(「恐怖のコーヒーカップ」からの続き)
翌日(月曜日)、総経理(社長)室に出頭を命じられた私と小李です。
総経理は土日に新会に行っていたのかと聞いています。総経理は私が中国語を理解出来ると思っていません。小利は言い訳をしていますが下手な言い訳は逆効果です。
「小李、通訳してくれ」と言って通訳させている間、言い訳を考える白楽雲(小村寿太郎の真似か)。はい。呼び出した以上、かなりの部分を知っている筈です。
総経理の眼は爬虫類の眼に変わっています。こういう人はいい加減な事を言っても信じてくれません。それどころか酷い目に遭わされかねない事は過去の経験で解っています。
こうなったら最初と最後は本当の事を言わないとね。でも部屋は違うとはいえ、卡拉OK小姐達と一緒のホテルに泊まったとは口が裂けても言えません。あくまでも最初と最後です。
「何しに行ったんだ」と言うので、「風呂に入りに行った事と、何回も入っていたので、日本人の習慣は理解出来ないって言ってやれよ」と小李に命じました。
少し笑顔を見せた総経理ですが、「本当に卡拉OK小姐達とは何もなかったのか」と聞いて来ました。やはりかなりの部分を知っていると見えますね。
崖南で小姐達と逢って一緒に新会に言った事。小李は小姐達と洋服を買いに行った事。その間私はホテルで風呂に入って休んでいた事などを説明しました。
翌日は文房具などを買い、江門の遊園地に行った事。新会の公共汽车站で卡拉OK小姐達と再会したので一緒に帰って来ただけだと説明しました。
それでも疑いの眼を向ける総経理です。私は、「6人の小姐をふたりで相手出来る訳ないでしょ、貴方は出来ますか、と言ってやれ」、「え、言うだか」、「言えよ(キムタク風)」。
すると笑い出した総経理、「解りました、従業員が日本人と卡拉OK小姐達が新会に行って泊まって来たと報告して来たから聞いてみただけです」だって。ここはスパイだらけです。
いや、卡拉OKのマネージャーは総経理の兄です。小姐達を連れ出されたと勘違いして弟にクレームしたのかも知れません。これからは気を付けないとと心に命じる白楽雲でした。
「でも、外出する時は工場のスタッフに言ってください」。「小李、言ってなかったのか」、「言ってないだよ」、「これからは言ってくれよ」、「解っただよ」。私は総経理に謝罪しました。
しかし、この事だけが原因ではないのですが、小李は公司に協力的ではないという理由で翌週の月曜日にクビになってしまったのです。日本人の言う事しか聞かない子でした。
給料は中国の公司が払っているのです。私も注意はしていたのですが、自分のボスは日本人だと想っている様でした。ありがたい事ですが、悪い事をしたと想ったものです。
小李が辞める件とその後の顛末は「広東省新会市」及び「宣戦布告」を参照願います。
工場を小李とトンズラした私は、阿芳(小李のお気に入りの女の子)を連れて珠海のホテルに泊まりました。コテージ風の洒落たホテルでしたが安いのなんのって・・・。
二部屋取ったのですが、一部屋は私用、もう一部屋は小李と阿芳用。私の部屋で小李から工場のイロハを教えて貰い、後は二人の時間を造ってやったのです。
阿芳が、「如何して阿麗を連れて来なかったのですか」って言われたのですが・・・。何と言って良いか迷っていると、「貴方の彼女でしょ」って言われてもね・・・。
何時から彼女なんだ・・・(何時も一緒に居るからだろ)。仕方が無いので、「彼女とは何時でも会えるけど、君達は当分会えないでしょ」と言うしかありませんでした。
阿麗は保護してるだけで特別な感情なんて無いのです(中学生だしな)。そうそう、ガキには興味は無いんじゃ(阿漂ならどうだ)。(スケベ)。
翌日珠海の港から深圳に行くと言う小李と阿芳を残して私は工場に帰ったのです。
当然、総経理からの喚問が待っていました。工場全てを私が管理しなければなりません。私は試されているのです。手を抜く事は出来ません。工場作業もしなければならないのです。
もうクタクタで、卡拉OKに行く元気などありません。元々、小李を喜ばせるために行っていた様なものですからね。暫くは健康的なと言うより、地獄の毎日が続いたのです。
(つづく)
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