「なぁ、神崎護。お前もそう思うだろ?」
って、俺が居るってバレてる!?
つっても当たり前だよな、後ろ姿で分からないなんて子供じゃあるまいし。
「あぁ……龍二が悪いよな」
背中を向けたまま俺はライトにそう答えた。
つか、さっきから殺気に似た視線を感じるのだが……。
「それで、何でお前がここに居るんだ、神崎護」
「いやぁ~、これは本当に偶然の出来事であってだな……」
「私には関わるな、そう言った筈だぞ赤毛ツンツン頭」
「だからッ! 偶然だって言ってんだろッ!!」
俺は立ち上がりライトへと顔を向ける。
と、いつの間にかライトの顔が目の前にあった。
「お、お前……いつこんな接近してきたんだッ!」
相変わらず綺麗なサファイヤ色の瞳だと、俺は心の中で感心してしまう。
まぁ、その目で俺を今鋭い目付きで睨んでいる訳だが。
「私に何か用なのか、神崎護」
「だから、ここに居るのは偶然だって言ってんだろッ! 俺達はこれからナイトタウンに遊びに行くだけなんだよッ!!」
俺は叫ぶようにライトにそう言った。
すると彼女は何故か優しく微笑む。
「な、何だよ急に笑いやがって……」
「いや、エントランスで会った時とは大違いだからな。元気、出たんだな」
ライトはそう言いながら再びソファーに腰掛ける。
「その元気を無くしたくなければ、私とは、これっきり関わらないことだ」
外の風景を見つめながらライトは静かにそう呟く。
「神崎護だけじゃない、お前ら三人もそうだ」
ライトのその言葉に火野川とエレナは身体を一瞬震わした。
彼女のその拒絶の言葉には、幸福、日常の破壊を連想させる。
でも、何となくだけど。
俺にはその拒絶の言葉も〝強がり〟にしか聞こえなかった。
「わかってるよ、そんな事」
俺はライトから顔を背ける。
「俺だってな、お前とはもう関わらないって決めたんだ。あんな目に遭うのはもうゴメンだね」
そう、何故か心にも無い事を口にしていた。
いや、コイツに会うまでは思ってたさ。
でも……コイツの言葉や行動を見ていると。
こんな何も出来ない俺でも……。
「そうか、なら良い。もう会話もこれっきりにしよう。ナイトタウンに着いたら〝さよなら〟だ」
と、どこか安心したかのような、それでいて悲しそうな表情でライトは呟いた。
/続く