
そこへホンマに正真正銘、何が何だかよく
わからない筈なのにダリューンの合図を見て
「おおおお、あの絹の国伝来の魔道の
使い手がこんなところにいたとわ
ああああ」とナイスアシストとかいうレベルを
遙かに越えた迫真の演技をみせるグラーゼ
船長。ノリノリすぎやん。そんなアホなと
いう話をものの見事に成立させ、「なんでも
しゃべるからそれだけはやめてー」と、相手を
心底ビビらせることに成功。
そこで海賊が喋りだしたのは「例の海賊王の
財宝」がサフディー島にあるというヨタ話 。
有名なヨタ話だろうが、と蹴ってみたら「最近
詳しい場所が判明したんだぜ」とか言い出す。
…これが「あの方」が立てた策なのか 。
「せっかくだし行ってみますか」とナルサスが
問題の島を指さすというところで次号へ。