『給食アンサンブル』発売!

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『飛ぶ教室』で昨秋まで連載させていただいていた『給食アンサンブル』の単行本版が、本日発売となりました!
YAというカテゴリにいれていただけるなら、単著では『シンデレラウミウシの彼女』以来、実に5年ぶりのYA作品となります。おお、長い…。

 

 

『給食アンサンブル』は題名のとおり、給食をテーマとした連作短編集です。「七夕ゼリー」「マーボー豆腐」「黒糖パン」「ABCスープ」「ミルメーク」「卒業メニュー」の6つの物語が収録されています。
主人公はそれぞれに悩みを抱く中学生の少年少女。転校先の中学に馴染めない、まわりのみんなのように大人っぽくなれない、ひそかに思いをよせる親友の姉の力になりたい……そんな彼らの悩める心が、給食をきっかけに変わっていく、ささやかですが心温まる物語になっています。

 

単行本化にあたっては、文章を全面的に修正いたしました。連載中は毎度規定の文字数をオーバーしてしまって、削って削ってなんとかあの紙幅に納めていたんですよね。やむをえずカットした文章や、文字数を減らすために変更した表現も結構ありました。
単行本では文字数制限がなくなったので、カットした文章を復活させたり、表現もよりぴったりなものを選びなおしたりと、例によって印刷した原稿が真っ赤になるほど手を加えました。なので、物語の大筋は変わりませんが、文章の読み心地は連載時よりグレードアップしているのではないかと思います。

 

イラストは連載時に引き続き、漫画家の五十嵐大介先生が描いてくださいました。光村図書さんのHPでは、『給食アンサンブル』発売記念企画として、五十嵐先生と如月の対談も公開されています。
「スペシャル対談 ぼくらの給食、みんなの給食」

 

五十嵐先生が描いてくださった表紙イラスト、決して派手ではないのに、とても目を引く素敵な絵なのですが、この絵の女の子、実は収録されている6話のうちの、どの話の主人公でもないんです。
対談のなかで五十嵐先生も触れられているのですが、この物語は6話それぞれの主人公の物語であるのと同時に、各話の主人公の境遇を読者が自分に置き換えたり、自分のエピソードを思い浮かべたりできる、そんな広がりのあるみんなの物語なんだ、ということを表したくて、どの話の主人公でもない子の顔を表紙に描いてくださったそうです。なのでそれにあわせて、裏表紙側の帯の文章も、作中の主人公ではない誰かの給食中の心のなかを描いたものになっています。

 

いつもどおりの給食が、誰かにとっては特別な給食にもなる。そんな特別な給食をめぐるこの物語が、みなさんにとっての特別な給食を見つけるきっかけに、もしくは給食でなくても、ありふれた日常生活のなかにある特別ななにかを見つけるきっかけになったてくれたらいいな、と思っています。
単行本版『給食アンサンブル』、どうぞよろしくお願いいたします!

2月に発売した『声優さんっていいな』から5ヶ月ぶりとなる新刊『ふたりはとっても本がすき!』が近々発売となります。
小峰書店さんのHPでは、7月上旬発売となっていますが、実際の発売日は7月20日頃になる予定です。


(大きいサイズの表紙画像はこちら

『ふたりはとっても本がすき!』の主人公は、せっかちなチーターのチッタちゃんと、のんびり屋のカバのヒッポくんのふたり。
チッタちゃんもヒッポくんも本を読むのが大好きですが、本の読みかたは全然違って、チッタちゃんは猛スピードで次々にたくさんの本を、ヒッポくんは1冊1冊じっくりゆっくり本を読みます。
それぞれの読みかたで読書をたのしんでいたふたりでしたが、あるできごとをきっかけに、チッタちゃんが自分の本の読みかたのことで悩みだして……というお話。

明るく暖かみにあふれた挿絵を描いてくださったのは、いちかわなつこさんです。チーターの女の子という、かわいく描くのがちょっと難しそうな(主に口の両脇の黒い模様のせいで)主人公のチッタちゃんを、想像以上に大変かわいらしく描いてくださいました。
ちなみに主役の動物は、最初に思いついた時点ではウサギの女の子とカメの男の子だったのですが、すぐにべつの動物に変えることにしたんですよね。どうしてウサギとカメじゃなくしたのかは、物語を読んでいただければわかるかな、と思います。

『ふたりはとっても本がすき!』は、これまで出たなかでいちばんページ数が少ない作品で、小学1年生くらいからひとりで読めるかと思いますが、もっと年上の本好きさんたちにも、幅広く読んでいただけたらなあ、と願っています。

また、そろそろ夏休みということで、昨年発売した『なのだのノダちゃん まほうの自由研究』が、群馬県・神奈川県・静岡県・京都府の4府県で、読書感想文・読書感想画の推薦図書になっています。

 


感想文や感想画でなにを読むかまだ決まっていない小学生のみなさんは、『まほうの自由研究』を読んでみてはいかがでしょうか。たのしい場面が盛りだくさんの作品ですので、読書感想画には特におすすめ。そしておもしろかったら同シリーズの『ふしぎなコウモリガサ』『ひみつのわくわく七ふしぎ』もぜひどうぞ!

  

ネット書店では品切れになっていることがたまにありますが、シリーズ全作びっくりするほどたくさん増刷していただいたばかりなので、近くの書店さんで注文していただければ、比較的すぐに入手できるのではないかと思います。
ノダちゃんシリーズも新刊の『ふたりはとっても本がすき!』も、夏にぴったりの物語ですので、この夏休みにぜひ読んでみてくださいね!
 

土屋文明記念文学館での講演会が近づいてまいりました。
講演原稿はあとちょっとで完成。講演中にお見せする資料もほぼ揃っているのですが、大阪の図書館から追加で送ってもらっている資料のコピーがまだ届かずハラハラしています。今日中に無事届いてくれるといいのですが…。

講演のレジュメも完成しましたので、ここにも載せておこうと思います。だいたい以下のようなことをお話する予定です。

 


前の記事にも書きましたが、戦前の児童書のことを全然知らないかたでも、楽しんで聞けるような講演にするつもりです。なのでご興味がありましたら、ぜひお越しくださいませ。
講演は2月25日(日)の14時から。詳細は群馬県立土屋文明記念文学館のホームページをご覧ください。

 

twitterではすでにお知らせしていたのですが、こちらで記事を書くのがすっかり遅くなってしまいました。

2月25日(日)に、群馬県の土屋文明記念文学館で講演会をさせていただきます。
現在同館で開催中の企画展「子供たちの戦争 ―ある少年が愛読した新聞・雑誌」に伴う講演会で、演題は「戦時下児童文学を問いなおす」です。
群馬県立土屋文明記念文学館のホームページはこちら

大変ざっくりした演題にしてしまいましたが、講演では主に戦時中の児童書統制についてお話をする予定です。
戦時中、戦争協力を目的とした児童書や、子どもたちを戦場に駆り立てるような児童書がたくさん出版されていたことは、ご存知のかたも多いかと思います。
そうした児童書が量産されるようになった背景には、国による児童書の統制があったわけなのですが、それでは実際のところ、どのような統制が行われ、その統制に出版社や児童書作家がどのように応じたことで、戦時期の児童書は変わっていってしまったのか。そしてこの時期の児童書の変質から、今日の私たちが学ぶべきことがあるとしたら、それはいったいなんなのか、といったことを、当時の作品をご紹介しながらお話しようと思っています。

戦前・戦中の児童書のことを全然知らないかたでも、たのしんで聞いていただけるような内容にするつもりです。
戦時中の児童書出版をめぐる状況については、あまり知られていないことも多いので、「へぇ~、そうだったんだ」と意外に感じてもらえることもいろいろあるかと思います。また、昔の児童書や少年少女雑誌の画像も、たくさん用意していく予定です。

土屋文明記念文学館は、ちょっとだけアクセスが大変な場所にあるのですが、ぜひ多くのかたにお越しいただけたらうれしいです。
講演会は要申しこみとなっていますので、事前の申しこみもお忘れなく。

それではこれから講演会の最終準備頑張ります!
 

子どもたちに人気の職業をテーマにした童話シリーズ「おしごとのおはなし」、その第2期シリーズの1冊として書かせていただいた『声優さんっていいな』が、本日発売となりました!


Amazon商品ページ

主人公はアニメ好きの内気な女の子・ネム。ネムは魔法学校が舞台のアニメ「リリカルマジカルアカデミア」が大好きで、明るく社交的な主役のリリィみたいになりたい、とひそかに思っています。
そんなネムが道に迷って困っていたリリィ役の声優さんを偶然助け、お礼に「リリカルマジカルアカデミア」のアフレコを見学させてもらえることになって…というお話。

話は変わりますが、私は作品を書くとき、登場人物の声をいつも最初に決めています。声が決まっていれば、自然にその声でキャラがしゃべってくれるので、口調や語彙で悩むことがなくなるんですよね。

声はしっかり聞こえるけど、どの声優さんの声なのかわからない、ということも多いのですが、はっきりこの声優さんだとわかる場合もあります。
パペット探偵団のパペットたちとかはその例で、(自由な想像を邪魔するおそれがあるので白文字にしておきますが)ホームズが加藤英美里さんでバロンが宮野真守さん、シルクが金田朋子さんのイメージでした。

そんなふうに執筆時、いつも声優さんの声に力を借りている如月ですが、声優さんの実際の仕事の内容については、あまり詳しくは知りませんでした。
なので今回もたくさん資料を読んで、「アニメの収録ってそういうふうに進めるんだ」とか「声優さんってそんなに大変な仕事だったのかぁ」と驚きながら物語を練っていきました。

声の演技が上手なだけで声優さんになれるわけじゃない。私の読んだ資料のなかでも、多くの声優さんが語っていた、声優さんにとってたいせつなことを、物語のなかで主人公のネムも実感します。
声優さんに興味のある子、アニメ好きの子はもちろん、ネムといっしょでちょっと引っこみ思案な子などにも読んでもらいたい作品です。

また、この『声優さんっていいな』の発売と同時に、「おしごとのおはなし」第1期シリーズで書いたおまわりさんのお話、『交番のヒーロー』も第3刷となりました!
「おしごとのおはなし」シリーズの作品は、どれも身近な職業・人気の職業について知りながら、たのしく読める物語ばかりですので、『声優さんっていいな』といっしょに『交番のヒーロー』も、そしてほかのみなさまの作品も、ぜひ読んでみてください。