リクガメと呼ばれて
マフラーは「リクガメ」と称して売られていたクサガメだった。
夏はトマトや、ブドウなど、時々あげてみると、食いつくこともあるが、「おれはリクガメではない!」と、ばかりにペッと、出してしまう。ほかのクサガメより頑固な肉食系。食事は水中。トイレも水洗。陸ではめったにしない。
クサガメは、ウミガメでないことは確かだが、リクガメでもない。
淡水ガメ、ヌマガメ、ミズガメなどの概念は、種類が複雑で、説明しにくい。
近頃、昼夜逆転気味のマフラー。
リクガメと呼ばれていた近所のクサガメは、すぐにアカミミと馴染んだ。
種類が違っても、亀語が通じるのだろうか。
マフラーは、長いこと他のカメというものを見ていないので、周りの人間のことを、カメだと、思っているかもしれない。
茶色いトリ
夏に、ネズミ捕り(粘着タイプ)を仕掛けていた。が、ネズミは近くを通っても、掛からない。ダンゴムシや、クモや、スズメが掛かってしまった。夏は終わった。ネズミ捕りは、撤去して、夜はドアと窓を閉めることで、ネズミの侵入を防ぐことにした。
9月下旬、掛かった大物は、スズメ。
強力接着剤にくっついて、暴れている間に、尻尾の羽根が、まるごと抜けていた。
つかむと、スズメは、くっついていない方の足で、ラフマ茶の指をワシづかみ、尖がったくちばしで噛みついた。鱗も嘴も温かい。
つまようじにアルコールつけて、ていねいに剥がし、とりあえずプラケースに放り込む。
茫然と固まっているスズメ。
抜けた羽が生えてくるまで、家にいてもらうことにした。
人前では、警戒して、寝姿を見せないが、鳥かごを新聞紙で覆って暗くすると、静かになる。
次の朝、生きていた。少し元気になっていた。
よくエサ食い、よく水飲み、よくうんこする。
スズメは、ベトベト汚れで使い物にならなくなった羽を、自分で抜いて、止まり木や金網に、こすりつけ、2~3日できれいになった。
ごはんは、小鳥のえさの他、砕いたレプトミン、川エビ、乾燥ミミズもよく食べた。
気温が下がると、食欲も下がるマフラーは、さびしそうだった。![]()
そとからスズメの声が聞こえると、スズメは喜んで、
チュン チ チュン チ と、交信している。
早くここから出してくれいっ。
一週間後の晴れた日。
朝ごはん食べてから、鳥かごの扉を開けた。
スズメは外に飛び出すと、まず近くの木に止まり、それから仲間と合流して、見えない所に飛んで行った。
茶色いトリ、たっしゃでな!



















