道ばたに落ちている変わったものをあつめるのが大好きな男の子・ミッチのコレクションが不思議な事件を巻き起こす「ミッチの道ばたコレクション」。そのシリーズ第2作『ドラねこまじんのボタン』が本日発売となりました。

 


今回ミッチが道ばたで見つけたのは、猫の顔の形をしたボタン。お父さんがそのボタンをミッチのおきにいりの服につけてくれますが、翌朝ミッチが服を着ようとすると、胸ポケットのところに描いてあったアイスクリームの絵がなくなっています。

まさかこのボタンの猫がアイスの絵を食べちゃったんじゃないよね。ミッチはそんなふうに考えて、ボタンをくすぐってみます。するとボタンから青い煙がふきだして、ランプのまじんならぬボタンのまじんが姿を現したのです。

アイスクリームの絵が消えたのは、ミッチが思ったとおりこのまじんのしわざでした。
「ごしゅじんさま、もうしわけないですにゃあ。おいら、ずっとはらぺこで、がまんできなくてつい食べてしまったんですにゃあ」

ボタンのまじんは服に描いてある絵や柄を食べるのだそうです。「おなかいっぱいうみゃいものを食べさせてくれたら、お礼になんでも願いごとをかなえてあげますのにゃあ」といわれたミッチは、まじんのために食べものが描かれた服をさがしはじめますが…。

コマツシンヤさんの描いてくださったボタンのまじんは、とても表情豊かで魅力的です。最初に登場したときは天井に届くほどの大きさでしたが、外にお出かけするときは、下の挿絵のように、服のポケットにはいれるくらいのミニまじんにもなります。

 



ですがこのまじん、ミッチがお父さんとお母さんにまじんのことを教えようとするのを慌てて止めたりと、なんだかちょっと怪しいところがあります。ボタンのなかにとじこめられていたのにも、なにか理由がありそうです。
ねえミッチ、このまじんのいうことをきいちゃって、ほんとうにだいじょうぶ?

前作『セミクジラのぬけがら』を読んでくださった方からは、物語の最後に出てきたゾウっぽい木のかけらがどうなったのかを知りたい、という声も多くいただきました。そのゾウのことを書こうかな、とも思ったのですが、2作続けて不思議な生きものを育てる話というのも変わり映えしないかと考えて、べつのコレクションの物語を書くことになりました。
ですが、この『ドラねこまじんのボタン』を注意深く読んでいただければ、例のゾウっぽい木のかけらについても、ちょっとした発見があると思いますので、ゾウの続きを期待してくださっていた方も、ぜひ読んでみてくださいね。

ミッチの不思議なコレクションは、今後もさらに増える予定です。『ドラねこまじんのボタン』を読みながら、次のコレクションの物語もたのしみにしていただけたらうれしいです。