「うん、そうだよ~」
歯を食いしばる。
俺はそっとライトに視線を向ける。
昨日、公園で子供の様に泣いていた少女の姿が脳内で蘇える。
『君は察しが良いな』
拳を力強く握りしめる。
「護……?」
火野川の心配そうな声が後ろから聞こえてきた。
ホント、ついてねーよな俺。
俺自身、コイツとはもう関わらないって、そう決めたのに。
『もう私に関わるな。そうすれば、お前の日常に大きな変化はないから……』
エントランスを去る時の彼女の言葉。
でも、その言葉を告げるときの彼女の顔は……。
とても、悲しそうだった。
「護、別の車両に移る?」
俺の右肩に手を置きながら火野川はそう言った。
コイツ自身、俺とライトを会わせるのはマズイと思っているらしい。
「立ってても良いなら、普通の車両に行くけど?」
俺は火野川に顔を向ける。
と、エレナに龍二までも俺を心配そうな表情で見つめていた。
また変な心配をさせている自分が情けなく思える。
「せっかく良い車両に来んだ、一般車両に戻るなんて勿体ないだろ?」
俺は笑いながら三人にそう言った。
「本当ですか? 無理しないで良いんですよ、護さん?」
「別に平気だって。それに、コイツが起きなければ問題無いだろ?」
俺はそう言いながら窓際へと移動する。
「ん? ライトと何かあったの少年?」
ソファーに横になっているアイネスが声をかけてきた。
「いやぁ、別に」
そう言うしかないよな。
俺は折りたたみ式の椅子に腰を降ろした。
すると火野川とエレナも同じく折りたたみ式の椅子に座る。
/続く