「……あぁ、そうだよ。お前のせいで全部メチャクチャだぜ。ホントは今日ここに来たのは俺を励まそうって言う火野川達の計画だったってのによ」
「……ごめん」
「ホントは弱っちーくせに強がってよ、良い迷惑だぜホントに。お前に会ってからと言うもの、不幸な目にあいまくってんのは気のせいですか?」
「……ごめん」
「おかげで、アスナちゃんのエロエロ同人OVA買いそこねるは、エロ同人誌買いそこねるは、PCのパーツ買いそこねるは、どうしてくれんだよッ!!」
「……ごめ、って……それ私は関係ないだろ」
やっと顔を上げ、ライトは俺をジド目で睨みつけてきた。
俺はそんな彼女を見つめながら思わず微笑んでしまう。
「……後で、ちゃんと皆に謝っておけよな。火野川はともかく、エレナや坂口、龍二にはよ」
俺がそう言うとライトはコクりと頷いた。
そして目に溜まる涙を拭う。
そんな彼女を俺はじっと見つめる。
「――お前は、一人じゃねぇからな」
「――え?」
と、俺は無意識にライトにそう呟いた。
するとライトはまるでリスが驚いた時の様な表情で俺を見つめてくる。
「どう言う意味だ、それ……」
「えー、っとだな。そのー」
頭をかきながら俺は口ごもる。
ってか、何で俺こんな事言ったんだ?
頭が混乱してきた……どうする。
てかここで「どう言う意味だ」って聞いてくるライトもどうかと思うぞ!
クソ! そこは普通ありがとうとかだろうが!
何とか頭を猛回転させる、と――。
ドスン、と何かが俺の肩に寄りかかってきた。
顔を向けるとそこには気持ちよさそうな寝息を立てるライトの姿。
赤く染まった彼女のふんわりした髪が俺の頬を優しく撫でる。
「って、質問しといて寝るなよ……」
そう愚痴をこぼしてもライトはうんともすんとも言わない。
もう完璧に寝てやがる。
と、彼女の左手が俺の右手に重なってきた。
そして、ライトは眠りながら俺の右手を優しく握ってくる。
「……あぁ、俺って狂ってるのかもな」
そんな彼女の手を俺も優しく握り返す。
今なら、何となく分かる。
何で俺が無意識にライトにあんな事を言ったのか。
俺はもう一度窓から外の風景を見つめる。
そして小さく――。
「俺……コイツに惚れちまったんだ……」
そう、誰にも聞こえない声で呟いた。
2119年 四月十一日
第二章/友達の絆 /完/