ストーリー:5.0
キャラ:5.0
映像:5.0
作中BGM:5.0
OP/ED:5.0
おすすめ度:5.0
合計→30.0/30.0
「下剋上球児」は廃部寸前の弱小野球部である越山高校(ザン高)野球部が甲子園出場という“日本一の下剋上”を果たすまでを描いた物語。
2018年に甲子園に初出場を果たした白山高校の実話を元にしてはいますが、ドラマ自体はフィクションです。
まず、野球のシーンの質に関してなんだけど後にも先にも「下剋上球児」を超えるものはないと思う。
野球の実技も含めたオーディションでキャストを決めているし、その中には甲子園出場者だったり強豪校出身の俳優が多く名を連ねていました。野球初心者の俳優さんのチャンスを広げる意味合いもあってか、オーディションに向けた練習会も開催されていたようで、それだけでも野球への力の入れ具合が凄い。
んで、作中の野球シーンは基本的にそのまま使っているとのこと。
ホームランを打つシーンであれば実際にキャストがホームランを打ってるし、際どいところにボール球を投げるシーンであればキャストがそこに投げ込む……『その投げ方でそんな球速出ないだろ。』、『その打ち方ではホームランなんて無理や。』っていうツッコミどころがなかったのでホントに気持ち良く野球のシーンが観れました。
この先、もし野球を題材にしたドラマをやろうとしているところがあるとしたら中途半端には出来ないわな。それだけ「下剋上球児」がハードル上げましたわ。
高校野球を題材にしている TBSドラマ、というところで比較対象になるのは「ROOKIES」……って放送開始前は思っていたんだけど、実際始まってみると比較して考えることは無かった。まあ、あれだな……主人公の南雲先生が教員免許を偽造して教壇に立っていたというストーリーのインパクトがデカすぎたわな(笑)。
「ROOKIES」も主人公の川藤先生がちょっとした問題を抱えていたし、部員もほぼ不良で大問題レベルではあるんだけど、南雲先生がやらかしたことってそれを超えてるというか別の次元というか……。
インパクトがデカすぎて『高校野球を題材にしてるのに、これはちょっと邪魔になるんじゃないか?』と思ったんだけど、南雲先生も再起をかけるというところで部員を下剋上に導く監督ではなく、“部員と一緒に下剋上を目指す監督”っていう立ち位置になったのが凄く良かった。
南雲監督誕生に向けて校長先生を説得する時の横田・前監督の『失敗した人間の背中蹴り続けて楽しいですか?』は時代にも問いかける一言として個人的には響きました。
キャラの掘り下げに関しては下剋上を達成する椿谷世代が野球部員の中ではメイン。
3年間の物語を全10話にまとめなきゃいけないので、椿谷世代以外はちょっと扱いが雑……ってわけではないんだけど、まあちょっと難しかったですかね。
椿谷世代の先輩にあたる日沖(兄)世代と富嶋世代はザン高野球部黎明期のメンバーなのでそれなりにスポットライトを浴びたものの、椿谷世代の後輩はザン高が強くなっていく分、部員が増えていくので1つ下の世代の中世古、2つ下の世代の阪、三鬼以外は完全にモブキャラでした。
尺がある以上仕方がないこととはいえ、野球の完成度や作品としてのクオリティが良いだけにもっと時間をかけて部員のことを知っていきたかったなと思いますねぇ。
まあでもメインどころの椿谷世代、そして南雲監督の掘り下げが素晴らしかったのでマイナスは無いっすね。
作中BGMに関してはメインテーマとタイトルクレジットの組み合わせ方が上手かった。
特に第7話で楡が甲子園を目指したことがあるかという問いに対して『無いヤツおるんか?』と返した後にメインテーマの一番盛り上がる部分とタイトルクレジットが出た時は鳥肌立ったわ。
主題歌のSuperflyさんの「Ashes」も作品の世界観にマッチしていたし、これまた毎回良い場面で流れるんよねぇ。
これはもう満点評価よ。
