ヴィクトと呼ばれていた、傍らの機巧鎧の機士がおもむろに
イアンに問いかけてきた。
口調は落ち着いていたが、彼にそう尋ねられた瞬間、
イアンの全身はすくみ上がった。
どうする?何といえばいい?
ここに至ってイアンの中に、自分はとんでもないことを
してしまったのではないかという意識がにわかに沸き起こった。
いくら弾みだったとはいえ、
一介の戦闘奴隷に過ぎない身分でありながら、
機士にしか機乗を許されない機巧鎧に乗ってしまった。
それはもしかすると、
大きな罪に当たることなのではないか?
『失礼ながら、王女殿下の他に、その機体を乗りこなせる方がいらっしゃるとは思いませんでした。どこのどなたか、ぜひお伺いしたいのですが』
ヴィクトが、重ねて問いかけてくる。
イアンは背筋を冷たい汗が流れるのを感じた。
自分が今も窮地のただ中にあるのだということを、今更ながら悟る。
先ほど敵機に囲まれていたときは状況が異なるが、
危機の度合い、自分が追い詰められているという点に関しては、
同じようなものだった。
イアンに問いかけてきた。
口調は落ち着いていたが、彼にそう尋ねられた瞬間、
イアンの全身はすくみ上がった。
どうする?何といえばいい?
ここに至ってイアンの中に、自分はとんでもないことを
してしまったのではないかという意識がにわかに沸き起こった。
いくら弾みだったとはいえ、
一介の戦闘奴隷に過ぎない身分でありながら、
機士にしか機乗を許されない機巧鎧に乗ってしまった。
それはもしかすると、
大きな罪に当たることなのではないか?
『失礼ながら、王女殿下の他に、その機体を乗りこなせる方がいらっしゃるとは思いませんでした。どこのどなたか、ぜひお伺いしたいのですが』
ヴィクトが、重ねて問いかけてくる。
イアンは背筋を冷たい汗が流れるのを感じた。
自分が今も窮地のただ中にあるのだということを、今更ながら悟る。
先ほど敵機に囲まれていたときは状況が異なるが、
危機の度合い、自分が追い詰められているという点に関しては、
同じようなものだった。