「無雙庵 枇 杷」 むそうあんびわ お山番の日々綴り -2ページ目

「無雙庵 枇 杷」 むそうあんびわ お山番の日々綴り

60歳で伊豆・土肥温泉の高級旅館「無雙庵 枇杷」のお山番をおおせつかった私。

大好きな自然の中で、果樹や大樹、野うさぎやたぬき・猿・いのしし・鹿などの野生動物と出会い、
雑草刈りや伐採作業にいそしみ、季節の移り変わりを楽しむ日々をつづります。

   
   新年明けましておめでとうございます

   伊豆は天候にも恵まれた松の内となりました。
   気温は例年よりも低く感じましたが、空も海も澄んで気持ちのいい正月を
   伊豆に住まいする人々も、旅行にいらした方々もおもいきり楽しんで過ごしているようです。

   私も暮れの内にお山やお宿の正月仕度を、同世代の宮大工さんや若い庭師さんたちと整えて、
   久しぶりに会う親戚や子や孫たちと話しては笑い、
   妻の手作りのおせち料理や雑煮で酒を酌み交わし、のんびりと明るく年明けを祝いました。

   今年が良き一年であることを世界中の人々が心から願い実現してゆく事を
   私も共に祈りたいと思いながら、
   またひとつ歳を重ねて、平成二十三年を無事に迎えられた事に感慨もひとしおでございます。

「無雙庵 枇 杷」   むそうあんびわ  お山番の日々綴り



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   母屋や回廊周辺も新しい年を迎えて、
   お宿にお泊りになるお客様に祝賀の雰囲気をお届けできるようにと
   暮れの内に大勢であしらいをすませました。

   里では梅も咲き始め、鳥たちの声が愛らしく冬を彩ってくれております。

   お山の木々も新しい芽を用意して、
   温暖な伊豆とはいえ冬の盛りをしのぐ凛とした姿が美しく感じられます。

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   海や富士山、そして夕陽も、何歳になりましても感動の姿をみせてくれる季節です。

   出役の行き帰りに、国道上でたくさんの人々がシャッターを押している姿に出会います。
   日々刻々と移り変わる自然の美は、今年も変わることなく旅する人々の憧れの的のようです。

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  また春たけなわの季節まで、のんびり気ままなお山番の日々ですが
  足腰がなまけてしまわないように、お宿や自家用の畑にも出かけてみたり
  最近、迷いに迷って考え抜いて飼い始めた柴犬「佐助」と散歩に出掛けたりしながら
  大事なお山をいつまでも守ってゆけるようにこの冬を過ごさなければと考えております。



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   朝晩の寒さにも、深まる秋の気配を感じながらのお山番のこの頃でございます。

   この頃は、週に1日~2日ほどの出役ですが、雑草も静まって、
   お山頂上のみかん畑の見廻りとお山の階段の掃き掃除などをゆっくりゆっくりやっております。

   お宿の皆さんも、若いながらも季節の移り変わりを素早く読み取って下さるようになり、
   私がお願いするより前に、みかん狩り用の手かごを用意してくれていました。
   お宿もお山も、重ねた歳月がたくさんの知恵となっている事を感じ、
   その月日が尊いものであったことを殊更にうれしくありがたく感じる・・今年の実りの秋
   「みかん狩り」の季節がまた無事に巡ってまいりました。

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   お山頂上の果樹園は、下方へ三段に広がっております。
   まだまだ「みかん狩り」も始まったばかりで、緑色の実も多くございます。
   黄色く色づいてきたみかんから順に、採取バサミでヘタの上を切り取ってくださると
   来年以降も良い実がたくさん収穫できます。
  
   今年はツツガムシの予防と駆除のために、みかんの根元に白い薬を塗ってあります。
   人や動植物には無害ですからご安心下さい。

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   毎年驚かされる「釣瓶落とし」の日暮れの早さに、今年もまた年甲斐もなくビックリしながら
   夕陽や茜雲に助けられて、そろりそろりとお山を降りる出役の日々です。

   自宅への行き帰りには、可愛い案山子や稲刈りに精を出す人々の姿が目立つようになりました。
   
   冬野菜の収穫を楽しみにしながら、妻に頼まれてコタツやストーブの用意もすませました。
   
   お宿では私が帰る時間になると、裏方さんたちが、
   献立に加わった鍋物の炭おこしをする後姿が深まる秋を告げてくれています。
   
   土肥温泉あたりには一軒もなくなってしまい、天城地区から来てくれている畳屋さんも、
   跡取りの息子さんと一緒に楽しそうにお宿の畳を張り替えています。
   
   
   ひっそりとけなげに生きるお山の動物たちも、冬ごもりのためのドングリや栗拾いに懸命です。

   季節がすっかり変わってしまったことを時たまの出役の度ごとに
   周囲の風景や作業でも知るこの頃のお宿とお山周辺でございます。

   秋には秋の、そしてやがてやってくる冬には冬の、たくさんの輝きをみつめるお山番のこの頃は
   のんびりながらも心からの充実感とありがたさに満ちた日々でもございます。

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  今年の夏は、幼い頃からの記憶を思い起こしても久しぶりの暑い夏でした。
  
  雨も少なく、青空の晴天がいつまでも続き、海辺のにぎわいも華やかな夏らしい夏でしたが
  私も、あまりに続く暑さにすっかり体調をくずしてしまい、あれこれ気にかかっていたり
  お宿の皆さんからの依頼を受けると「ちょっと見廻ってくるよ」などと言いながら
  冷凍庫からカチカチにした茶やポカリスエットや水やと5本ほどリュックに入れ、
  妻が心配するので、早朝や夕刻近くを選びながらのお山番の夏を過ごしておりました。

  九月も半ばを過ぎて、やっと秋の気配と爽やかさが巡って参りましたが、
  伊豆半島では、昼間はまだセミの声がしきりに聞こえております。
  やっと持ち直した体調とよくよく相談しながら、
  秋のお山や果樹園のミカンの実りをゆっくりと見廻り始めております。
  夕方近くなって、セミの声と交代するように鈴虫がリンリンリンリンと自慢の歌を歌い始め
  草室でコウロギの姿や声が聞こえ始めて、心底からホッとしている今年の秋到来でございます。

  赤トンボやオニヤンマも秋の空を気持ち良さそうに舞い始めました。

  輝く夕陽や、夕陽が水平線に沈んだ後の茜雲や夕焼けがことさらに美しく感じられます。
  
  我が家の居間の軒先につるした風鈴も、
  秋風の吹き出したこの頃になって、ようやくリンリンと可愛い音色を響かせ始めました。

  海も空も、お山に通うたびに、毎日表情を変えて、さまざまな光をふりそそいでくれております。

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   ミカンは今年も上々の実りとなりました。
   下草狩りや追肥など、夏の陽射しの中での苦労が報われ、老木たちに感謝でいっぱいです。
   今年もお客様皆様の明るく楽しげな声が果樹園に響く日も近そうでございます。

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  庭師さんが植えていってくれた「白銀ススキ」(パンパースライト)は、お山の中で大きく育ち
  秋を知らせる母屋飾りや回廊あしらいに大活躍してくれております。

  互いに孫も大きくなり、「この夏は恋人をつれてきたよ」などと笑って話しておりますが
  二人で作業をしていた頃が今でもなつかしく楽しく思い出されます。

  全ての生き物に永遠の命がないことなど、とうの昔にわかってはいても、
  たぶんいつまでも共に同じ時代を生きただれもに、
  なつかしい様な哀感を抱き続けるのだろうと思ったりしております。

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  ひそやかに咲く秋の野花、毎年心癒される秋の虫たちの合唱、厨房に届けるお山の奥の秋の実り、
  爽やかさに包まれ始めたお山での日々をのんびりゆったりと過ごしております。

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  お山で作業をしていると、夏祭りの太鼓やお囃子の練習の音や鳥たちのさえずりに混ざって
  そののどかなやさしい音に負けまいとでもするようにセミたちの声がひびくようになりました。

  さえずり交わしていた鳥たちも、セミたちの高い声に驚いて、瞬間さえずりを止めてしまいます。
  
  地上に出て、緑濃い木々に憩った喜びを、全身で感じながら歌うセミたちの声は
  いつの時代にも、夏を告げ、夏を精一杯謳歌する森の音色です。

  お山頂上から見晴らす海も、すっかり夏の色になりました。
  大きなカーフェリーや大小の釣り船、若者たちが水面に白い波をつくるジェットスキーが
  楽しげに行来するのを見ながら、木陰のテーブルで昼食をとったりお茶を飲んだりしております。

  新しい歌も知らないので、いつも口ずさむのは「海は広いな大きいな」というワンフレーズですが
  大きく伸びをしながら、休憩終わりにそのフレーズを口ずさむと、気持ちまで広々して
  「さて」などと言いながら、次に予定していた仕事に元気良く取りかかれるのでございます。

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  お宿には「七夕飾り」が飾られました。
  お山では次々に成長して、たまにやっかい者扱いされ、笹囲いまで作られてしまっていますが、
  七夕の季節ばかりはお客様の願い事を天に届ける役目をしながらうれしそうです。

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  土肥温泉の各地区では、海山の神に一年の恵みと安泰を祈り、夏を迎える伝統行事「天王祭」が
  老いも若きも総出の中、熱気に包まれて執り行われました。
  写真は、無雙庵枇杷お宿のある「中浜区」の祭りの様子でございます。

  私の在所では、人口減少のために、年々、行事を縮小していかざるを得なくなっておりますので
  お宿の皆さんからいただいた、それぞれの写真の中から伝わってくる「郷土土肥」への思いに
  改めて懐かしさとありがたい様なうらやましさを感じております。

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  果樹園ではミカンが、その常緑の葉と同じ色の実をいっぱいに付け、ふくらませ始めました。
  今年はツツガムシの予防対策をしたりしながら、秋の収穫時期を待っております。
  毎年、お宿でのご宿泊とお山でのミカン狩りを楽しみにして下さっているお客様も多くなって
  若木の保護にも、老木の養生にも力をそそいでいかなければと思っております。

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  お宿母屋玄関には、今年も蓮を運んで参りました。
  一年間大切に育てられて、大きく育った蓮根から、あふれるように緑の葉を広げております。
  これから次々に花を咲かせて、メダカやアマガエルや鳥たちを遊ばせながら、
  夏の陽射しの中で、涼しげにお客様を出迎えてくれる事と思います。
 
  私も身体によくよく気を配りながら、今年の夏の出役の日々をつつがなくこなして
  果樹やお宿周辺を大事に見守っていきたいと思っております。
  
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   今年の春は、天候も気温も定まらぬままで、どうやらこのまま六月を迎えてしまいそうです。
   私の出役も、天候に翻弄され続けて、なかなか思うようにいかない日が多かったのですが
   期待を裏切らずに「びわの実」は黄金色にたくさん実ってくれました。

   それでも古くから自生している大木も多いお山のびわの木です。
   いちばん高い場所に実った実は、おおかたヒヨドリやムクドリなどに食べられてしまいました。
   白い花をいっぱいに咲かせたみかん園の世話に私がやってくると
   とりあえずいっせいに空高く逃げるふりはするのですが、またすぐにやって来ます。

   夜にはタヌキの親子も大活躍している様子で、
   よ~く目をこらして見ると、びわの木の幹に大小のうすい爪あとが残っていたりしております。

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  びわの実狩り用の手かごや切りバサミ、採取方法を書いた栞もお宿母屋に置いていただきました。

  まだまだ緑色の実も多く、どうしても高い場所に実った実の方が早めにおいしく熟していくので
  大木のそばには、高枝切りバサミも置いておきました。

  無雙庵枇杷お山に自生する土肥温泉固有の品種「土肥びわ」の季節をお愉しみいただければと
  独特な形の円いかわいい実が、その甘い香りをただよわせながら
  順々に黄金色になってゆく様子を見守るこの頃のお山番の日々でございます。

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  今年は、ミカンの花の交配のために、毎年頼りにしているミツバチの訪れがすくないなぁ・・と
  少し不安に思っていたのですが、いつもより十日ほども遅くミツバチたちが姿を見せ始めました。
  それでも数が少なく、自然も今年の気候の不順さに困惑しているのではと思ったりしております。

  春らしい日が少ないと私の在所の人々にも、土肥の人々にもいわれる今年の春ですが、
  お山でもお宿にも、たくさんの鳥たちのさえずりが聞こえてまいります。
  果樹園の端の人目につかない草むらでは、どうやら日本キジの夫婦が子育てを始めたようで
  私の姿を見ると、きれいな羽を光らせながらオスキジが「ケ~ンケ~ン」と高く鳴きながら
  戦いを挑んできたり、あちこちで餌さがしや巣の見張りに懸命なさまざまな鳥の姿をみかけます。

  海へ山へ野へと・・飛び交いさえずる鳥たちの春は、今年も無事に巡ってきたようです。


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   自家農園でも、野菜やハーブ類、お宿あしらい用のおもちゃカボチャやミニカボチャが
   順調に成長してくれております。
   収穫はまだまだ先ですが、時折楽しみに見廻っております。

   初夏から夏へと移り変わる季節が、いままでの分を取り戻すような良い気候となります事を
   お山を歩き、天を仰ぎながら心から願うお山番の日々この頃でございます。

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イノシシも、あちこちの山の実りに、一家揃って出掛けるのが忙しくなったらしく
無雙庵枇杷のお山にも、夜中に時たま訪ねて来ては、大きな足跡や小さな足跡を残して
朝やってくる私にため息をつかせる程度の暴れ方になりました。

竹の子もどんどん出てきて、久しぶりににぎやかになった孟宗竹林には、
お客様の楽しそうな声と笑顔があふれております。
シンと静まっていた竹林の竹たちも、一年を無事に過ごし、
「竹の子狩り」の季節を迎えた事を誇らしげに感じているように見えます。

今年は例年にない寒暖差の春となり、「竹の子狩り」も遅い始まりとなりましたから
桜と同じように、これから長く楽しんでいただけるのではと思っております。

孟宗竹林入り口に置いてある「土肥シイタケ」のほだ木からも
たくさんのシイタケが顔を出してくれております。
私がお山で仕事をしていますと「このキノコも採っていいんですか?」と
不思議そうなお顔で聞いていらっしゃるお客様に「どうぞどうぞ」とお答えすると
「キノコって土から出てくるものだと思っていました」とのことで
香りや調理方法などお教えして、「このお山はタケノコとキノコがセットで採れるんですよ」
などと冗談で言うのですが、若いお客様は「すごいですねえ」と真顔で聞いておられ
冗談を言ってしまった自分が恥ずかしくなるなどという事もございます。

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新緑も日に日に豊かになっております。これから冬の間に少し鈍ってしまった身体を鍛えなおして
雑草刈りにも精を出そうと思っております。ビワやミカンなどの果樹の実りも豊かなお山の一年を
花の頃から見つめ続ける季節が今年も無事に巡って参りました。

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無雙庵枇杷お宿にも源泉がひかれている土肥温泉が誕生したのは慶長15年(1610年)
大泉寺本尊の薬師如来のお告げにより「まぶ湯」が湧出したことが始まりとされております。
今年で400年「まぶ湯」所在の安楽寺では「薬師如来のご開帳」が行なわれています。
薬師如来は記録に残る上では文化11年(1815年)に開帳されたのが最初で、
この400年に併せてご開帳されているとのことです。
私も行って参りましたが、慈愛に満ちたその姿は深い威厳と慈しみにあふれておりました。

「まぶ湯」は別名「子宝の湯」とも「良縁の湯」ともよばれております。
 
4月1日から4月30日午前8時から午後4時までまぶ湯無料拝観
4月3日から19日午前8時から午後4時までは
薬師如来尊ご開帳の儀式が厳かに執り行われております。

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  今年の春は寒暖の差が激しく、桜たちも迷ってしまったらしく、勝手気ままな開花状況です。
  満開が早かった海辺の桜は、里深い所の桜がまだつぼみだというのにそろそろ散り始めています。
  車の行き交う国道136号線のあちこちで、急に見えてくる満開の桜を写す旅する方たちも
  「いつも桜を写すところがまだつぼみだったんだ。このあたりは満開なのになぁ」
  などと言いながら海を見晴らす国道沿いで、桜撮影のための安全な場所の確保に大変そうです。

  私も、在所の桜がまだ五部咲きといったこの頃、出役の行き返りに軽トラの中から
  海沿いの華やかな桜並木をおおいに楽しんでおります。

  寒桜・土肥桜・河津桜、そしてこの染井吉野が咲き揃い咲き終わると、
  伊豆半島も本格的なあたたかい春本番を迎えそうな今年の桜模様でございます。

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  お山の木々も、いっせいにやさしい色の芽吹きを見せ始めました。
  新緑が重なり合い、まぶしい程の輝きをみせる季節はもう少し先だと感じますが
  木々が、待ちかねた春の光に向かってちいさな芽吹きを始めるこの季節には
  「希望」という言葉がぴったりだと感じ、何歳になりましても心ときめく思いがいたします。

  お宿やお山のそこここにも、ひっそりとけなげに野の花が咲き始めました。
  
  果樹園では、たわわに実った枇杷の実がその独特な形で枇杷の大木を飾り始めております。
  
  竹林には、今年の竹の子の豊作を予感させるように、まだ地下深くにある竹の子を狙っては
  真夜中にイノシシの家族がやってきて、大きな鼻と太い足と体で大奮闘の跡が残され
  その跡かたづけが、出役の日の大仕事というこの頃ですが、お宿の皆さんやお客様で
  久しぶりににぎやかになる「竹の子狩り」の季節がすぐそこまで来ている事が
  うれしい日々を過ごしております。

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  夕陽の色もなんとなく春らしい色に感じるこの頃でございます。
  
  お山や保有敷地もにぎやかになって、厨房のお料理用にも、お花あしらいの方々にも、
  春の木々や食材をお届けできるようになりました。

  鳥たちの歌声にいっそう元気をもらいながら、
  ますます忙しくなるお山での毎日を心楽しく過ごしております。

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四月十日追記

  庵主家の菩提寺「最福寺」の日本唯一の品種「最福寺しだれ桜」がこれから見頃を迎えます。
  例年より十日ほど遅い見頃となった今年は、私の出役ペースにぴったりと合い
  見逃す事もなく、さっそく見学に行って参りました。

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  ここ最福寺にも、やはり六地蔵が、しだれ桜の下でやさしいお顔で佇んでおられました。
  生まれ出ずる者だれもがただひたすらに正しい道、清らかな道を歩むことができなくても
  天上のどの世界に行こうとも、たとえ地獄に落ちてゆく者にも六地蔵のお一人が必ず寄り添い
  護り導き諭すと古くから信じられております。

  だれもが仏教の教えの深きに到達し、「菩薩」の心に達するには険しい現世の中で
  六地蔵のあたたかくやさしい微笑みは、厳しく難しい現代を生きる全ての人々にとって
  大きな救いとなっているようにも思えます。

  「最福寺」に向かう途中の国道136号線の土肥・大久保地区に咲く「鬱金桜」の大木は
  今年もこれからが見頃です。淡い緑色の神秘的な姿の鬱金桜の大木は大変に珍しく
  この桜が咲く姿に出逢うと幸運がやってくるとも語り継がれております。

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   山桜、染井吉野も、やっと満開を迎えたところも多い寒暖差の激しい今年の春ですが
   出役の度に順々にさまざまな桜を写せるうれしさも感じております。

   最福寺周辺の山桜と染井吉野は、まだまだ見頃が続きそうな様子でございました。

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   一月末から二月は、毎年お山も落ち着いている時季です。
   私も六十歳半ばを過ぎて、お宿の皆さんからお山の階段の修繕依頼などがある時以外は
   すっかりうたた寝ばかりの冬ごもりの毎日を送っておりましたが、
   伊豆もポカポカ陽気が続き始め、あちこちでいろいろな花便りが聞こえるようになりますと
   やはりじっとしている事ができずに、
   冬眠から覚めた狸のような心持ちでお山や保有敷地を見廻り始めております。

   ここ伊豆では、旧暦に習って、四月まで「雛飾り」や「つるし雛飾り」が飾られて
   「雛」にちなんださまざまな催しも多く、次々に花々が咲きにぎやかに春が始まります。
   お宿母屋でも、可愛いお雛様が今年も春を告げて、時折出会う私にも微笑んでくれております。

   母屋玄関あしらいや、回廊あしらいの花木も「白梅」「豊後梅」「あんず」これから「桃」と
   冬ごもりの間も折々に保有敷地から枝伐りをしてはお届けしておりました。
   今年はどの花木も少し開花時期が早いと感じながら、なるべく蕾の内に伐りに行っております。
   

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   私が冬ごもりを決め込んでいる間にも、お山の春は確実にやってきておりました。
   「フキノトウ」「明日葉」「野イチゴの花」などが、
   ゆっくりゆっくりお山を歩く私の足元で、「気付いてくれないかなぁ」とでも言いたそうに
   春まだ浅い陽の光の空を見上げながら、ひっそりと落ち葉の間から顔を出し始めました。

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   気温の変化も日々の上下が激しく、春の嵐にも驚かされるこの頃でございますが
   晴れた日のお山には、鳥たちの声も楽しげです。
   ウグイスが「ホーホケキョ」と上手に歌い始め、そこここで子育て用の巣作りも始まりました。
   メジロは今年も、果樹園に残されたミカンのすっかり熟した実を上手に突いております。
   変わらずつつがない自然の営みに、感謝しつつ過ごす季節が無事に又巡って参りました。

   たまの出役の日々に、あれもこれもと片付けながら、お山から見る海と夕陽の美しさも
   三月を迎えて、変わらぬ輝きでございます。
   今年もそろりそろりと動き出し、やがてやってくる「竹の子」の季節や「びわの実」の季節に
   身体を上手に合わせていかなければと思いながら過ごす春まだ浅いお山番の日々でございます。
   
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平成二十二年の新年も、日本中に厳寒のニュースが伝えられる中、無事に迎える事ができました。
無雙庵枇杷お宿もお山も、新年の寿ぎの装いを十二月暮れ内に済ませまして
正月は例年通り、在所の祀り事や、子や孫を迎えて餅や正月料理を振る舞う妻のうれしそうな顔を眺めながら、忙しい中にも喜び多いにぎやかな松の内でございました。

今年は、例年にない寒さと強い風の中で迎えた年始のお山や正月飾りを心配しながらの初出役の日は、
想像していた以上にあちこちに木枝が飛び交っていたり、飾り付けた玄関大壷のマユミの大枝が壷から飛び出しそうになっていたりで、愛車の軽トラを降りたとたんに正月気分も一気に吹き飛び、久しぶりの正月嵐の後始末に大忙しの一日となりました。

それでもともあれ、今年も気ままなお山番の私を、「明けましておめでとうございます」と明るい笑顔で出迎えて下さったお宿の皆さんと一緒に、安泰無事に一年を過していきたいと願っております。

河津桜よりも早咲きで華やかだと讃えられる「土肥桜」は、今年はなぜか例年よりも早い開花を見せ始めております。ポカポカ陽気の一月よりも、冷たい空気が好きなのか、つぼみをいっぱいに付けて、土肥のそこここで早くも開花を始めました。

お宿の象徴ともなっている大木の「山もみじ」はすっかりその赤い葉を落としてしまいましたが、
その大木に護られていたのか、幼木の山もみじは、まだまだ紅葉を楽しませてくれている海辺の里山には、小鳥たちがいっせいに天城山系の高地から移ってきて、可愛い姿と声で冬を過しております。

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夕陽はこれからもますます美しく輝きを増してきます。
久しぶりに写した二十二年の夕陽も、出役の日々ごとにさまざまな輝きで私を感動させ続けてくれております。

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今年も出役の行き帰りに出会う富士山のあまりの神々しさに、思わず手を合わせてしまいます。
朝早くには、天城の山々から昇る太陽に赤く染まる富士山と出会えます。
夕陽が沈む前には、夕陽に赤く染まる富士山に出会えます。
遥か下方に南アルプスの山々を従え、駿河の海に浮かぶように凛としてそびえるその姿は、日本の誇る日本人だれもの心の故郷であるように思え、今年もやはり一心に写真を撮っております。


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毎年毎年、願い祈る平和が、今年こそ真に実現されることを願いながら、西伊豆の自然の全てと穏やかな日々を有り難く尊く感じ、感謝しつつ迎えた平成二十二年の年の始めお山番の日々でございます。
今年もひとつ歳を重ねる身体を上手に養生しながら、のんびりゆっくりと出役を果たして参りたいと改めて考えております。

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   今年もいつの間にか年の瀬となり、気持ちばかりが前のめりになっております。

   それでもこのところ晴天に恵まれ、在所では干し柿や干し芋の甘みも上々で、
   正月の飾りつけに使う橙もよく実り、干し上がった大根で漬物づくりも始めております。

   冬は草刈の手も取られずにすむので、お宿の細部の修繕作業や落ち葉掃きをお手伝いしたり
   お宿あしらい用に、お山の奥から山椿や赤い実をつけたツタ類をお届けしたりと
   のんびりゆったりの出役の日々を過ごしております。

   山もみじの葉は、お料理の季節あしらいにも大活躍です。回廊やお山にもヒラヒラと落ちて、
   温暖な伊豆の海辺の少し遅い紅葉の季節を、その愛らしい葉形で伝えてくれているようです。

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   無雙庵枇杷お山に独特な生態系で根付き成長する山椿の開花は、例年よりも少し早く感じます。
   山椿としては大木も多く、葉を落とし冬姿の木々が多いお山を今年も明るく彩り始めました。
   来春、桜の季節になる頃まで、さまざまな色の山椿が次々に開花していきます。

   お山から見晴らす海の深い蒼さは、十二月のこの頃、ますます美しく感じられます。

   晴れた日にも、空が雲をうかべた日にも、出役の度に違う輝きを見せてくれる
   海と空と太陽と木々の織り成す「光の舞台」は、お宿とお山と共に時を重ね、
   永遠に繰り広げられる「野外舞台」のようだと歳月を重ねるごとに感動を新たにしております。

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   野水仙も香り高く咲き始めました。みかんも日ごとに甘くなっております。
   孟宗竹林入り口に「土肥シイタケ」も顔を出し始めました。
   無雙庵枇杷お山だけでなく、伊豆半島の山野に自生する野水仙は、冬を告げながらも
   やがてやってくる春に、咲き乱れる花々を待つ愉しみを教えてくれる可憐な姿でございます。

   今年も穏やかさに包まれたお宿とお山の日々でございましたが、
   毎日届けられる日本や世界のニュースは心配なことばかりの一年でもございました。

   どうか来年が、希望に満ちた良き一年となることを祈らずにおれません。
   幸福が、思いの他すぐ傍にあり、日本にも古くから語り継がれてきた多くの教えの中に
   それを知る尊い言葉も多いと思ったりしながら
   後十日ほどとなった師走の日々を感慨深く過ごしております。

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