まだ20代前半だった頃のとある夏の日の出来事。
会社帰りに同期連中と三鷹駅南口の居酒屋で飲みました。
和気藹々と良い雰囲気でそれぞれ好きなお酒をね。
その中に、周りのそれとは明らかに違った飲み方をしている男が一人。
その男とは、いつになく日本酒&焼酎をしこたまかっくらっている、俺。
この男、飲みが終了し店を出る頃には、
かなりの「べろよっぱ」になっていた・・・。
一人では、真っ直ぐに歩くことすらできなくなっている俺。
そのまま見捨てて帰れない同期連中は、俺を部屋まで送ることに。
店から俺の部屋までは徒歩10分程の距離なんだけど、
大虎状態の俺を連れているため、途中のコンビニ前に来るだけで
30分以上かかってしまう。
ここで、同期Sの目にとまったのは、コンビニ横に設置されてある公衆電話。
そして、同期Sに1つのアイデアが閃く。
俺の部屋=会社の寮なので、同じ寮の後輩をコンビニまで呼び出し
「あとよろしくぅ!」
って寸法だ。
※この当時、携帯電話なんて物は、普及していません。
同期Sは、後輩宅へ電話中。
さて、おいらはというと同期Tと戯れていたらしい。
戯れも程々にしておけば良いものを・・・
ふざけてプロレスごっこなんてやっていたらしい。
刹那・・・もんどりうって道路へ倒れ込む二人。同期Tは、眼鏡損傷。
俺は、顔面損傷。
言わんこっちゃ無い。周りで見ていた他の同期の証言を聞くと、
俺は、手をつくこと無く、顔面からのランディングを見事に決めたらしい。
お前は、力士か!と小一時間問い詰めたくなります。
電話を終えて振り返る同期S。
電話をしていた数分の間に変わり果てた俺の顔を見て
「め、めらっち...そ、その顔...だ、大丈夫?」
そんな感じの言葉をかけてくれたんだろう。きっと。
当の俺は、痛覚は麻痺していなかったらしく「いってぇ~!」と叫んでいる。
程なく後輩H&同期Nが到着。
俺の顔を見るなり
「ぎゃはははは、なんやその顔~!」
と指差して二人で大笑い。そりゃそうだ。
二人に俺を引継ぎ一緒に飲んでいた連中とはここでお別れ。
さて、寮まではあと百数十m。
何を思ったのか「走って帰るぞぉ~!」などと叫び、
寮へ向って猛ダッシュを始める俺。
追いかける二人。その時の走りってのが、めちゃめちゃ早かったらしい。
寮の前に到着。
そばの自販機で冷たい烏龍茶を買って俺へ飲むように促す同期N。
受け取った俺は、何を思ったかその烏龍茶を顔に浴びながら
「あぁ~冷たくて気持ちいぃ~」
などとほざいていたらしい。呆れる二人。
烏龍茶も浴び終わり部屋へ。
と、俺、「鍵がねぇ~!」と大騒ぎ。
後輩Hから「その右手に握り締めているのはなんや?」と突っ込みが入る。
再び呆れる二人。
部屋の前まで送ると言う二人を逆にそれぞれの部屋まで送り届け、
一人階段を上り帰宅、就寝。
翌朝目覚める俺。
昨晩の記憶が全く無い事に気付く。
思い出そうにももったくもって思い出せない。
あっさり記憶を諦めることにした俺は、
いつになく妙に顔が突っ張っていることに気がつく。
顔を洗いに洗面所へ行くわけですよ。
で、鏡に映し出された自分の顔を見て
「な、なんじゃこりゃあぁ!」
と松田優作ばりの雄叫び!
顔の右半分が血だらけ&傷だらけですから、そりゃびびります。
とりあえず、固まった血を洗い流し、砂の付着した傷口を洗う。
当たり前ですけど、超しみる。しみすぎ。
ま、とても見れた顔じゃないことは言うまでもありません。
いい男が台無しですよ。
顔を拭きつつ、ふと洗濯機を覗く。
水の張った洗濯漕の中には、
昨日着ていた白いポロシャツ(血だらけ&烏龍茶まみれ)が浸けてある。
しかも、匂いで分かるが漂白剤入り。おそるべし俺!
とりあえず、会社へ電話して午前中お休みを頂きまして、考えること数分。
出た答えは「ま、いいや、このまま行っちゃえ!」
マキロンで消毒だけして、いざ会社へ...
もちろんみんなの笑い者になったことは言うまでもありません。
その日の夕方、ある重大なことに気がつく。
そう言えば今日って...おと~さんが出張で上京して来ているんじゃ...。
たしか、夕食の約束してたような..._| ̄|○
数時間後、市ヶ谷駅で出会った父は
「なんか、そん顔は?どんげしたつか?(その顔はどうしたの?+怒り風味適量)」
と呆れた様子でした。
事の顛末を話したところ、かなり怒られました。当たり前。
で、次の日、またまた重大なことに気がつく。
来週から夏休み(17連休!ぃやっほぅ!)で北海道旅行じゃん...
まじ?この顔で?...うぅ...行きたくないです..._| ̄|○
翌週、傷だらけの顔で北海道へと旅立つ俺がいました。
もちろん旅行中に撮られた写真&ビデオに写っている俺の顔は傷だらけ。
徐々に治っていく傷をしっかりと確認することができます。
この事件以来、俺には「酔拳使い」という不名誉なあだ名が付きました。
まあ、人間そう簡単に変われるわけもなく、
当然ながらその後もその名に恥じぬ活躍をし続けております。
機会があれば、また書きます。