第二章 友達の絆 45 | Beyond Despair

Beyond Despair

― 絶望の底に落ちた少女の先に待つ運命 ―

「なぁ、神崎護。お前もそう思うだろ?」

って、俺が居るってバレてる!?

つっても当たり前だよな、後ろ姿で分からないなんて子供じゃあるまいし。

「あぁ……龍二が悪いよな」

背中を向けたまま俺はライトにそう答えた。

つか、さっきから殺気に似た視線を感じるのだが……。

「それで、何でお前がここに居るんだ、神崎護」

「いやぁ~、これは本当に偶然の出来事であってだな……」

「私には関わるな、そう言った筈だぞ赤毛ツンツン頭」

「だからッ! 偶然だって言ってんだろッ!!」

俺は立ち上がりライトへと顔を向ける。

と、いつの間にかライトの顔が目の前にあった。

「お、お前……いつこんな接近してきたんだッ!」

相変わらず綺麗なサファイヤ色の瞳だと、俺は心の中で感心してしまう。

まぁ、その目で俺を今鋭い目付きで睨んでいる訳だが。

「私に何か用なのか、神崎護」

「だから、ここに居るのは偶然だって言ってんだろッ! 俺達はこれからナイトタウンに遊びに行くだけなんだよッ!!」

俺は叫ぶようにライトにそう言った。

すると彼女は何故か優しく微笑む。

「な、何だよ急に笑いやがって……」

「いや、エントランスで会った時とは大違いだからな。元気、出たんだな」

ライトはそう言いながら再びソファーに腰掛ける。

「その元気を無くしたくなければ、私とは、これっきり関わらないことだ」

外の風景を見つめながらライトは静かにそう呟く。

「神崎護だけじゃない、お前ら三人もそうだ」

ライトのその言葉に火野川とエレナは身体を一瞬震わした。

彼女のその拒絶の言葉には、幸福、日常の破壊を連想させる。


でも、何となくだけど。

俺にはその拒絶の言葉も〝強がり〟にしか聞こえなかった。

「わかってるよ、そんな事」

俺はライトから顔を背ける。

「俺だってな、お前とはもう関わらないって決めたんだ。あんな目に遭うのはもうゴメンだね」

そう、何故か心にも無い事を口にしていた。

いや、コイツに会うまでは思ってたさ。

でも……コイツの言葉や行動を見ていると。

こんな何も出来ない俺でも……。

「そうか、なら良い。もう会話もこれっきりにしよう。ナイトタウンに着いたら〝さよなら〟だ」

と、どこか安心したかのような、それでいて悲しそうな表情でライトは呟いた。



/続く



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