第二章 友達の絆 40 | Beyond Despair

Beyond Despair

― 絶望の底に落ちた少女の先に待つ運命 ―

騎士団専用車両前に着くなり、男性車掌が貫通扉の真横にある通信ボタンを押した。

「お客様、少しよろしいでしょうか」

どうやら騎士団専用車両には既に先客が居るらしい。

『はいは~い、何でしょうか~?』

「申し訳ございませんが、四名追加させていただいてもよろしいでしょうか?」

『あぁ~、良いですよ~約一名寝てますし』

すると騎士団専用車両の貫通扉のロックが解除された。

他の貫通扉と違い、この車両の扉はかなり豪華な出来である。

「では、ナイトタウン到着までこの車両でお過ごしください」

頭を軽く下げる男性車掌に火野川は礼を言うと、そのまま俺達よりも先に中へ入って行った。

俺達も続いて騎士団専用車両へと入る。

「げぇ……これが騎士団専用車両か……」

入るなり俺はそんな言葉を口にした。

他の車両とはかなりと言うか、全然作りが違う。

白いカーテン、床は赤い絨毯が敷かれている。

そして長ソファーが木製のテーブルを挟んで二つ。

プラス、薄型テレビまでも置かれている。

「うわぁ~、すごいですね~」

エレナは早速薄型テレビの元へと向かう。

列車にテレビがあるって結構珍しいよな。

龍二はこれと言ってあまり興味が無いらしく、窓の外を見つめている。

火野川は何かブツブツ呟きながら携帯のカメラで車内の写真を撮っている。

と、俺は一つのソファーに腰掛ける人物に視線を向ける。

金髪の髪で露出度の高い服を着た少女。

そう言えばこの車両には先客がいたんだったっけか。

火野川もエレナもその事を忘れているようだが。

「ちょっと、アンタ達~あんまり騒がないでよ。 今私の恋人が眠ってるんだからさ」

火野川とエレナを交互に見つめながら金髪の少女はそう言った。

って、恋人?

金髪の少女の言葉に俺達四人は呆然とする。

と、微かに寝息が聞こえてくる。

その寝息はどうやら俺の目の前の長ソファーから聞こえてくるらしい。

俺はそっと背もたれの上から覗き込む。

そこには――。

「嘘マジかよ……」

今日、学生寮のエントランスで会った赤毛の少女。

全身赤の彼女はスースーと気持ちよさそうに眠っている。



/続く



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